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家づくりの雑学

2024.09.09

注文住宅の完成までの期間は?流れや完成が遅れないためのポイントも解説

住まいづくりのイメージや資金が固まってきたところで、「いつ頃引っ越せるのだろう?できたら新年は新しい家で迎えたい」と考えたくなるかもしれません。

本記事では、注文住宅の完成までの期間や流れ、完成が遅れないためのポイントなどを解説します。

INDEX

注文住宅が完成するまでの期間はどのくらい?

注文住宅の完成までにかかる期間は、下準備から竣工・引き渡しまでに、一般的に8〜15ヶ月が必要となっています。注文住宅は理想通りの家づくりのために土地探しやプランの検討など自由度が高い分、施主の準備することが多いため、建売住宅や中古の購入よりも期間が必要です。

家を建てる土地をすでに持っているかどうかや、選択するプランの内容により、完成までの期間は異なります。たとえばセミオーダーのような既成に近いプランであれば完成は早まります。

しかし通常は、着工から完成までに最短でも6~7ヶ月はかかる場合が多いと考えましょう。また、希望の土地探しやプランの設計にこだわった場合は、家を建てるのに2年近くの期間をかける場合もあります。

注文住宅の完成までの流れと期間の目安

以下は、注文住宅を建てるために必要な、大まかな工程の分類です。

  1. 1. 情報収集・予算決め
  2. 2. ハウスメーカー・工務店選び・土地探し・住宅ローンの仮審査
  3. 3. 建築工事請負契約・住宅ローン本申請
  4. 4. 建築工事
  5. 5. 完成・引き渡し~引っ越し

この項では、注文住宅の完成までの工程と、各期間の目安についての概要を解説します。

関連記事:家の建て替え費用の相場は?内訳、手順、期間などを紹介|住宅展示場のハウジングステージ

住宅の情報集めと予算の設定【1~3ヶ月】

最初は、平均1~3ヶ月をかけて参考情報の収集や予算を煮詰めて、建てたい家を明らかにしていく作業です。この段階で家族とよく話し合い、間取りやデザインの方向性、仕様などの優先順位をはっきりしておきましょう。

以下は注文住宅の施主のアンケート結果です。ハウスメーカー・工務店に問い合わせる前の準備段階としては、以下の内容が多くを占めています。

家のプランや仕様のイメージ固めは住宅展示場が活用されていることが分かります。その他の相談先は不動産会社や、金融機関となることが多いでしょう。

ある程度条件や優先順位を絞って予算との兼ね合いを判断することになります。

ハウスメーカー・工務店に問い合わせる前の準備段階で、何を重視しましたか?(複数回答)

2022年 LIFULL HOME’S調べ

ハウスメーカーと土地探し・住宅ローンの事前申請(3〜6ヶ月)

土地と建築の依頼先、借入先の選択で3〜6ヶ月かかると考えましょう。土地探しは、地域密着型の不動産会社に相談するか、土地も斡旋できるハウスメーカー・工務店への依頼の2つが主流です。

前者は土地のエリアについての細かい情報が入手しやすく、後者の場合は、仲介手数料が無料か、安くなる可能性が高くなります。

建てたい家のイメージに合った建築の依頼先探しも重要です。複数社に依頼して相見積もりを行い、価格以外にプランの良さや、対応の良さも確認のうえ、選びましょう。

住宅ローンの申請はまず、仮審査を行い、融資を受けられる感触を把握します。建築の見積もりから借入額を概算し、金融機関の担当者とも相談しながら返済計画の概要も固めていきます。

返済資力を証明するために、持っている資産や他の借り入れの状況など、積極的な情報提供をすることで、精度の高い審査結果を得ましょう。

プランニング・契約(2〜6ヶ月)

家の設計のプランニングとローンの本審査を経て、住宅ローン・工事請負の契約まで、2〜6ヶ月が必要です。ここで期間に幅があるのは、プランの組み立てがうまくいかず、他に依頼し直すケースもあるためです。

住宅ローンの本審査では、返済資力と担保価値が細かく確認されるため、追加で資料を提供し、借入期間や金利、返済の月額などを細かく決めましょう。

住宅ローン(金銭消費貸借契約)と建築(工事請負契約)の契約が完了すれば、家づくりは具体的にスタートを切った形となります。これ以降は家の大きな仕様の変更はできません。

注文住宅の着工(3〜6ヶ月)

建築工事に要する期間は3〜6ヶ月が目安です。工事期間は天候や資材の入荷状況で左右されることがあります。

住宅の施主がケアする点としては、地鎮祭と棟上げ式です。これらを行う場合は、地域の習慣にならって滞りなく実行できるよう、日程調整や神主さんの手配などの準備をすすめておきましょう。

地鎮祭の前までか当日に、近隣にご挨拶と工事実施の事前おことわりに回ることが多いです。施工中は施工会社の担当者と相談のうえ、職人さんに差し入れがてら工事を見に行くのも良いでしょう。

完成と引っ越し作業(1ヶ月)

工事が完成したら内覧と完了検査を行い、不具合や打ち合わせと異なる部分がないかのチェックをします。手直しなどが必要な問題がなければ、残金の決済と登記の日取りを決めます。決済・引き渡しは金融機関で行い、売買の関係者や司法書士も同席となるので、日程調整が必要です。

引き渡しと決済が完了すれば、全工程が完了となります。引き渡しの完了以降は、自由なタイミングで引っ越しができます。

注文住宅の完成が遅れる原因は?

注文住宅は前述の通り、施主のこだわりを実現するために、工程ごとに決めることが多く、家づくりの期間が延びがちです。中でも、予定よりも大幅に時間が延びやすい工程は、土地探しと設計プラン・設備の決定です。期間が延びてしまうこれらの原因について、もう少し細かく見てみましょう。

理想の土地が見つからない

土地探しはこだわればきりがなく、3ヶ月から半年、ときには1年以上かかる場合もあります。土地探しに迷うときは、以下の2つのパターンがあります。

  • ● どこに住むのがいいか決まらない
  • ● 住みたい場所に理想の土地がない

住む場所が柔軟なのは、土地探しで有利な面もありますが、土地をいつまでも決められない状況になる可能性があります。

反面、住みたい土地のイメージが明確なのは、他の要素を絞り込んだり決めたりするのに好都合で、良い面も多くありますが、理想の家が建てられる予算と地形の土地が出るまで待つということも起こり得ます。

住みたい場所のイメージは明確でありながら、候補地が複数あるというのが、スムーズな土地決めの際には有利でしょう。

プランの決定に時間がかかる

もう一つ時間を要するのはやはり、設計プランの決定です。こだわりを持って検討範囲を広げたり調べたりするのはとても良いことですが、避けたいのは、家族の意見がまとまっていない、あるいは優柔不断な要素から、なかなか前に進まない状況でしょう。

以下は、設計・建築の依頼先によって工程の遅延があるかどうかを調べたデータです。

2015年 日経クロステック調べ

ハウスメーカー・工務店共に「遅延なし」の割合はほぼ違いがありません。1ヶ月以上の遅延は工務店に多いですが、同データによると小規模工務店ほど遅れる傾向が顕著になるとされており、これは施主の問題には関係がなく、施工中の天候や資材入荷の問題と推察されます。

注文住宅の完成が遅れないためのポイント

注文住宅へのこだわりは発揮しながらも、無駄に時間を過ごさないためには、事前の準備と計画性が必要です。

計画通りに進まないときにも、その対策や、あらかじめどうするかを決めておくと、ストレスのない家づくりにつながります。以下で完成が遅れないためのポイントを解説します。

スケジュールを事前に決めておく

「この過程をいつまでに終える」と決めておくだけで、漫然と過ごす時間は減らせるものです。本記事などを参考に、引き渡しの目標を決めて、逆算してそこまでの各過程の期間を決めてみましょう。

また、スケジュール通りにいかないことは必ずあるため、1ヶ月程度は余裕を持った内容にしておくと良いです。

土地を探す際に期限を決める

とくに、最初の関門となる土地取得までの期間は、ある程度管理し、期限を決めておくことをおすすめします。100%理想にかなった土地を探すのは難しく、探す行為が膠着化しやすいためです。

土地の部分でつまずきが長い場合、建物の建築相場や法令の変更、補助金利用の状況の変化などで、チャンスを逃がすことがあります。

前述のように候補エリアを2つ以上決め、ある程度の条件を満たした時点で決めることも考えましょう。

家族の希望をまとめておく

家族のうち特定の人が主導権を握ってさまざまな点を決めていくのは、早くプランが決定していくようで、どこかで不満が表面化して話し合いが滞ったり、使い勝手などで満足度の低い家になったりしがちです。

何かの希望があれば、そこには必ずメリットとデメリットがあります。たとえば「リビングを吹き抜けにして、直接階段を付けたい」という希望があった場合、家族の中で以下のような吹き抜けとリビング階段の組み合わせのメリット・デメリットを共有して考えます。

メリット

  • ● 開放感がある
  • ● 家族のつながりを感じられる

デメリット

  • ● 空調に工夫が必要
  • ● 調理のにおいが2階に上がりやすい

家族の皆さんそれぞれが、よく利用する部分に意見を持ち、それを持ち寄ることで良い家となります。意見が分かれた際には、「そこをよく利用する人の意見を優先する」「多数決する」などのルールを決めるのも良いでしょう。

希望条件に優先順位を付ける

こだわりのポイントや家族の意見がまとめられたら、あとのハードルは予算との兼ね合いであることが多いです。「もっとこだわりたい!」という気持ちも大切です。しかし、設計上の理由や予算との兼ね合いで、何かを諦めることは必ず出てくるので、その際にもスムーズに決められるようにしておきましょう。

こだわりポイントに優先順位を付け、何を残すべきかという観点で考えます。それでも打ち合わせの席で決めかねる状況になったときは、一度持ち帰って冷静に考えたほうが、かえって早く合理的な答えが得られることが多いでしょう。

まとめ

注文住宅の完成までの期間や流れ、完成が遅れないためのポイントなどを解説しました。

住まいの完成までの期間は、こだわりたい・納得したいために時間が延びるのと、うまくまとまらないためについ延びてしまうのでは、あとの満足度に大きな違いがあります。

また、全工程を計画的にとらえて、関係する人に気持ちよく働いてもらうよう考えるのも、施主としての役目である部分もあるでしょう。プランの決定後も工事の進行に関心を持たれることをおすすめします。

執筆・情報提供

滋野 陽造

保有資格:宅地建物取引士 賃貸不動産経営管理士。
マスコミ広報宣伝・大手メーカーのWebディレクター・不動産仲介業を経て、ライター業・不動産投資に従事。
実務経験をもとに、不動産の購入・売却、住まいの知恵、暮らしの法令などのジャンルを中心に記事の執筆を行う。

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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。

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