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住宅のマネーと制度

2023.04.05

期限に注目!住宅ローン減税 2023年度最新情報

家を建てる際にお得な住宅ローン減税制度も、2022年の改正で期限や適用条件が絞られてきました。今のうちに変更の内容を知って、家づくりのスケジュールや内容を考えるきっかけにしてみましょう。今年が制度を最大限に利用するチャンスになるかもしれません。

INDEX

【1】今年末までの入居なら控除期間が最長に

住宅ローンを利用すると、住宅ローン減税制度で所得税を控除することができます。税金の負担が軽減されるので長年多くの人が利用してきたお得な制度です。


各年末の借入残高の0.7%を所得税額から控除することができ、控除額が所得税額より上回った場合は、控除額の残りで翌年の住民税から控除することができます。


住宅ローンによる家計への負担を軽減できるという、とても重宝な制度ですが、2022年の改正で、2024年以降の入居になった場合は、控除できる期間が13年間から10年間に短縮されるものもあります。
逆に言えば、今年末までに入居すれば、控除期間は13年間になります。(別表A①)

【2】スケジュールと建物の内容で異なる住宅ローン減税の条件

2024年以降の入居になった場合でも、性能が一定の基準を満たす住宅なら控除期間13年間の減税制度を利用できます。品質が高いと価格は上がりますが、住宅ローン控除を3年間延長することで支出の負担増を軽減できるというわけです。


このように家づくりのスケジュールと建物の性能によって住宅ローン減税制度の利用できる条件(借入限度額・控除期間)が変わるのです。(別表A②)

今から年末まで約8ヶ月。省エネ基準を満たさない住宅の場合でも今の時期に家づくりの計画をスタートすれば、控除期間13年にまだ間に合う可能性が。

土地探しから始める場合やじっくり計画を進めたい人は、入居が来年以降になる可能性があることも理解して計画をすすめましょう。

いずれにしても、現時点では、住宅ローン減税制度は入居期限が2025年末までです。また、2025年4月以降は省エネ基準が義務化されます。今年と来年がローン減税と建物の仕様を選ぶうえでのターニングポイントと言えるかもしれません。

手軽にそして控除期間を最大限に活用したい方は具体的な家づくりを早々にスタートするタイミングといえるでしょう。

【3】今後は高性能住宅が有利になる時代に!


高性能な住宅にするのであれば、入居が今年末まででなくても13年控除になりますので、控除期間のことで慌てる必要はありません。高性能な住宅とは、一定の省エネ基準などを満たしている住宅や長期優良住宅の認定を受けた住宅です。(別表B)

別表B

長期優良住宅 長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅 耐震基準・省エネ基準等あり
低炭素住宅 太陽光パネル付の省エネ住宅
ZEH水準省エネ住宅 断熱性能、省エネ性能、創エネルギー設備により、エネルギー消費量をプラスマイナスゼロにする住宅
省エネ基準適合住宅 今の省エネ基準に適合している住宅 地域区分により定められている

性能の高い住宅が優遇される理由は、これが地球温暖化や超長寿命社会の問題の解決策につながるからです。断熱などの省エネルギー化や長持ちする家は地球温暖化対策だけでなく、その居住環境が健康寿命を延ばすことで医療費負担の抑制にもつながる可能性があります。何よりも住む人にとって住み心地のよい、将来にわたって安心できる家になりますね。

「性能」とひとことで言っても、すでに現行の基準以上の上位級が存在しています。現時点で性能が高い基準も、近い将来には当たり前の基準になっていくでしょう。将来を見据えて高性能な家を計画すれば、住宅ローン減税も13年間控除を適用できるので、今からでも落ち着いて家づくりを進めることができますよ。住宅ローン減税以外にもフラット35Sや補助金など、お得なメニューや制度が利用できます。

住宅ローン減税の利用には、ほかにも諸条件があります。利用しそびれないように早い段階からチェックして準備を進めることをおすすめします。

住宅展示場のモデルハウスでは、性能の高い住宅を具体的に見ることができます。これからの家に必要な性能がどんなものなのか、まずは知ることから始めてみませんか?省エネルギー住宅やZEH住宅を住宅展示場で、ぜひ体感してみてください。

執筆・情報提供

川道 恵子(一級建築士)

(株)住まいと街設計事務所 代表取締役
住宅メーカー設計部にて、戸建住宅の設計業務 デベロッパーにて、マンション等の企画・監理業務を経て設計事務所において不動産開発業務に携わる。
土地の活かし方、住宅の間取り提案等、幅広い実績多数。

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