GUIDE
はじめての家づくり
認定低炭素住宅
税制優遇を受けられる認定低炭素住宅
国による省エネ建築の認定制度「低炭素建築物認定制度」の基準に合った住宅を、「認定低炭素住宅」といいます。この認定を取得することで、税制優遇などのメリットを受けることができます。
省エネ基準より10%省エネクリアで認定低炭素住宅
高断熱化と高効率の設備の採用
節水対策や木材の利用も評価される
認定低炭素住宅とは、建物の断熱性を高め、高効率の住宅設備を備えることで、省エネ法で定める「住宅の省エネルギー基準」に比べて、一次エネルギー消費量で10%減らせると認められた住宅のこと。一次エネルギー消費量とは石油や天然ガス、原子力などの大本のエネルギー源の消費量に換算した値です。HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)の導入や節水対策、木材の利用、壁面緑化などのヒートアイランド対策なども評価対象になりますが、太陽光発電や燃料電池で発電したエネルギー量は差し引いて評価されます。
【低炭素住宅の認定には下記の2つ以上の省エネ対策を講じる必要があります】
- 1.節水機器に役立つ設備機器を採用(節水型トイレや水栓など)
- 2.雨水・井戸水・雑排水利用する設備の設置(雨水を貯水タンクなど)
- 3.HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)やBEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)の採用
- 4.再生可能エネルギーおよび蓄電池の設置(太陽光発電・蓄電池の設置など)
- 5.ヒートアイランド対策(屋上や壁面の緑化など)
- 6.劣化等級3(住宅の劣化を軽減する処置)
- 7.木造住宅
- 8.高炉セメントの採用
さまざまな優遇措置
住宅ローン控除の限度額が拡大
登録免許税の税率も優遇
認定低炭素住宅には、さまざまな優遇措置が設けられています。1つ目は住宅ローン控除。対象となるローン残高の限度額が一般住宅より1,000万円拡大され、10年間の最大控除額が100万円アップします。2つ目は、登録免許税の税率の優遇。新築の所有権保存登記の税率が0.1%(一般住宅0.15%)に、中古の税率が0.1%(一般住宅0.3%)に引き下げられます。このほかにも、フラット35Sの「金利Aプラン」が適用され、当初10年間の金利が0.6%引き下げとなります。
【認定低炭素住宅の住宅ローン控除の概要】
入居年 | 2014年3月31日まで | 2014年4月1日 ~2017年12月31日 |
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住宅の種別 | 一般の住宅(A) | 低炭素住宅(B) | 一般の住宅(※1) | 低炭素住宅(※2) |
控除対象 借入限度額 |
2,000万円 | 3,000万円 | 4,000万円 | 5,000万円 |
控除期間 | 10年間 | 10年間 | ||
控除率 | 1.0% | 1.0% | ||
最大控除額 (年間控除額) |
200万円 (20万円) |
300万円 (30万円) |
400万円 (40万円) |
500万円 (50万円) |
住民税からの 控除上限額 |
9.75万円 | 13.65万円 |
※1 消費税8%または10%の場合の金額であり、それ以外の場合は(A)欄と同額
※2 消費税8%または10%の場合の金額であり、それ以外の場合は(B)欄と同額
「長期優良住宅」と「低炭素住宅」とは何が違う?
長期優良住宅は総合的な性能が必要
低炭素住宅は省エネ性能に特化
「認定長期優良住宅」と「認定低炭素住宅」の優遇措置は似ていて混同されることもあるでしょう。ただし、制度の主旨は異なり、認定長期優良住宅は、住宅が長期間良好な状態で使用できるように耐久性や省エネ性、耐震性、維持保全容易性などがまんべんなく求められます。これに対して認定低炭素住宅は、省エネ性能に特化したもの。より高い省エネ性能が必要ですが、耐震性やそのほかの条件は緩和されます。建設費用でいうと、認定低炭素住宅のほうが安価にできる傾向があり、一般住宅より税制優遇を比べるとお得といえるでしょう。