2021.12.07
窓を大きくして後悔!? 大きな窓で快適に暮らすための3つのポイント
大きな窓がある部屋は、明るくて風通しがよく、眺めもいいものです。
でもメリットだけでなく、大きな窓には見逃しがちなデメリットもあります。
今回は窓にまつわる後悔の声と、大きな窓で快適に暮らすための3つのポイントについてご紹介します。
INDEX
【1】窓を大きくすれば快適になる?意外と多い窓にまつわる後悔の声
新築でもリフォームでも、窓を大きくしたいという要望は多くあります。
確かに大きな窓からたっぷりの光と風を取り込んで、外の景色を眺めて暮らすことができたらとても快適でしょう。
でも意外と多いのが、何の対策もせずに窓を大きくしてしまったことで、暮らしにくくなってしまったというもの。大きな窓にはデメリットも少なくないのです。
窓にまつわる後悔の声は大きく3つあります。
1つめは、「夏は暑く、冬は寒い」というものです。
「夏は西日が入り込んで暑く、エアコンが効きにくい」「冬は冷気が入ってきて寒く、特に窓際は寒すぎていられない」という声もあります。
2つめは、「窓を大きくした割には風通しがよくない」というものです。
風通しをよくするためには、窓の位置や向き、窓の形状がポイントになるので、ただ窓を大きくしただけではあまり効果が得られないことも。
3つめは「視線が気になる」というものです。
外から見えやすく落ち着かないため、結局ずっとカーテンを閉めたままで、後から外に目隠しのフェンスを立てた家もあります。
ほかにも、「窓を大きくした分、壁面が少なくなってしまい、家具を置く場所がなくなった」「ガラスの掃除に困った」という声も。手の届かない窓は掃除が難しいので、ガラスの汚れも気になりますよね。
ただ大きな窓を取り付けるだけでは、快適度が下がってしまうことも。
後悔しないためにも、大きな窓のメリットとデメリットをよく知り、しっかり対策をしておきましょう。
【2】大きな窓で快適に暮らす3つのポイントは「断熱・遮熱」「風通し」「外からの視線」
大きな窓で快適に暮らす3つのポイントをご紹介しましょう。
1.断熱・遮熱性能を高める
断熱とは、冷気や暖気を伝えにくくすることをいいます。
窓は壁に比べて断熱性能が低いため、窓が大きくなるとそれだけ外の気候の影響を受けやすくなり、
特に冬は冷気が入り込みやすくなります。
窓の断熱性能を上げれば、寒さを防ぎやすくなるので、室内は快適に。光熱費の削減にもつながります。
遮熱とは、夏の強い日差しを防ぐことをいいます。夏の暑さの主な原因は、太陽の日射熱によるものです。
つまり日差しがたっぷり入る部屋は、明るくて気持ちがいいのですが、それだけ夏は暑くなるということ。
遮熱効果を持つガラスや、窓の外に日よけを取り付けるなど計画しておくと暑さを防ぎやすくなります。
窓が大きくなるほど、断熱と遮熱が室内に与える影響が大きくなるので、四季を通じて快適な部屋にするためにも、
この2つの性能を上げておくことが大事です。
2.風の通り道を計画する
部屋に大きな窓を1カ所取り付けるだけでは、風通しはあまりよくなりません。
風通しよくするためには、風の入口と出口の2カ所を設けることが必要です。
風を取り込みやすい形状の窓もありますので、風が気持ちよく抜けていくように計画を立てましょう。
3.外からの視線をチェックする
せっかく大きな窓を取り付けたなら、解放的に暮らしたいもの。
窓の向きをよく確認し、ご近所や道路からどのように見えるのか、外からの視線を確認しておきましょう。
【3】エクステリア計画と同時に進めて視線をコントロール
窓計画を立てる際には、エクステリアと連動させるとより快適な住まいになります。
外からの視線が気になるなら、木を植えたり、フェンスを取り付けたり、さりげなく視線を遮りつつ、室内からは美しい庭を楽しめるようにしておくといいでしょう。
窓は家の内と外をつなぐもの。
その特性やメリットを活かしつつ、デメリットの対策をしておくことで、本当に暮らしやすい家になります。
気になる窓の掃除も、最近では柄の長い掃除用具や、窓拭きロボットもありますので、事前にチェックしておくといいですね。
さまざまな工夫で、大きな窓がある快適な家づくりを目指してみてください。
住宅展示場では、大きな窓がある家の事例や、最新性能の窓の快適性を実際に見て体験することができます。
明るく気持ちよく暮らせる理想のわが家を見つけに住宅展示場に出かけてみてくださいね。
執筆・情報提供
尾間 紫(住宅・リフォームコンサルタント/一級建築士/インテリアプランナー/インテリアコーディネーター)
生活情報サイトAll Aboutリフォームのオフィシャルガイドとして業者選びからプランの立て方など実践的ノウハウを発信。テレビや雑誌、新聞掲載、講演などで活躍している。