2022.06.27
屋根庭で過ごす家族や仲間との団らんのひととき
今どきママの「我が家」拝見! vol.11(後編)
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今どきママの「我が家」拝見! vol.11(前編)
藤井愛さん・中村俊哉さん(東京都在住)
ご夫婦、5歳の男の子と0歳の女の子、愛猫の、4人+1匹家族。ご夫婦ともに建築家で、自分たちが設計を手がけた家に暮らして約4年。 “路地庭”をコンセプトに建物の周囲にグリーンをめぐらし、スペースの仕切りはあえてあいまいに。自然光が降り注ぐ明るく開放的な空間で、家族みんなが心地よく過ごしている。
INDEX
路地庭を望むリビングは、家族が集う憩いの場所
藤井さん・中村さんファミリーのお宅は、玄関から一歩足を踏み入れると、ダイニングとキッチンにかけて土間が広がります。そして、土間からつながるリビングは小上がりになっていて、その奥の掃き出し窓は路地庭に面しています。約5メートルの天井高いっぱいまで窓を設けたことで、光と風がたっぷりと入り、開放的な雰囲気のなかで自然を感じられる空間に。「気候のよい時季は窓を全開にして、カーテンを引かずに生活しています。土間では息子が三輪車に乗ったりトランポリンをしたり、自由に遊べます」。「気候のよい時季は窓を全開にして、カーテンを引かずに生活しています。土間では息子が三輪車に乗ったりトランポリンをしたり、自由に遊べます」。
路地庭は、家の中と外をゆるやかにつないでくれるもの。街とのほどよい距離感が保たれながら、視線が交錯することはありません。「家そのものだけではなく、街にどれだけ住まえるかという点は、設計する時に重視しました」。
小上がりの部分からは、長い階段が家をつらぬくようにしてまっすぐにのびています。2階まで上ると寝室があり、その周囲には“屋根庭”と呼ぶルーフテラスが広がります。小さな路地庭とは対照的な広い屋根庭を設けたのも、この家の特徴です。
階段を上り、グリーンがあふれる屋根庭へ
陽あたり抜群の屋根庭には、生き生きとしたグリーンがたくさん。季節の野菜や果物も育てていて、水やりと収穫は息子さんの役割です。時には、プールを出して水遊びをしたり、大きな紙を広げてお絵描きをしたり。軒下でランチを食べることも多いそう。
大人たちは、夏にここでビールを味わうのが至福のひととき。心地よい風を浴びながらの一杯は格別の味わいです。「コロナ禍でなかなか外に出かけられなくなりましたが、屋根庭のおかげで子どもも大人もストレスなく過ごすことができています。住まいに外部空間を持つことの豊かさと意義深さを実感しました」。
子どものおもちゃをすっきり片づける収納の工夫
部屋が散らからないよう、おもちゃの収納にはひと工夫。よく遊ぶものは“1軍”、あまり出番がないものは“2軍”のボックスへしまい、普段は1軍だけ出しておきます。「お友達が遊びに来た時に久しぶりに2軍のボックスを開けると、“そういえばこんなおもちゃがあった!”と新鮮な気持ちで遊べます。1軍と2軍は時々入れ替えています」。
息子さんは両親が仕事をしている様子をよく観察していて、お絵描きや工作が大好き。家の中のあちこちに作品が飾られ、シンプルなインテリアのなかで素敵なアクセントになっています。
お絵描きに使う紙はサイズごとに分類して、厚紙でつくったボックスに収納。折り紙やはさみなど、工作に使う道具も入っています。「しまう場所をざっくりと決めてあげることで、片付けに積極的に取り組んでくれるようになりました。何を入れてもいいボックスをひとつ準備しておくのもポイントです」。
2つの庭が住まいに心地よさをもたらす
路地庭と屋根庭という対照的な2つの庭を設けたことによって、自然を感じられる開放的な空間が生まれている藤井さん・中村さんファミリーのお宅。「コロナ禍で家にいる時間が長くなりましたが、お絵描きや工作の幅が広がったり、保存食づくりを楽しんだり、手を動かすことが増えました。そろそろDIYも息子に手伝ってもらおうかなと企んでいます」。
vol.1(前編)家族みんなでゆったり快適な「おうち時間」
vol.1(後編)子どもの感性を育むこだわり
vol.2(前編)夫婦の理想を叶えた家づくり
vol.2(後編)家族の習慣を変えた住まいの実現
vol.3(前編)大人も、子どもも楽しく過ごせる家づくり
vol.3(後編)リビング、みんなで過ごす場所のこと
vol.4(前編)子どもとペットの仲良しスペースのつくりかた
vol.4(後編)みんなで過ごすお気に入りのスペース
vol.5(前編)子どもを育むお庭のあるお家
vol.5(後編)子どもたちがのびのび走りまわれる空間づくり
vol.6(前編)お互いの存在を感じながらも思い思いに過ごせる工夫
vol.6(後編)「飾る」と「しまう」の調和がとれた暮らし
vol.7(前編)この土地との出会いが導いた平屋の家
vol.7(後編)白い家だからこそ色が映える楽しい空間に
vol.9(前編)家族の時間もひとりの時間も心地よく過ごせる住まい
vol.9(後編)好きなものだけを厳選したこだわりのインテリア
vol.10(前編)家族みんなが心地よく暮らせる家づくり
vol.10(後編)理想の住まいで、家族の笑顔が広がるおうち時間
vol.11(前編)路地庭を介して街とゆるやかにつながる家
vol.11(後編)屋根庭で過ごす家族や仲間との団らんのひととき
撮影/鍵岡龍門 構成・取材・文・編集/HugMug編集部