2023.01.19
住宅の購入費用が100万円お得に!「こどもエコすまい支援事業」 を徹底解説
シリーズ:税制改正大綱
新築住宅1戸につき100万円がお得になる国土交通省の住宅補助金「こどもエコすまい支援事業」が新たに設立されました。
こどもエコすまい支援事業とは、2022年度の第2次補正予算に盛り込まれた、国土交通省の住宅政策の柱の一つで、若年層や子育て世帯を対象に、ZEHレベルなど省エネ性の高い住宅の取得や改修を支援するものです。
国は、申請急増で想定外の早期受付終了となった「こどもみらい住宅支援事業」を受けて、事業の開始時期の前倒しに踏み切りました。さらに、住宅の省エネ化に関しては経済産業省や環境省が創設した高い断熱窓や高効率給湯器の設置補助事業との併用を可能にしました。
さらに、補助金の交付申請などをワンストップで行える仕組みを構築し、3省連携での取り組みもスタートさせる方向です。今回のこどもエコすまい支援事業は、こどもみらい住宅支援事業が拡充されたものといえるでしょう。
そこで今回は「こどもエコすまい支援事業」について解説します。
INDEX
支援事業成立の背景、狙いは?
こどもエコすまい支援事業は、2022年10月28日に閣議決定された「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」に基づく施策となります。
事業が新設された背景として、政府が積極的に推進している「2050年カーボンニュートラル」と「少子化対策」があります。温室効果ガスの排出削減を促進するため、高い省エネ性能を持つ住宅の新築・改修を増やすとともに、子育て世帯・若者夫婦の住宅取得を支援することで子育てしやすい環境を整備することが狙いです。
これを踏まえて、2022年11月8日の閣議で、新たな補助制度が今年度2次補正予算に盛り込まれました。予算総額は予算総額1500億円となります。ZEHレベルの性能の住宅の新築や省エネリフォームを支援します。
どんな住宅、工事が対象に?
対象となる工事は、高い省エネ性能を持つ住宅の新築、及び省エネリフォームです。新築は契約日にかかわらず2022年11月8日以降に着手した「基礎工事より後の工程の工事」が対象です。リフォームについても2022年11月8日以降に着手したものに限ります。なお、リフォームは子育て世帯・若者夫婦以外の世帯でも対象となります。
対象となる子育て世帯・若者夫婦ですが、子育て世帯は「18歳未満の子を有する世帯」、若者夫婦は「夫婦いずれかが39歳以下の世帯」となります。
住宅の新築の場合、その住宅がZEH住宅(一次エネルギー消費量マイナス20%を満たす住宅)であり、かつ延べ面積が50平方メートル以上である必要があります。補助額は1戸あたり100万円となります。
住宅のリフォームの場合、1戸あたり最大30万円が補助されます。具体的には①開口部の断熱改修②外壁、屋根・天井または床の断熱改修③エコ住宅設備の設置――のいずれかの工事に該当することが要件となっています。
リフォームの対象は原則省エネに係る改修のみです。なお、省エネ改修を行った場合に限り、子育て対応改修、バリアフリー改修、空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置工事も対象とすることができます。
なお、子育て世帯・若者夫婦の場合は45万円アップ、さらに既存住宅の購入を伴う場合は60万円アップします。また、子育て世帯・若者夫婦でなくとも、「安心R住宅※」という国の認定を受けた住宅の購入を伴う場合は45万円にアップします。
※耐震性があり、インスペクション(建物状況調査等)が行われた住宅であって、リフォーム等について情報提供が行われる既存住宅です。
関連の補助事業も活用できる
このほか、「住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等」または「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」という補助金を使って省エネ改修を行った場合は、「こどもエコすまい支援事業」の対象となる省エネ改修を行ったものとみなし、それ以外の改修のみでも補助対象とすることができます。
詳しくは、「住宅省エネ2023キャンペーン」をご確認ください。
補助金申請手続きは?
交付申請自体は住宅の購入者ではなく、住宅事業者が2023年12月末までに行います。申請が認められれば、住宅事業者に補助金が支給されます。つまり、「国が補助金を支給してあげるから、住宅事業者は購入者が支払う金額をその分下げなさい」と言う建て付けになります。
この住宅事業者が工事完了後、2026年2月末までに完了報告を行えば、事業は一旦終了となります。なお、完了報告期限までに工事が完了していなければ、補助金を返還する必要があります。
ちなみに前回の「こどもみらい住宅支援事業」に登録した事業者は、2022年11月8日以降に契約しかつ同年12月16日以降に着工した新築またはリフォームにかかった費用について、上述の「断熱性能向上の補助金」または「高効率給湯器の補助金」の交付申請ができるとのことです。
今後も国土交通省や各自治体では住宅等の新築・改修に対する補助制度を拡充していくと想定されます。住宅の新築・リフォームを検討している消費者は活用してみましょう。
SERIES税制改正大綱
助成金の解説:ナビット、監修:住宅産業新聞
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