2024.02.21
家の間取りおすすめ19選!注文住宅の間取りを決める際のポイントを徹底解説
最終更新日:2024/11/11
注文住宅の間取りを検討するために考える要素はとても多く、何から決めていったらよいかを悩んでしまうかと思います。
この記事では、注文住宅の間取りを決めていくうえでのポイントや後悔しないための注意点、成功例の間取りから、暮らしに密着した設計のアイデアをご紹介します。
デザイン、家族のつながり、家事動線、バリアフリーなど複数の角度から、住まいの間取りを検討する参考にしてください。
以下は、注文住宅でこだわったポイントに関するアンケートです。好みの間取りや広さに対しての希望が集中していることが分かります。
INDEX
注文住宅の間取りを決めるポイント
注文住宅の間取りの決め方は、以下の要素をまとめていくことで形ができ上がっていきます。立地や地域の特性も加味しながら、家族の希望に添った間取りを煮詰めていきましょう。
立地を考える
間取りを考える際には、土地の形状や周辺環境を抜きには考えられません。方角や道路付き、隣家との状態、自然環境など考えて、間取りも作りましょう。
日当たりや風通しがよく、道路や隣家からの視線も対策でき、かつ家の中からの景観もよいというのが理想です。
人通りの多い道や住宅密集地の土地なら、吹き抜けやパティオを設けて採光と通風、プライバシーを両立するという方法が考えられます。
自然の豊かな土地の場合は窓を大きく取り、景色を楽しめる間取りにするなど、家族の要望と立地のどちらも満たす間取りを考えましょう。
敷地のどこに庭を取り、どこに建物を作るかは、家の広さや屋内の動線にも影響を与えます。
必要な部屋と機能を考える
続いて、家族にとって必要な部屋と機能、広さ、必要な収納、それらを結ぶ理想の動線をイメージしてみます。
部屋の広さは家具や調度を配置したうえで充分な状態にできるか検討し、収納は現在の暮らしぶりや、将来の状況を想定して決めます。
たとえばリビングの広さは、以下のような要素をもとに検討します。
- ● ワーキングスペースに必要な書棚や収納が必要か
- ● 子どもを遊ばせる場合のおもちゃの置き場は要るか
- ● 続き間の和室を作るか
- ● ダイニングをどのように配置するか
とくに収納は家の使い勝手を左右するので、必要な広さをよく検討しましょう。収納に家財をため込むのもよくありませんが、居室が整理できないと、住みにくい家となってしまいます。
間取りの大枠を決める3要素
部屋の配置を具体的に考えていくうえでの指針として、以下の3つの要素が出発点になるといわれています。
- 1. 玄関の位置
- 2. 階段の位置
- 3. 2階へは廊下から移動するか
玄関の位置は、土地の関係で南側に玄関を作りたい場合、南に面した居室はリビングダイニングに限定されることが多く、ほかの方角にすれば南に面した居室を増やしやすくなります。
リビング階段か、廊下経由の階段にするかですが、リビング階段とした場合は1階のスペース効率がよくなる半面、2階のホールか階段の面積を大きめに取る形になります。
リビングのどこに階段を作るかによっても、2階のスペース効率は違いが出ますので、比較しながら要チェックです。
1階・2階どちらかの部屋の構成がうまくいかないときは、階段の位置を少し調整してみましょう。
以下は人気の間取り構造を、30万人の回答から抽出したデータです。
人気の間取りランキング
1位 | 回遊動線 |
2位 | ランドリールーム |
3位 | 独立洗面所 |
4位 | キッチン横ダイニング |
5位 | 水回りを一箇所にまとめる |
6位 | 吹き抜けリビング |
7位 | リビング続き和室 |
8位 | 2階リビング |
9位 | 勾配天井 |
10位 | 小上がり畳・和室 |
THE ROOM TOUR 調べ
超合理的!家事動線のための間取り工夫
間取りを考えるうえでの大切な要素として、家事動線・生活動線の合理化が挙げられるでしょう。家事効率のよさの差は、何十年と暮らす住まいでは大きな差となって現れます。
有効な収納スペースと家事スペースをコンパクトに回遊できる動線でつなぐと、生活のリズムが整い快適です。また、水回りはなるべく集約することで、家事や生活の際の無駄な動きが減ります。住宅展示場などで実際に動きを体験してみると、よく分かります。
子育てや家事を効率よく、質高く行うための最新の工夫をご確認ください。
パントリー
パントリー(食材庫)はキッチンに隣接し、食材を収納するスペースです。食材を効率よく分類して収納できるため、調理を手際よく進められ、「なんでも冷蔵庫に入れる」ことで、食材の在庫管理があいまいになるのを避ける効果もあります。
いま何が足りないか、ストックが簡単に確認できるため、買い物の方針もすばやく立てられ、無駄な買い物も減らせるでしょう。キッチンに隣接した収納として、使用頻度の少ない調理器具や予備の食器、台所の消耗品も置く場所にできます。
買い物の搬入やごみの搬出のために、玄関に通じているか、戸外への出入り口が設けられているとベストです。
ランドリールーム
ランドリールームは洗濯関連の家事をまとめて行うためのスペースです。具体的には、洗濯機・乾燥機か乾燥室機能・畳む・アイロンがけの工程が可能な2~3畳ほどの部屋を作ります。脱衣所や外干しスペースともスムーズに行き来できると、さらに使いやすいでしょう。
また、湿度管理がうまくいくようなら、パジャマや下着、タオル類、一部の衣類を収納する場所も合わせて設けるのもおすすめです。
衣類は脱ぐ・洗う・干す・畳む・しまうという、数多い工程をサイクルし続けるため、一連の作業を極力近くで行えるようにする場所があると、作業がとてもはかどり、時短となります。
また、ランドリールームがあれば天候にも左右されずに物干しができ、部屋干しで従来の部屋が占拠されることもありません。天気がよくても花粉や黄砂のシーズンは、アレルギー対策で室内干しすると、花粉症などの症状を緩和できます。
洗濯物は乾燥の際に大量の水分を蒸散するため、除湿機能は万全に設計し、不足を感じるときは乾燥機や衣類乾燥除湿機も併用するのがおすすめです。
ファミリークローゼット
衣類の収納場所も、集約することによって管理がしやすくなります。洗濯して収納する際だけではなく、衣替えも一箇所ですべて可能になれば、半日以上かかっていた作業が大幅に短くなることも。
兄弟姉妹のおさがりの管理や、古くなって傷んだ衣類をまとめて処分したいなどのときも、同様に時短が進むでしょう。クローゼットは常に満杯にせず、空きを作っておくことも大切です。
ウォークインクローゼットは内部の棚や引き出し、ハンガー用のバーのレイアウトを工夫して、スペース内を有効に活用しつつどこに何があるか、衣類の状態を把握しやすくするのが望ましいでしょう。管理の効率がよく使いやすい収納を設け、リビングに衣類が散らかるような事態は避けたいものです。
玄関のクローゼット
玄関にはコートや靴、日常使いのかばんなど、玄関で管理したほうが効率的なアイテムが多くあります。玄関のコート掛けに乱雑にあふれる上着やかばん、土間に乱雑に散らばる靴は、きれいに収納することで気持ちのよい玄関となり、風水上も運気がアップするといわれています。
玄関には、コートクローゼットやシュークローゼットを検討してみましょう。少し広めにして、子どもの乗り物やベビーカー、外遊びのおもちゃなどまで収納できれば、玄関まわりは非常にすっきりします。
また、洗面所が離れている場合、姿見や手洗い・外作業や遊びに対応する足洗いを設けるのもおすすめです。帰宅後の手洗い・うがいは感染症予防にとても効果的です。
広々としてすっきりした玄関は、おしゃれさや高級感が感じられるというメリットもあるでしょう。
その他
ほかにも、家事効率アップの工夫として、家計簿など家事のデスクワーク、アイロンがけや服を畳むなどの座り仕事のためのユーティリティスペースが設けられていると、効率的かつ丁寧に家事作業を進められます。
以下は戸建住宅で採用したい間取りに関するアンケート結果です。家事の機能性のための項目が大部分を占めています。
バリアフリー・介護のための間取り工夫
将来両親の世話をする時期や、夫婦がバリアフリーを要する年齢に差し掛かったときを想定し、間取りにバリアフリーの考え方を反映して建築することもおすすめです。
ここでご紹介する工夫は、いざ高齢者のケアが必要になった際に、簡単には改修しづらい点なので、最初から意識して設計すると、のちに助かることになるでしょう。バリアフリー設計の家は普段から暮らしやすい面もあるので、検討してはいかがでしょうか。
引き戸
日本の伝統的な建築には多かった引き戸ですが、開閉に無駄なスペースを取らない点や、開け閉めしながら出入りがしやすい点が、バリアフリーには向いています。車いす対応のトイレがすべて引き戸という点は、皆さんに周知の事実です。
立てつけのしっかりした現代の引き戸なら、軽く開け閉めができ、無駄な力を必要としないので、高齢の方以外に子どもでも安心です。開いた間口が大きくなり、開けたままにもしておけるため、出入りもしやすくなるでしょう。
とくに1階の水回りやLDKと廊下の境目、和室の扉などは、引き戸を検討しましょう。
段差なしの床・玄関
高齢になると、低い段差でもつまずきやすくなり、転倒は骨折の原因となるため、寝たきりになるリスクのきっかけとなってしまいます。
敷居などの凹凸が極力少なく、部屋間の段差もない設計にすると、お年寄り以外にも小さな子どもの転倒リスクも避けられ、安心です。玄関部分も設計上段差になりやすいので、将来スロープなどの対策ができるように考えておくのも大切です。
「バリアフリー法」で高齢の方も使いやすい勾配は傾斜角度で1/8以下、つまり1mで12.5cm高くなるのが限度とされています。
また、最初は通常のフローリングなどでも、将来滑りにくい加工をするか、滑らない床材に張り替えるのもよいでしょう。
日頃から床にものを置かない生活を心がけると、転倒リスク防止以外に、掃除がしやすいというメリットもあります。
広い廊下・行き来しやすい部屋
障害物が少なく、広めの廊下や部屋なら行き来がしやすく、車いすを押して通るのも容易です。家の中を行き来しづらいと、お年寄り本人があまり動きたくなくなってしまうのが心配です。
ただし広い空間は空調効率が悪くなるため、断熱や気密にも予算をかけられればより理想的でしょう。
このほかワンフロア、可能であれば階段を使わずに1階で生活が完結できることや、居室と廊下や洗面、浴室の温度差のできにくい設計などを意識し、検討してはいかがでしょうか。
手すりや階段のすべり止め、浴用の機器などの介護設備は容易に後付けが可能なので、間取りの工夫だけ最初から準備すれば大丈夫です。
以下の記事もご参照ください。
注文住宅の内装決めでよくある間取りの失敗とは!?|住宅展示場のハウジングステージ
注文住宅で人気の間取り14選
この項では、注文住宅で人気の間取りの例をご覧ください。人気の間取り構成のほか、注文住宅でこそ実現しやすい工夫やアイデアもありますので、参考にしてみてはいかがでしょう。
快適で高性能・シンプルな平屋
2人か3人家族で住むために、約20坪の極力シンプルな設計の平屋とし、使いやすさとスペース効率に特化した間取りです。
間取りをシンプルにした分、気密・断熱などのエコ性能や快適性、耐震性などの安全性、アレルギー、防犯、防音などに予算を投入が可能です。注文住宅でこそ実現可能な考え方でしょう。
1階
外観デザインと開放感にこだわった家
遊び心ある外壁の凸凹と、大きなウッドデッキが外観を引き立てる間取りです。玄関と階段にそなえる吹き抜けや、リビングにつながるウッドデッキ、2階の大きなベランダが開放感を作っています。
リビングの出窓にカウンターが設けられているのも楽しい趣向です、ウッドデッキはアウトドアリビングとしても機能します。
1階
2階
バリアフリー化完了の家
子どもの独立が近くなった家族のための、40坪の間取りです。注文住宅ならではの、設計の自由度を活かし、玄関から続く幅広の廊下やリビング・水回り間の引き戸など、回遊性に優れた間取りを実現しています。
寝室も当初から1階に設定し、将来は平屋のように過ごせるうえ、回遊性に優れた間取りは、将来必要となるバリアフリー性能をすでに満たしています。
1階
2階
ホームエレベーターで老後も安心
狭小地・高層用の約30坪の間取りです。1階から屋上まで快適に行き来が可能なホームエレベーターは、2階にLDKを設けても買い物の荷物運びの負担が少なく、老後も上階のフロアまでフル活用ができる点がメリットです。
1階の充実した収納、車庫スペースや3階の広々としたファミリースペースも、見どころといえるでしょう。
1階
2階
3階
4階
テラス・吹き抜け・スキップフロアで明るく開放的に
リビング南側のテラスの景観や、リビングの大きな吹き抜けが、明るく開放的な暮らしを作る間取りです。
階段途中に設けられたスキップフロアのワークルームも、吹き抜け同様に高さの視界が開け、1階と2階を開放的な空間でつなぎます。
開放感があるにもかかわらず、各居室はプライベートな空間として独立している構造が印象的です。
1階
2階
家事に配慮した動線とスペース
家事動線を1階と2階で分担して受け持ち、ウォークインクローゼットとファミリークローゼットが独立して機能します。
玄関・土間収納・ファミリークローゼットは一直線で、パントリーは屋外から買い物の荷物を直接搬入が可能と、家事のために考え抜かれた間取りといえるでしょう。
1階
2階
中庭のある平屋でアウトドアリビング
コの字型の建物の懐に作られたテラスと中庭は家庭菜園スペースやバーベキューも可能なプライベート空間です。
中庭を活かして採光と通風を享受できるほか、中庭に面した窓の景観が、屋内の広々感を演出してくれるのもメリットです。
建ぺい率の関係で広い敷地を要しますが、光や風と近い、充実した暮らしをイメージできる間取りです。
1階
外階段のある2階リビングの家
ひんぱんな来客や添付兼住宅、事務所用途などに対応する間取りです。
1階に家族のプライベートな空間を集中させ、2階の公的要素を持ったリビングには外階段からの行き来が可能となっているため、外部からの人の出入りに気兼ねなく暮らせ、公私の用途を両立させています。
1階
2階
将来の2世帯同居を考えた家
家の南側にご両親の居住エリアを準備し、将来的に2世帯同居を前提とした間取りです。
リビング上部の吹き抜けのほか、ご両親の寝室・和室に面した中庭からもたっぷり採光を得る構造です。2階にも大きなデッキを設け、屋外に出られる作りです。リビングには効率よくスタディーコーナーも設けられています。
1階
2階
在宅ワークスペースに彩りを
在宅ワークで24時間家で過ごす方に配慮した平屋の間取りです。坪庭の緑に面したワークデスクと、仕事の資料を収納できる本棚や棚が設けられています。
坪庭は目隠しフェンスで外部の視界をさえぎるほか、浴室にも緑の景観を提供します。リビングの上部は高さのある勾配天井で、開放感を得られる作りです。
1階
ペットとの暮らしにこだわった玄関まわりのスペース
玄関そばにペットの家を設けた間取りです。専用出入り口やグルーミングコーナー、専用収納まで設けた完全装備です。散歩の足のままで屋内にそのまま入ってOK。外飼いの気遣いも、内飼いの手間もいらないのが自慢となるでしょう。
屋外からすぐ出し入れできる家庭菜園やキャンプ道具の専用収納も設け、アクティブで充実した暮らしがイメージできます。
1階
2階
T字の間取りでリビングを特別な空間に
T字の間取りでリビングの採光を両面で取った間取りです。これなら3面採光にすることも可能。リビングは一日でもっとも長時間を過ごす空間です。採光だけでなく北側の通りから駐車スペースで隔て、庭にも面した気持ちのよい場所となりました。
ペニンシュラキッチンから真っ直ぐリビングが見通すことができ、子どもの見守りにも適した構造です。
1階
2階
ビルトインガレージで趣味の生活
ビルトインガレージは車庫としての実用性のほかに、趣味のスペースとして大活躍します。車やバイクのメンテナンス、アトリエ、音楽、スポーツなど、音や匂いなどを気にせず、気軽に仲間が集う場所にもできるでしょう。
ガレージに続く土間も、収納や更衣の空間として、趣味の時間をサポートしています。リビングに面して設けられたウッドデッキも遊び心を発揮するスペースになっています。
1階
2階
変形・狭小地でも充実間取り
細長い変形、かつ狭小地を有効活用した3階建て間取りの例です。高低差もあるためリビングを2階に設けて明るさを確保しました。1階の奥まったところにある寝室や浴室には坪庭を設け、くつろげる空間としての演出がされています。
収納類は1階を中心に配置し、3階はサンルームや大きなバルコニーなど、開放的なスペースとなりました。
1階
2階
3階
家の間取りおすすめ5選【家族・ファミリー向け】
続いて、家族・ファミリー向けの要望の中で、タイプ別の間取りの事例をご紹介します。
ひと言でファミリー向けといっても、施主ごとにそれぞれニーズは異なるため、以下の代表的なタイプに分類し、必要な機能をまとめました。
- ● 子ども部屋を確保したい場合
- ● 収納を重視したい場合
- ● 家族のコミュニケーションを重視したい場合
- ● 家事のしやすさを重視したい場合
- ● プライバシーを重視したい場合
家族・ファミリー向け:タイプ分類と機能
子ども部屋を確保したい | 仕切れる、多用途の広い居室 |
収納を重視したい | ウォークインクローゼット・土間収納・パントリー |
家族のコミュニケーションを重視したい | リビング階段・吹き抜け |
家事のしやすさを重視したい | ファミリークローゼット・ランドリールーム・ワークスペース |
プライバシーを重視したい | 独立洗面室・小屋裏などの個人スペース・二世帯住宅 |
子ども部屋を確保したい場合
子どもが就学年齢に近づく前に、子どものための部屋を確保したいと考えるようになります。
子ども部屋は生後すぐに必要になるものではなく、かつ兄弟の構成や年齢の進み具合で使い方が変わり、将来は不要になることも多いものです。
そこで、2階に14畳の洋室を設け、フレキシブルに仕切って利用できる形にしたのが以下の間取りです。カーテンやパーテーションから壁面・ドアの増設まで、仕切る方法はさまざまに対応できます。
子どもの成長過程に応じて、フレキシブルな対応ができるのが魅力です。
このほか1階の北側半分でコンパクトに生活動線がまとまるようにできており、老後の暮らしにも対応しやすい工夫がされています。
1階
2階
収納を重視したい場合
必要な収納をしっかり設けることで、すっきりとシンプルな暮らしを送ることができ、家事などの効率もアップします。
ただし前述のように収納スペースは、たくさん設ければよいというわけではなく、事前にどこに何をしまうか検討のうえで決めることが暮らしやすくスペース効率のいい間取りを決めるうえでおすすめです。
以下の間取りはランドリー収納・ファミリークローゼット・納戸・土間収納のほか各居室にも収納を設けており、リビングや居室は常にすっきりした状態に保たれます。
36坪の間取りで、収納でスペースを犠牲にすることなく、和室スペースを含んだ18帖のLDKや、2階には音楽を演奏できる9帖のファミリースペースも設けられています。
また、宅配サービスの受け取りや、洗濯物の室内干しを想定したスペースも設けられ、すっきりした暮らしへのこだわりが伺えます。
1階
2階
家族のコミュニケーションを重視したい場合
最近では吹き抜けやリビング階段を設けて、リビングと2階とのコミュニケーションを取りやすくする間取りも増えています。
吹き抜けは採光や解放感が大きなメリットですが、2階との空間の境目をなくす効果もあります。
2階の通路や居室の窓から1階を見下ろし声をかけたり、リビングから2階の様子が確認できたりなど、上下階の一体感を作ることができます。
リビング階段とは、リビングの中に階段がある間取りのことで、2階へ移動する際に必ずリビングを通るような間取りです。外出時・帰宅時にも、必ず顔を合わせることができます。
玄関から階段までの動線と、リビングの位置を検討のうえで、リビング階段も検討しましょう。
この間取りは書斎、子ども室、家事室など日中も利用する2階の部屋が、リビングの吹き抜けに面した構造になっており、いつでも家族の気配が感じられます。
また、アイランドキッチンのシンクからは、リビングとダイニング、和室の一部が見渡せるようになっていて、子どもの見守りもできます。
1階
2階
家事のしやすさを重視したい場合
共働きや、育児で忙しい家庭では、家事の効率アップは大切な課題になるでしょう。
家事の時短を重視する場合は、以下のような間取りの工夫がおすすめです。
家族の服を集中的に収納できるファミリークローゼットで、洗濯後の片付けを合理的にできます。クローゼットの集約化にくわえて、洗濯機から洗濯物を干す場所の動線も工夫すれば、更に効果的です。
玄関の近くに土間収納のクローゼットを設けて、外出前や外出後のコート、帽子、かばん類を含めて保管することでも、家事や行動の時短となります。
洗濯物を干す場所も、よく検討しましょう。浴室乾燥機を利用する、洗濯機の近くに干す、2階の物干し近くにランドリールームを設ける、物干しポールを天井に付けて利用するなどの方法があります。
この間取りでは、ファミリークローゼットと隣接する家事室、玄関の土間収納を設けているほか、ワークデスクを取り囲んで、家事の回遊動線が設けられています。
1階
2階
プライバシーを重視したい場合
とくに人数の多い家族の場合、家族といえどもプライバシーに気を遣うことがあります。生活動線で家族が集中する状況や、一人で息をつく時間がないという状況は避けたいものです。
洗面室と脱衣所を独立させると、誰かが入浴中でも、洗面所を気兼ねなく使え、ストレスが減りますし、来客時も生活感のある脱衣所に通さずに、手洗いなどを案内できます。
また、一人で落ち着ける空間を確保するために、ロフトや小屋裏の空間を個人のスペースとして活用するのもよいでしょう。
親子の2世帯で暮らす場合は、1つの建物の中で無理なくプライバシーを維持できる二世帯住宅の間取りが安心です。二世帯住宅は完全分離型、一部共有型、完全共有型などニーズに合わせてさまざまな設定が可能なので、検討してみましょう。
以下の間取りでは、1階トイレの洗面スペースを大きめに取り、2階の浴室におもな洗面脱衣を設けています。
また、書斎、子ども室、家事室、和室のほかスタディーデスクなど、一人で時間を過ごせる空間が用意されています。
1階
2階
要望別の間取り構成については、以下の記事もご参照ください。
子育て注文住宅を建てよう!どんな間取りにすればいいの?|住宅展示場のハウジングステージ
家族4人の暮らしにおすすめな広さや間取りとは?一戸建てのお部屋構成を解説|住宅展示場のハウジングステージ
注文住宅の間取りで後悔しないために
家作りで「すべてうまくいき、100%満足」というのは難しく、何かを実現するために、何かは優先順位を下げる必要があるでしょう。
また、後悔のポイントは人それぞれ異なりますが、「こんな点ではよくなかった」という知識はなるべく多く持っているほうが、希望内容に優先順位を付けていく参考となります。
以下は「間取りの後悔はどのような点があるか」というアンケートですが、半分以上の方が何らかの後悔を持っています。
自宅の間取りについて「後悔した」「失敗した」と思ったことはありますか?
「ある」 | 56.6% |
「ない」 | 43.4% |
株式会社南勝調べ
窓の位置は、「外からの視線が気になる」「採光や換気が不十分」など、敷地外からの影響が絡む問題です。
狭いバルコニーは物干しにもリビングの延長にも使わず、「用途がなかった」という意見が多数でした。
また、ウォークインクローゼットは「作ったものの、デッドスペースが多く機能がよくない」などの理由が挙がっています。
上位3つは、間取りの検討の段階では気づきにくいので、設計士の方とよく相談してみましょう。
間取りに後悔したくないポイントについては、こちらの記事もご参照ください。
マイホームの間取り、どうする? 後悔しないための3つのポイント|住宅展示場のハウジングステージ
まとめ
注文住宅の間取りを決めていくうえでのポイントや後悔しないための注意点、成功例の間取りから、暮らしに密着した設計のアイデアをご紹介しました。
注文住宅の間取りにこめる暮らしの知恵は思いのほか幅が広く、参考例を見ながら何を取り入れるかを考えるのは、とても楽しい作業です。
しかし敷地の周辺の環境や、法令との兼ね合いなどの条件もありますので、専門家とのコミュニケーションをうまくおこない、後悔の少ない家作りを目指しましょう。
執筆・情報提供
滋野 陽造
マスコミ広報宣伝・大手メーカーのWebディレクター・不動産仲介業を経て、ライター業・不動産投資に従事。
実務経験をもとに、不動産の賃貸業・売却・購入、暮らしの法令などのジャンルで記事の執筆を行う。
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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。