2021.05.29
新しい生活様式で生じた10の困ったこと。 これからの家づくりで押さえておきたいポイントは?
おうち時間が長くなったことでライフスタイルが変化し、暮らしの中でさまざまな困りごとが生まれています。暮らしが変われば、快適な家のかたちも変わります。今回は、これからの時代を幸せに暮らすために、押さえておきたい家づくりのポイントをご紹介しましょう。
INDEX
新たに生まれた暮らしの困った!これからの時代の家づくりで大切なこと
おうち時間が増えたことで生じる、さまざまな暮らしの中の困りごと。その中には夜にぐっすり眠れないといった悩みも。
ライフスタイルが変化したことで、これからの家づくりには、これまでとは少し異なる新しい視点が必要になっています。まずは、おうち時間が増えたことで生まれた、暮らしの中で困った10のことをご紹介しましょう。
- ①光熱費が増えた
おうち時間が増えれば光熱費が増えるのは当たり前のことですが、実際に請求書が届いて驚いた人も多いようです。気づきにくい部分ですが、じわじわと家計を圧迫してきます。 - ②家事の負担が増えた
家にいる時間が増えるほど家の中は汚れやすくなり、片付けの手間もかかります。また家で食事をする機会が多くなれば、料理と後片付けの回数も増えます。 - ③睡眠の質が下がった
暮らし方が変化し、またコロナ禍のストレスによって、眠りが浅い、目覚めがスッキリしないなど、睡眠の質の低下を実感している人が増えています。(※)
- ワークスペースに困っている
働き方の多様化が進んでいますが、家の中で仕事場を確保するのは難しいという声が少なくありません。中には、トイレや車の中でテレワークをしているなんていうケースも。 - ④家庭内の騒音問題
家族が家の中にいると気になるのが音です。テレワークだけでなく、オンライン授業などで、まわりの家族が声や音を出さないように配慮する必要があり、ストレスがたまるという声もあります。 - ⑤感染症対策がしにくい
帰宅時に手洗いやうがいをする習慣が定着しています。でも、玄関から手洗い場まで遠いので、手を洗う前にあちこちを触ってしまったり、マスク置き場に困っていたりといった悩みも。 - ⑥換気しにくい
換気をしたいのに風通しがよくない、冬は寒くて窓を開けたくないという声があります。 - ⑦家が狭い
家は寝るだけと思っていた人も、在宅時間が増えれば居心地が気になるもの。仕事場の確保などの問題もあり、家が狭く感じる、もっとゆとりが欲しいという声を聞くようになりました。 - ⑧家でできるレジャーに限界がある
外出を控えて、家でレジャーを楽しむ家庭が増えています。でも、家でレジャーといわれても、ゲームくらいしかすることがないという声も。 - ⑨たまにはひとりになりたい
家族といる時間が増えたことは、もちろん幸せなことですが、いつも一緒となるとちょっと辛いことも。たまにはひとりでゆっくりとした時間を過ごしたいと思う人も多いでしょう。
これらは新しい生活様式の中で生まれた困りごとですが、決して一時的なものではなく、これからの家づくりにおいてもとても大切なことばかり。中にはこれまであまり考えられてこなかったことも多々あるので、しっかりチェックしておきましょう。
(※ コロナ禍の睡眠に関する意識調査/ウーマンウェルネス研究会)
安全&快適に生活しながら、仕事もしやすく、楽しく遊べる家にするために
家にいながらレジャーを楽しむという発想は、これからの暮らしをより楽しくしてくれます。
これからの時代を幸せに暮らすためには、普段の生活が快適で便利であることは大前提。それに加えて、仕事がしやすく、レジャーも楽しめて、感染症対策がしやすいことなど、家にいる時間がずっと幸せでいられるような家づくりの工夫が必要です。
たとえば、高断熱高気密の家なら、冬は暖かく夏は涼しく、快適に暮らしながら冷暖房費を節約することができます。設備選びの際も、家事のしやすさはもちろんのこと、省エネ性能もしっかりとチェックすることが大切。毎日の小さなエネルギー消費量の差が、光熱費の大きな差につながっていきます。
ワークスペースに関しては、家で仕事をする機会が多い場合は、小さくても個室を準備し、音対策もしておくといいでしょう。しっかり断熱と空調の対策をすれば、屋根裏や半地下などのスペースも快適な仕事場にできます。
そして、ぐっすり眠れるように寝室の環境づくりにも配慮しましょう。夜は暗く朝は明るく、眠っている間の防音にも配慮を。寝室はほかの部屋に比べて後回しにされやすいのですが、毎日の健康を支える大切な部屋ですから、インテリアにもこだわって快適な部屋づくりを目指しましょう。
ほかにも庭やベランダを活用したアウトドアリビングにして、家にいながら非日常を楽しめるようにしたり、リビングの一角に隠れ家のようなヌック(囲まれた小空間)を作ったり。また感染症対策のために手洗いや換気しやすい家にしたり、玄関にマスク置き場を作ったりするなど、これからの時代を幸せに暮らすための家づくりを考えてみましょう。
未来を考えたキッチン計画、今までのゴミ置き場では足りない?
キッチンのプランニングでは、これまで以上にゴミ置き場の計画が重要になっています。
これからの新しい暮らしで押さえておきたいのが、キッチンのゴミ置き場のプランニングです。家で食事をする機会が増えたことでゴミの量が増え、中でもプラスチックゴミの増加に関しては、自治体が回収に苦労するというニュースも話題になりました。
確かにテイクアウトを1回するだけでも、山のようなプラスチックゴミが出るし、家で食事をする機会が増えれば、食品トレーなどのゴミも増えます。
さらに今後は、プラスチックゴミのリサイクル強化で、これまでリサイクルの対象外だったプラスチック製品の分別化も進んでいます。
そうなると必要になるのが、それらの資源ごみの一時置き場です。収集の回数が少ない地域では、家の中でのゴミの保管場所に困ってしまうことも。これまでもキッチンのプランニングではゴミ置き場の計画は大切なでしたが、今後はさらにしっかりと検討が必要でしょう。
これからの家づくりでは、これまでにはなかった新しい視点が必要です。我が家で過ごす時間が一番幸せに感じられる家づくりを目指してくださいね。
住宅展示場では、さまざまな間取りや最新の設備を実際に見て体験することができるので、これまで気付けなかった新しいアイデアに出会える絶好の機会。これからの新しい暮らしを幸せにしてくれる理想の我が家を見つけにぜひ住宅展示場に出かけてみてくださいね。
執筆・情報提供
尾間 紫(住宅・リフォームコンサルタント/一級建築士/インテリアプランナー/インテリアコーディネーター)
生活情報サイトAll Aboutリフォームのオフィシャルガイドとして業者選びからプランの立て方など実践的ノウハウを発信。テレビや雑誌、新聞掲載、講演などで活躍している。
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