2022.08.25
プロに学ぶ!3つのマイルール 「料理家 中川たまさんの五感が喜ぶアンティークな暮らし」
果実やハーブ豊かな庭のある一軒家に、夫と娘の家族3人で暮らす料理家の中川たまさん。雑誌や書籍の洗練されたスタイリングで知られる中川さんのご自宅は、五感に心地よい暮らしのアイデアに満ちていました。
INDEX
【1】好きなものを見渡せる空間がもっとも長くいる場所
神奈川県逗子市にある築30年の一軒家にお住まいの中川さん。庭に面した1階の広々としたリビングダイニングの奥には、自然光がたっぷり入るオープンキッチンが。大きなダイニングテーブルを中心に、アンティークな風合いの器や籠がさりげなく置かれた空間は、まるで心地よいカフェのよう。このリビングダイニング&キッチンで一日の大半を過ごすという中川さんのマイルールとは?
「自分の好きなものがすべて見渡せる暮らしが理想です。ダイニングテーブルに座ったとき、自分の好きなものに囲まれていると、ほっとするんです。私はアンティークの白い器や自然素材のものが大好きなので、そうしたものをダイニングの見渡せる所に飾っています。どれも日常的に使うものなので、家族みんなが取り出しやすく片付けやすいオープン収納にしています」
よく見るとダイニングにもキッチンにも、ものがたくさんあるにも関わらず、ナチュラルな素材と白を基調にしているので、とてもすっきり洗練された空間になっています。
「私は好きなものがはっきりしているので、自然にトーンが揃うのだと思います。娘が小さかった頃は、北欧系のカラフルな柄の器などもよく使っていたのですが、娘が成長した今はもういいかなと思い、手放しました。ダイニングは料理の撮影などでも使うので、あえて妥協せず、私の好きな世界観を守るようにしています」
【2】香りや手触りも意識。五感が喜ぶしつらえ。
リビングダイニングの窓辺や棚には、果実がさりげなく器にのっていたり、青梅やらっきょうなどが漬けられたガラス瓶が置かれたりしていて、インテリアにナチュラルな彩りを添えています。
「果実やハーブを室内に飾ると、見た目もみずみずしくさわやかですし、甘酸っぱい香りも楽しめます。庭で採れたものを漬けて料理やスイーツに使うことで、味覚としても楽しめます。子どもの頃から添加物の入っていない自然素材の味が好きだったこともあり、自然の香りや味は暮らしに欠かせない要素ですね」
香りや味だけでなく、手に触れるものにもこだわりがあるという中川さん。
「アンティークの器が好きなのは、手触りが優しいから。シミがあったり、欠けていたりしても、人の手のぬくもりを感じるので、むしろ愛おしいですね。テーブルクロスやカーテンなど手に触れるファブリックも、コットンやリネンなどの自然素材だけを選んでいます。五感が喜ぶものに囲まれていると、とても幸せな気持ちになれます。これも心地よい暮らしの大切なルールですね」
【3】四季の移ろいを愛でる時間
中川さんの家の庭は、大きな梅の木やレモンなどの柑橘類をはじめ、月桂樹やバジル、ミントやディルなど食材になる植物の宝庫。その一角には、最近、ご主人がDIYで作ったというアトリエがあり、庭全体がまるで南仏のヴィラのような雰囲気です。
「春には樹々が芽吹き、夏にはハーブが生い茂り、秋には果実が実って……という風に、庭は四季折々の景色を見せてくれます。ダイニングやアトリエでは、朝から夕暮れまで陽光の動きや季節の移ろいを感じることができます。そんな自然の循環を慈しむ時間も大切にしています」
中川さんにとって3つのマイルールは、「好きなものを見渡せる空間」「五感が喜ぶしつらえ」「四季の移ろいを愛でる時間」ですした。自分が本当に好きなものを自問自答し、自然体で心地よいと感じるものを選ぶことが、快適な暮らしの秘訣なのかもしれません。
取材協力
料理家 中川 たまさん
【リンク】
Instagram https://www.instagram.com/tamanakagawa/
編集:石倉 夏枝
撮影:小島 沙緒里
取材・執筆:轡田 早月
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