2024.02.15
寝室の窓の失敗しない選び方 | 窓の位置・大きさ・タイプについて解説
長い年月にわたって大切な睡眠を守る寝室ですが、窓の位置が睡眠に影響することをご存じでしょうか?この記事では、寝室の窓選びが重要な理由から、失敗しない窓選びを窓のタイプ、位置、大きさ、数など具体的にご紹介します。
INDEX
寝室の窓選びが重要な理由
寝室は、1日の4分の1から3分の1を過ごす場所です。寝室にいる間はほぼ寝ているのですが、睡眠の質は起きて活動している間の行動の質を左右します。
よい睡眠を得るためには、寝室の環境が快適であるのが大事で、窓からもたらされる光や温度が快適さに大きく関係するでしょう。
くわえて寝室は睡眠中で意識のない状態で過ごす場所なので、防犯やプライバシーを守れる環境であるかも気になりますが、窓は防犯やプライバシーには切っても切れない関係です。
寝室にする部屋の窓を重視するのは、以上のような理由からです。
あなたは、寝室にどのくらいこだわっていますか?
寝室の採光と健康の関係については、以下の記事もご参照ください。
健康は睡眠から 光のコントロールが快眠への一歩|住宅展示場のハウジングステージ
寝室の窓選びのポイント
住宅の窓にはさまざまな種類がありますが、寝室に適した窓はどのようなものでしょうか?寝室に適した窓のタイプ、大きさ、位置、数などをご説明します。
窓のタイプ
防犯上やプライバシー上からは、外部からの人の侵入や視線を防いでくれるタイプの窓が理想でしょう。
開閉できないフィックス窓は安心ですが、換気もおこないたいという場合は、縦滑り出し窓という縦に蝶つがいで開閉する窓もあります。人の出入りできない小さめのサイズの縦滑り出し窓がおすすめです。
プライバシーを守るうえでは、室内が外から見えないすりガラスの窓が定番です。すりガラスなら位置によってはカーテンによる遮光も不要になります。
窓の大きさ
開口部の大きな窓は明るいですが、寝室には明るさはそこまで必要ではなく、むしろ大きな窓は熱が逃げやすく、低温時に室温が下がりやすいことになります。
また、足元に近いところに窓がある場合、寝ているベッドに近いあたりから熱が逃げるため、寒さを感じやすくなります。
理想的には、ベッドの枕元の上部に、ハイサイドライト窓を設けると、寝室の低い位置の温度が下がりにくく、朝に直射日光が顔に当たることもありません。
窓の位置
寝室に面したバルコニーを設ける必要がある場合、バルコニーに出入りする必要から、窓は床まで開く掃き出し窓となります。
就寝する部屋としては、大きな窓はいらないのですが、掃き出し窓のある寝室は、窓からベッドをなるべく離し、カーテンは遮光性や断熱性の高いものを選ぶのがおすすめです。
また、鍵を2重にするなど、防犯対策も検討しましょう。
窓の採光機能は大切ですが、寝室の場合は睡眠の妨げになる場合もあり、朝日のまぶしさや寒さで起きてしまわないように、配慮します。
寝具の触れる場所に窓がある状態も避けましょう。結露で布団が濡れた場合、カビの原因になり、衛生上よくありません。
このように、窓の方角だけではなく、ベッドと窓の位置関係も大切です。
さらに、騒音を避けるために通り側に大きな窓の配置はなるべく避けましょう。やむを得ない場合は2重窓など防音機能のある窓にするのがおすすめです。
窓の結露は寝室がもっとも気になる
窓の数
寝室の窓の数は、希望する寝室の機能に応じて、数を検討しましょう。
換気がしやすいのがよいという場合は、空気の入り口と出口の、2つの窓が必要になります。採光だけが目的であれば、1つの高窓でも間に合います。
寝室にも開放感がほしいときは、大き目の窓を1つ、高い位置に設置するのをおすすめします。
タンスやクローゼットを配置することも多い寝室ですが、窓が多いことで壁面の利用が限られてしまうでしょう。
寝る部屋というだけでなく、サブリビングのようにテレビやソファを配置したり、ドレッサーで就寝前のスキンケアをしたり、絵を飾るなど、寝室の利用方法にも幅があるかと思います。用途に合わせて窓の設置を検討してください。
寝室の窓選びの失敗例
寝室の窓の設置が上手くいかなかった場合の、失敗例をご紹介します。事前にどんなに検討しても後悔する場合はあるので、対策をおこないましょう。
道路沿いの大きな窓で騒音がうるさい
家の敷地に接する道路の交通量が多い、繁華街に面しているなどの場合、車の走行音や人の話し声が気になることがあります。
夜間遅くまで営業しているお店などが近いと、喧騒が気になってしまうこともあるでしょう。なるべく事前に近隣の夜間の状況を調べる、寝室を通りから離すなどしたいところですが、やむを得ない場合などは、防音の対策をしましょう。
滑り出し窓やFIX窓などの気密性の高い窓、2重窓など防音性の高い窓を追加で施工しましょう。防音のカーテンは室内の音を外に漏らさないために設置するので、この場合は効果がありません。
東側の窓で朝まぶしい
東側の窓が朝まぶしく、起床時間より早く起きてしまうということがあります。とくに夏場は日の出の時間が早く、場所によっては5時前に朝日が入る場合もあるでしょう。
逆に西側の窓からの日差しで、夏の寝室内が高温となっていて、就寝前にエアコンがフル稼働になる場合もあります。
健康な目覚めを得る理想の採光は、夜間は部屋を真っ暗にして就寝し、朝は日光を浴びることで目覚める状態です。しかしまだ寝ていられる時間にまぶしくて目が覚めてしまうのでは、意味がありません。
ベッドの位置を変えるか、遮光性の高いカーテンを使う、タイマー付きの電動シャッターを使うなどの対策をしましょう。
枕元の窓が寒かった
寝室のデザイン性にこだわって、ヘッドボードのすぐ上に窓を付けたら、朝気温が下がったときに寒かったということがあります。
身体の近くに窓がある場合、寒い季節には冷気が入り込んで冷え、暖房効率もよくありません。寝室は居心地のよさを優先することが大切で、やはり窓は高い位置かベッドの両サイドに配置するのが基本となるでしょう。
断熱、遮熱、保温などの機能のあるカーテンが販売されていますので、試してみましょう。
まとめ
寝室の窓選びが重要な理由から、失敗しない窓選びを窓のタイプ、位置、大きさ、数など具体的にご紹介しました。
新居に移ったのを機に、さらに健康な暮らしを目指したいものです。
毎日6時間から8時間、数十年にわたって続く寝室での就寝ですので、暮らしに与える影響は小さくありません。設計段階から窓のつくり方はよく検討のうえ、入居してからもカーテンやベッドの配置などで、快適な睡眠を得られる工夫をしましょう。
執筆・情報提供
滋野 陽造
マスコミ広報宣伝・大手メーカーのWebディレクター・不動産仲介業を経て、ライター業・不動産投資に従事。
実務経験をもとに、不動産の賃貸業・売却・購入、暮らしの法令などのジャンルで記事の執筆を行う。
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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。