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家づくりの雑学

2023.09.20

注文住宅の予算はどれくらい?間取りや相場を実例付きで解説

最終更新日:2024/08/13

注文住宅を購入するうえで、いくらの予算が必要になるのか疑問に感じている方も多いでしょう。そこで本記事では注文住宅の相場について解説します。

予算別の間取りや費用の内訳について紹介するため、自分の年収や予算をもとにした具体的なイメージができるでしょう。予算内で満足度の高い家づくりをするために、注文住宅の購入を検討している方はぜひ参考にしてください。

INDEX

注文住宅の費用の内訳は?

注文住宅にかかる費用の内訳は以下の通りです。

  • ● 土地購入にかかる費用
  • ● 建築にかかる費用
  • ● 手続きにかかる費用

それぞれの内容を把握して、具体的な資金計画を立てましょう。

土地購入にかかる費用

注文住宅を建てる際は、建物の建築費用以外に土地の購入費用がかかります。土地の価格はエリアによって異なりますが、都心エリアでは建築費用以上の価格になるため、事前に資金計画を立てましょう。土地の購入に多くの予算を費やしてしまうと、建築費用を削らなければならないため、満足できる建物を建てられない恐れがあります。

一般財団法人土地情報センターの都道府県地価調査によると、住宅地の平均価格は1平方メートルあたり7万5,600円(1坪あたり約25万円)です。ただし、全国で一番安い鳥取県が1平方メートルあたり1万9,000円(1坪あたり約6万3,000円)で、一番高い東京都が38万9,100円(1坪あたり約128万円)と、価格に大きな差があるため、住宅を建てたいエリアの相場を把握する必要があります。

土地購入について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

土地探しの賢い依頼方法とは?優先順位の決め方を知り、最適な土地を見つけよう!

建築にかかる費用

建築にかかる費用とは、注文住宅の本体と付帯工事にかかる費用であり、費用一覧は以下の通りです。

  • ● 仮設工事費
  • ● 基礎工事費
  • ● 内外装工事費
  • ● 設備設置費
  • ● 設計料
  • ● 付帯工事費
  • ● 地鎮祭や上棟式の費用

建築費用は高額になるため、工事の進捗に応じて複数回に分けて支払うのが一般的です。自己資金がない場合は、つなぎ融資を受ける必要があるため、ハウスメーカーと相談しながら具体的な資金計画を立てましょう。

なお、住宅の規模やハウスメーカーによって建築費用は異なるため、複数社へ見積もりを依頼するのがおすすめです。

建築費について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

建築費とは何を指す? 注文住宅の家づくりにかかるお金

手続きにかかる費用

注文住宅購入の手続きには、以下のような費用がかかります。

  • ● 登録免許税
  • ● 司法書士報酬
  • ● 不動産取得税
  • ● 住宅ローンの事務手数料・保証料

登録免許税とは、不動産の登記にかかる費用です。固定資産税評価額などをもとに所定の税率が課されます。新築住宅の課税標準は以下のサイトを参考にしてください。

東京法務局管内新築建物課税標準価格認定基準表

また、登記は基本的に司法書士に依頼するため、司法書士費用もかかると考えましょう。司法書士報酬は依頼する司法書士によって異なります。

不動産取得税とは、不動産を取得した方に課される税金であり、購入後半年ほどで納税通知書が届きます。購入から期間が空くため、忘れずに納税資金を準備しておきましょう。

住宅購入時に住宅ローンを組む場合は、事務手数料や保証料がかかります。金融機関によって費用は異なるため、商品の内容とあわせて比較検討しましょう。

注文住宅の家の広さと建築費の平均は?

2021年度のフラット35利用者調査によると、注文住宅の広さと建築費の平均は以下の通りです。

地域 住宅面積(平方メートル) 建築費(万円)
全国 123.8 3,569.7
首都圏 123.8 3,896.0
近畿圏 127.1 3,775.7
東海圏 123.5 3,650.4
その他地域 123.1 3,368.7

参照:フラット35利用者調査

どのエリアであっても120平方メートル程度の広さの注文住宅を建てる際は、3000万円中盤から4000万円ほどの費用がかかると考えましょう。

予算別の注文住宅の間取りの特徴

本章では、以下の予算別に注文住宅の間取りの特徴を解説します。

  • ● 1000万円以下
  • ● 1000万円台
  • ● 2000万円台
  • ● 3000万円台
  • ● 4000万円台

それぞれについて見ていきましょう。

依頼先 住宅の特徴
1000万円以下 ローコストハウスメーカー シンプルなデザイン
1000万円台 ローコスト~
中堅ハウスメーカー
一定のカスタマイズが可能
1500万円台 ローコスト~
中堅ハウスメーカー
メリハリがあれば要望は実現可能
2000万円台 中堅~
大手ハウスメーカー
標準仕様
+最新設備の導入が可能
3000万円台 大手ハウスメーカー 最新設備の導入
+豪華な間取りの設計が可能
4000万円台 大手ハウスメーカー 大規模な間取りや、特別な機能を持つ部屋の設計が可能

なお、予算内に収める節約方法を知りたい方は以下の記事をご覧ください。

想定外の出費を防ぐには 予算オーバーを防ぎ、家づくりのお金を節約するポイント

1000万円以下の注文住宅の場合

1000万円以下で注文住宅を建てるにはローコストハウスメーカーに依頼する必要があります。ローコストハウスメーカーとは、規格の均一化、資材の大量調達などによって建築コストを下げているハウスメーカーです。

ローコストハウスメーカーで建てた住宅をローコスト住宅と呼びます。ローコスト住宅はデザインや間取りがシンプルなものが多いです。

設備のグレードやアフターサービスなどは最低限のものになるため、できるだけ予算をおさえて注文住宅を建てたい方向けのプランです。

1000万円台の注文住宅の場合

1000万円台の注文住宅は、ローコストハウスメーカーから中堅のハウスメーカーで建てられます。3〜4人で住むには十分な広さを確保できる他、エコ設備の導入や収納スペースの増加など、一定のカスタマイズが可能です。

1000万円台の注文住宅はシンプルなデザインになる傾向があります。凹凸の多いデザインは、建築コストが高くなるためです。そのため、外観で個性を出したい方には物足りなく感じる部分もあるでしょう。

1500万円台の注文住宅の場合

1500万円台の注文住宅は、ローコストハウスメーカーから中堅のハウスメーカーで建てられます。ローコスト系なら30坪の2階建てでも広さの確保は容易です。建築当初は外構に凝らず、DIYなどもおこないながら徐々に仕上げていきましょう。

1500万円台の注文住宅は、何に重きを置くかで予算配分が大きく変わります。たとえば外観よりも断熱や耐震など住宅性能を重視した家づくりや、広い敷地を確保して平屋の贅沢な空間を志向するなどです。

「ここは力を入れ、ここはそれほどでも」というメリハリの利いた要望が、満足度を左右することがあるでしょう。

2000万円台の注文住宅の場合

2000万円台の注文住宅は中堅〜大手のハウスメーカーで建てられます。大手ハウスメーカーに依頼する場合は、2000万円台後半からの価格になると考えましょう。プランは概ね標準仕様となります。

多くの場合、3LDK以上の間取りが可能で、趣味の部屋や勉強部屋など、個別の部屋を持つこともできるでしょう。また、省エネ設備の全面導入や、最新のスマートホーム機能の追加など、より快適な生活環境を実現できます。

3000万円台の注文住宅の場合

3000万円台の注文住宅は、豪華な間取りや最新の設備の導入が可能です。広々としたリビングや、多機能なキッチン、快適なバスルームなど、贅沢な住まいへの要望を満たせるでしょう。外観も他の住宅とは一味違ったおしゃれなデザインになり、住宅の個性を出せます。

家づくりに強いこだわりがあり、デザイン性と機能性を両立させたい方に適した価格帯です。3000万円ほどの予算をかけることで納得できる家づくりができるでしょう。

4000万円台の注文住宅の場合

4000万円台では、本格的な豪邸の建築が可能になります。5LDK以上の大規模な間取りや、ゲストルーム、ホームシアターなど、特別な機能を持つ部屋を設計できるでしょう。

インテリアやエクステリアの素材にもこだわり、高級感と独自性を追求できます。最新の省エネ設備やスマートホーム機能も全面的に取り入れ、生活の質を最大限に引き上げることが可能です。

費用と仕様の関係についてより詳しく知りたい方は、以下もご参照ください。

関連リンク:https://www.housingstage.jp/topics/topics-16099

注文住宅の費用は何で変化するの?

住まいの予算を考える際には、注文住宅を建てる費用を変化させる要素がどのようなものかを、事前に把握しておきましょう。同じ広さの土地や延べ面積でも、それ以外の以下のような要素で価格は上下します。

  • ● ハウスメーカーによって変化する
  • ● 土地の価格によって変化する
  • ● 土地の形や法規制によって変化する
  • ● 設備など、オプションによって変化する

予算を左右する要素が分かっていれば、何を優先すべきかの方針を考える材料となるでしょう。建物の形やグレード、設備の内容、立地などの要素が費用にどのような影響を及ぼすかを確認しましょう。

ハウスメーカーによって変化する

ここまでご紹介したように、ハウスメーカーと、その商品ラインの違いで、価格は大きく変わり、近似した面積や間取りでも違いが現れます。通常大手ハウスメーカーは高額で、地元の工務店は比較的安い傾向があります。

違いの出る内訳としては、建材のグレードや広告宣伝費、人件費の違いなどです。大手の安心感という要素も価格のうちとも考えられますが、価格が安いだけではなく、何かあればすぐ相談しやすい地元工務店の利点も見逃せません。

価格の安さよりコストパフォーマンスに着目しましょう。

また、注文住宅ではない建売住宅の価格の安さは、建材の大量発注と定型プランによるコストダウンによるものです。ただし、家族の希望よりも定型仕様を優先する形になります。

土地の価格によって変化する

住宅の取得費用の中には、土地を所有していないかぎりは土地の価格が加わります。土地の価格はエリアによって大きな差となり、もっとも流動的な要素といえるかもしれません。

また、同じエリアでも駅などの施設からの距離や、駅を都心からひと駅遠くするだけで、費用がかなり変化します。

通常比較している注文住宅の価格は、建物のみを対象にしているか、土地代込みの費用を見ていることが多いかと思います。候補エリアの売地について、建築条件なしの土地値で比較するか、国土交通省の公示価格などを参考にして1.1~2倍で、実勢価格の相場の参考にするとよいでしょう。

土地の形や法規制によって変化する

平均的な価格か、むしろ相場より安い土地なのに、あとで費用がかかってしまうケースがあります。土地の形や、周辺環境からくる法規制などの要素が注文住宅費用に影響するためです。

三角地に建物を建てる場合、建物の形が複雑になって壁面の面積が増え、工事費が増えることがあります。また、防火地域や準防火地域に指定された土地の場合は、耐火性能の高い建材を使うことで、建築コストが高くなるケースもあるでしょう。

ほかにも、がけ条例の指定された場所では、土地の高低に合わせて擁壁を作る必要があり、これも費用を高くする要因となります。該当する土地をお考えの場合、実例を参考にして、予算感を知っておきましょう。

設備など、オプションによって変化する

注文住宅のオプションで、設備や使用する建材のグレードアップが準備されていることがあります。たとえば食器洗い乾燥機、浴室内の暖房・乾燥機などです。

オプションも家族の話し合いのうえで必要となれば、増やしたり、他を削ってでも取り入れたりということが必要でしょう。

断熱などの省エネルギー性能、耐震などの性能に対するコストは、助成金の申請によって上昇分が吸収できる場合もあります。建築する会社に相談してみましょう。
以下は、予算を見直した設備のランキングです。

注文住宅の予算を考える5つのポイント

前項のような、注文住宅の費用を変化させる要素を考える際に、家族の「どうしたいか」を取りまとめて考え、優先順位を付けるプロセスがあります。以下の5つのポイントです。

  • ①部屋の数や床の面積
  • ②土地の広さはどれくらい必要か
  • ③どのエリアに家を建てるか
  • ④年収、年齢、住宅ローン
  • ⑤住宅の性能やクオリティ

家族に必要な間取りや広さ、家の立地、資金計画などをもとにして、「どんな家を建てたい・建てられる」かを決めていきましょう。これらのポイントに対する考え方や決め方について、ご説明します。

①部屋の数や床の面積

部屋の数や間取りの構成、それをもとにした必要な広さは、家族の人数とそれぞれのライフスタイルが決定のもとになる要素です。

子どもの独立や親との同居、自身の老後に向けて、家をどのように使うのか、未来のリフォームビジョンも含めて考えましょう。

無駄のない広さや間取りを考えることによって、40坪と30坪の差が出て費用に1,000万円以上もの違いが出ることがあります。

②土地の広さはどれくらい必要か

土地の広さも、漠然とではなく、必要な広さを計算してみます。必要な延べ床面積が30坪の場合は、2階建てで15坪、3階建てで10坪の建築面積が可能な建ぺい率・容積率の土地が必要です。

駐車スペースや庭などのプライベートエリアの取りかたも、必要な土地の広さを左右する要素となります。

無駄に広い土地を候補にすると、それだけ費用がかさむばかりか、住み始めてからも高額な固定資産税・都市計画税を払い続ける形になるため、慎重に検討しましょう。

③どのエリアに家を建てるか

前述のように、エリアの違いは大きな土地代の違いにつながります。駅の近くや商店、医療施設などの利便性の良い場所は、取得費用も税金も高額です。

通勤・通学の便や老後の生活の便、自然環境などの要素を踏まえて、コストと利便性のバランスの取れた土地選びをしましょう。ひと駅の違いや駅徒歩距離5分の違いで、価格が大きく変わることもあります。

④年収、年齢、住宅ローン

借り入れを起こして家を買う場合は、頭金の多寡や年齢から決まる返済期間の長さ、年収に見合った支払いができるかなども、家の費用を決めるポイントとなります。返済額は、ローンの審査が通るか、無理のない返済かの2点が大切です。

資金計画や総予算を決めていくために、以下の要素についての確認をしましょう。

  • ● 頭金の金額、年収、ほかの大口の返済を確認
  • ● 夫婦や親子の共同名義・収入合算が適用できるか
  • ● 適切な返済期間と返済総額、返済月額はどのくらいか
  • ● 金利の上昇リスクに対応できるか

⑤住宅の性能やクオリティ

住宅性能やデザイン、設備のクオリティは、家族で優先順位を決めておくことが大切です。たとえばシステムキッチンなどは10~15年後の更新の際に、グレードの高いものに換えることもできます。

暮らしの快適性にもつながる断熱性や気密性、いざというときに生死を分ける可能性のある耐震性に重きを置くという考え方もあるでしょう。

以下は住宅購入の費用について、当初の想定額と見積額の落差のデータです。見積額が増える傾向にあることがはっきりしています。

住宅の費用についてはこちらでもご紹介しています。
関連記事:家を建てる費用はどれぐらい必要?建築費とは何を指す?予算の目安について|住宅展示場のハウジングステージ

注文住宅の費用相場

注文住宅を購入する際の費用を算出するときに、大きな変動要素となるのが土地の価格です。土地がどの程度の割合を占めるかによって、全体の予算配分が影響を受けることになります。

建て替えや、土地は相続して家を建てるのであれば、建物に関係する値段だけで済むでしょう。また、土地込みで住宅を購入するとして、都心部と地方では土地の価格に開きがあります。

土地代がかかる・かからない、高い・安いなどの状況の違いがどのように影響するかの具体的なシミュレーションをご確認ください。

家づくりのコストが年々増している影響で、土地ありで家づくりをする方の割合が増加し、首都圏ではその傾向がより顕著です。

建築時の土地の有無についての調査

建築者で「土地あり」の人の割合 全 国:29.0%(前年比3.8ポイント増)
首都圏:30.5%(前年比7.1ポイント増)

2022年 SUUMOリサーチセンター調べ

土地ありの場合の費用相場とシミュレーション

2022年のリクルート社の調査で、全国の注文住宅の施主の土地代を除く建築費用は、平均3,153万円で前年より165万円増加し、直近7年の中で最高値でした。

建築費自体は高騰を続けていますが、土地代が不要な家づくりの場合、平均値の3,153万よりも思い切った予算取りが可能となりそうです。

親世代以前からの土地を活かして家づくりをする場合、2世帯住宅を検討される方も多いかもしれません。

しかし、もっとも大規模となる完全分離型の2世帯住宅でも、2軒建てるよりはかなり割安となることはいうまでもありません。

下記のシミュレーションは東京都で、建物のみをつくる前提の予算配分のシミュレーションです。

東京都・土地あり注文住宅の費用シミュレーション(総費用5000万円)

建物にかけられる費用:5000万円

  • 建物本体工事費用:3500万円(70%)
  • 付帯工事費用:1000万円(20%)
  • その他の費用:500万円(10%)

上記のほか、建て替えにともなう建築の場合は、仮住まいの賃貸や引っ越し、家財の一時保管などで100~150万円程度の費用が加算されると考えましょう。

土地無しの場合の費用相場とシミュレーション

2022年の同リクルート調査で、建築者(全国/新規土地取得者)の土地代は平均1,971万円となり、前年より293万円増加し、やはり直近7年の中で最高値となりました。

また、国土交通省住宅局の調査によると、土地購入資金は全国平均で住宅取得費の約34%、三大都市圏内では約40%となっています。

東京では約4割を土地購入に割く必要があると仮定すると、5000万円の予算の家づくりは、以下のようなシミュレーションとなります。

東京都・土地付き注文住宅の費用シミュレーション(総費用5000万円)

土地代:2000万円(全体予算の40%として計算)

建物にかけられる費用:3000万円

  • 建物本体工事費用:2100万円(70%)
  • 付帯工事費用:600万円(20%)
  • その他の費用:300万円(10%)

都心の立地の良さを優先して家づくりをすると、総費用5000万円でも上記のような配分となります。

土地高騰の影響はこのような形で表れていますが、都市近郊のエリアで土地探しをすれば、立地は犠牲になっても、土地代は3分の1程度まで圧縮できる可能性があり、建物に予算を割くこともできるでしょう。

何に重きを置くかをよく検討のうえで、予算配分を考えたいものです。

注文住宅の費用を抑えるコツ

せっかく注文住宅で家を建てるのですから、重要視している部分にお金をかけ、そうでない部分はコスト削減を図ることで、理想の家に近づけましょう。

本章では注文住宅の設計から施工で、不要と考えるのであればコスト削減できる箇所をご紹介します。家づくりの費用を抑える手段として、活用してください。

土地の予算を減らす

前章でもご紹介した通り、土地に割く予算は34~40%にも上ります。家を建てる場所を変えるだけで、土地の取得費用は大幅に下がります。

候補のエリアをひとつ隣の駅にする、あるいは少し駅から離れた土地にするなどを試みましょう。また、移住や住まいの拠点を郊外に変更したり、実家を建て直したりすることで、土地にかかる予算は減らせます。

立地条件は変えずに土地の場所を見直してみる方法もあります。同じエリア内で建ぺい・容積率が緩めでの狭小地を探し、延べ床面積を確保できる3階建てのプランに変更してみましょう。

建築費用を抑える

建築費用を抑えるには、設計を変えるか資材のコストを安くするかです。

資材については設備や建材のグレードを検討するのが限度ですが、設計については、さまざまな方法があります。

家の形をシンプルにすると、デザイン性は打ち出しにくくなりますが、総じて建築コストは大幅に下がります。

1000万円台の注文住宅は、「できばえは建売と変わらないのでは?」と考えられがちですが、コストのメリハリをつけやすいのは、注文住宅の特権です。

近年ではシンプルな外観を、建材のアクセントや外構でうまく盛り上げた例が多数見られます。

建築費用を抑えられる方法ベスト10

方法 コスト削減効果
1位 床面積を小さくする 172万円↓
2位 フェンスや門扉を設けない 95万円↓
3位 外壁の凹凸を減らす 40万円↓
4位 部屋を作らずリビングなどにスペースを設ける 40万円↓
5位 総2階など建物をシンプルな形にする 28万円↓
6位 バルコニーを減らす・小さくする 25万円↓
7位 玄関ホールや三和土を部屋にする 21万円↓
8位 各室の収納を集約して数を減らす 15万円↓
9位 窓を減らす・小さくする 14万円↓
10位 片流れや切妻など、屋根の形をシンプルにする 11万円↓

2017年リクルート調べ

このほかに、一度つくった間取りのプランをもとに、延べ床面積の不必要な広さをコンパクトに直すだけでも、相当なコスト削減につながります。

セミオーダーにする

前項とは逆の発想ですが、注文住宅の中でもセミオーダー寄りのプランを選べば、建材や設備を大量発注でき、設計や建築のコストも下がります。

ご家族に合ったプランが見つけられ、こだわりが実現できれば、セミオーダーでも満足度の高い家づくりは可能です。検討の価値はあるのではないでしょうか。

賃貸併用住宅にする

この方法は、住宅取得の費用を抑える方法ではありませんが、住宅の維持コストを下げる方法としておすすめです。

自宅に賃貸物件を併設し、賃料で住宅ローンの支払いをまかなう、あるいはローンの支払い以上の賃料収入を得ます。返済が終われば賃貸経営のみとなり、資産形成の一部として役立ってくれるでしょう。

駅から近い立地の良いエリアに家を作りたいが、総予算がかさむという場合にも、良い解決策の一つといえます。

借入返済のコストを抑える手段としては、二世帯住宅を作って親世代と同居や半同居する方法もおすすめです。

税金の控除や補助金制度を利用する

家を建てたとき、省エネルギー、太陽光発電や長期優良など、住宅性能の評価が高い建物は、税制優遇、助成金などを得ることが可能です。

建築費用の一部の助成を受けたり、不動産取得税、登録免許税、固定資産税、住宅ローン減税などでお得になったりします。

また、二世帯住宅も自治体等の助成金を利用できる場合があるので、調べてみてはいかがでしょうか。

注文住宅の予算相場【坪数別】

本章では注文住宅の広さをもとに、おおよその予算相場を解説します。現在の住まいや家族構成から必要な広さがすでに決まっている方は、どの程度の費用がかかるのかを把握しておきましょう。

なお、間取りについて相談したい方は以下のサービスをご利用ください。

住宅展示場の間取りプラン相談申し込みサービス

20坪の注文住宅の場合

20坪の注文住宅は2人で生活するのに適した広さです。DINKs世帯のように今後夫婦2人で生活する前提であれば十分な広さでしょう。

しかし、将来的に子どもが欲しい場合や、両親と同居する場合は面積が不足する可能性があります。20坪の注文住宅の予算相場は以下の通りです。

ローコストハウスメーカー 中堅ハウスメーカー 大手ハウスメーカー
建築費 600万円〜1000万円 1000万円〜1400万円 1400万円〜2000万円

30坪の注文住宅の場合

30坪の注文住宅は、3〜4人家族に適した広さです。しかし、間取りによっては4人家族だと少し狭く感じる可能性もあります。基本的には家族の人数分の部屋しか確保できないため、来客者用の部屋や趣味部屋を設けるのは難しいでしょう。

30坪の注文住宅の予算相場は以下の通りです。

ローコストハウスメーカー 中堅ハウスメーカー 大手ハウスメーカー
建築費 900万円〜1500万円 1500万円〜2100万円 2100万円〜3000万円

35坪の注文住宅の場合

35坪の注文住宅は4人家族が快適に生活できる広さです。間取りを工夫すれば、書斎や趣味部屋なども設けられるでしょう。

35坪の注文住宅の予算相場は以下の通りです。

ローコストハウスメーカー 中堅ハウスメーカー 大手ハウスメーカー
建築費 1050〜1750万円 1750〜2450万円 2450〜3500万円

40坪の注文住宅の場合

40坪の注文住宅は4〜5人家族向けの住宅です。浴室やトイレなどの設備を部分的に共有することで二世帯住宅にも対応できるでしょう。

4人家族程度であれば、来客者用の部屋や趣味部屋を作れます。40坪の注文住宅の予算相場は以下の通りです。

ローコストハウスメーカー 中堅ハウスメーカー 大手ハウスメーカー
建築費 1200万円〜2000万円 2000万円〜2800万円 2800万円〜4000万円

注文住宅の予算相場【年収別】

注文住宅を建てる際の予算の相場は「平成29年度住宅市場動向調査(資料:国土交通省)」によると、全国平均が約4334万円、三大都市での平均は約4472万円です。
国税庁の調査によれば、平成29年度で注文住宅を購入した人の年収は、全国平均が約698万円、三大都市圏では平均が約734万円です。

また、住宅金融支援機構によれば、2017年度に必要な平均資金は約3359万円です。
これを見ると、購入資金の目安は平均世帯年収の約5倍から6倍といえます。以下では、年収別の目安をはじめ、どのような家を建てられるかについて、見ていきましょう。

より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

一戸建てで暮らしたい!年収に応じた予算って?

年収300万円の注文住宅の場合

平均よりは安めの約2000万円の予算で家づくりをします。
のべ床面積は110~120㎡ほどになる場合が多いです。
平均よりは安めの費用ですが、キッチンやバルコニーに最新の設備を導入することも可能です。

年収500万円の注文住宅の場合

注文住宅における全国平均相場に近くなってくるため、希望の家が叶いやすい予算です。
フローリングにこだわったり、床暖房を入れたりしたいという場合は、このあたりの予算から可能です。
大手ハウスメーカーのクオリティの高い住宅を発注できるケースも。

年収700万円の注文住宅の場合

住宅市場動向調査での平均予算である、約4000万円の資金で家づくりができます。
首都圏などは土地代も高価であるため、予算がこれくらいになることも多いようです。
地方などであれば広い邸宅を建てることも可能となります。

ハウジングステージの総合住宅展示場で注文住宅の見学・相談を

注文住宅を建てる際は、ハウスメーカーが建てている実際の住宅が公開されているのを見てイメージを掴むことが大切です。そのためにも、住宅展示場でモデルハウスを見学しましょう。

ハウジングステージでは、東京、埼玉、神奈川、群馬で住宅展示場を展開しています。住宅展示場では、ハウスメーカーの担当者に家づくりの相談もできるため、効率良く情報収集が可能です。

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まとめ

本記事では注文住宅の相場について解説しました。注文住宅は広さやグレードによって価格が異なり、1000万円以下で建てることも可能です。

自身の年収や家族構成をもとに、どの程度の予算が必要かを把握しましょう。なお、建築費以外に土地の購入費用や手続きの諸費用もかかるため、すべての費用を踏まえた資金計画を立てる必要があります。

住宅を建てるエリアによって必要な予算は異なるため、住宅展示場などでモデルハウスを見学しながら、ハウスメーカーの担当者に相談してみるのがおすすめです。

執筆・情報提供

岡﨑渉(おかざきわたる)

国立大学卒業後新卒で大手不動産仲介会社に入社。約3年間勤務した後に独立。現在はWebライターとして活動中。不動産営業時代は、実需・投資用の幅広い物件を扱っていた経験から、Webライターとして主に不動産・投資系の記事を扱う。さまざまなメディアにて多数の執筆実績あり。宅地建物取引士・FP3級の資格を保有。

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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。

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