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今どきの住まい・暮らし

2024.10.11

注文住宅の収納アイデア・実例15選《2024》失敗しないための考え方も

住まいづくりのうえで、収納の設け方は地味な検討ですが、暮らしの動線や家事の効率に大きく関係します。また、近年では収納配置は、間取りの設計にも影響する大切な要素です。ちょっとした工夫や配置の違いで、収納効率は大きく変わります。

本記事では注文住宅の収納アイデアの実例を通して、収納に失敗しないための考え方を解説します。注文住宅の設計を考えるうえでの参考にしてください。

INDEX

注文住宅の成功のカギは収納?失敗しないための考え方

慣れた家の暮らしでは気付かないことが多いですが、ライフスタイルに合わせて事前によく検討された収納は、暮らしの質を高めてくれます。近年では収納設置のノウハウが発達し、玄関土間や家族共通のクローゼット、食品のストックを収納するパントリーを設けた間取りが増えました。

下記は、自宅の収納への不満を集計した結果です。スペースのサイズの形や量が上位を占めています。

2017年 マイボイスコム株式会社調べ

以下で収納に失敗しないための、基本的な考え方をお伝えします。

必要な収納量を知る

戸建て住宅に必要な収納の量は、延べ床面積の10~15%といわれます。しかし家族の人数やライフスタイル、年齢構成などによって大きく開きがあるでしょう。それに15%といわれても、収納配置や量はイメージできませんね。

まずは、家族が収納したいアイテムについて、どんな場所で、どんなものが、どのくらいの数必要かを集計して予測を立てます。今の住まいにおける収納量の過不足をもとに、新しい住まいの収納を考えましょう。

しまうアイテムにサイズを合わせる

たとえばキッチンの食器などは、見せる収納の演出効果を狙って食器棚をあとから増やすことはありますが、基本的には入りきらないものを作らず、家に作り付けの収納ですっきり収めたいもの。

また、しまう場所の形や分量が適切でないために、家事の効率が妨げられることもあります。すぐ使う・何度も使うものは手前側の細かく区切ったスペースですぐ取り出せるようにしましょう。逆に、すぐ使う確率の低いものは、大きなスペースをざっくり使ったほうが、収納の際の柔軟性が高く、使いやすいです。

使う場所のそばに収納を設ける

リビングで使うものはリビングに、入浴後に使うものは脱衣所に置けるようにするのを基本にしましょう。家の中でいちいち離れた場所に取りに行くのは、動線の無駄です。

また、本来しまう場所の容量が充分でないために、使用頻度の低い調理器具や季節外の衣類を、関係ない押入れに収納すると、しまった場所を忘れてしまいがちです。「ここにはこれをしまう」という、モノそれぞれの居場所を決めておけば、片付ける際も楽になります。

将来を予測して余裕を設ける

荷物は極力増やさないのが、新居での暮らしの理想です。しかし、子どもの成長や親の同居、趣味のエスカレートなど、ライフスタイルの変化で必要な収納の量は増減するでしょう。一般的には入居後に徐々に増えたあと、子どもの独立などに伴ってまた減っていくことが多いです。

使わなくなったものは誰かにあげたり売却したりして、処分するのがおすすめです。スペースを空けておいて、何も悪いことはありません。

注文住宅の人気収納アイデア・実例《玄関》

ここからは、近年人気を集める注文住宅の収納設置アイデアを、住まいの中のエリアごとにご紹介します。

下記は、収納場所の設けられている場所に関するアンケート結果です。1位の押入れは万能的収納の代表ですが、区切りのない広い空間なので、しまうものの決め方や出し入れへの考慮が必要です。中をどのように区切って使うかも収納の腕の見せどころでしょう。

2020年 マイボイスコム株式会社調べ

扉付きの土間収納ですっきり玄関

玄関周辺は、外出の際に持ち出すものなどで散らかりがちです。家の顔である玄関は、本来極力すっきりしておきたいものです。風水上も運気を上げるために、靴や傘を多く出しておくのは好ましくない とされます。

土間クローゼットを設け、扉付きにして中が見えないようにすれば、視覚的にも生活感の出ない、お客様にも心地良い玄関となるでしょう。

あえて見せる玄関収納

土間収納は逆に扉を設けずに、オープンにしておくことも可能です。帰宅した際に脱ぎ着しやすく、機能的でしょう。また、玄関を広く見せる効果もあります。

お気に入りのコートや上着をきれいに配置して、見せることを意識しても良いです。

シューズクロークで土間すっきり

土間から見えるオープンなシューズクロークも、きれいに靴をディスプレイできるほか、現在の靴の状態、汚れや傷みを確認しやすく、すぐに対応できるでしょう。

見えている状態のものは大切にし、気を遣うようになる効果があります。また、見えないところに収納すると、すでに持っているものを必要以上に増やすことも避けられるでしょう。

注文住宅の人気収納アイデア・実例《リビング》

リビングは家族が過ごす平均時間がもっとも長い場所です。お気に入りのものを視覚的に活かしながら配置したい反面、よく使うものを目立たないように収納するなど、正反対のニーズが交錯する場所でもあります。

壁面をフル活用した書棚・収納

書斎や子ども部屋だけでなく、リビングにも天井までの作り付け棚を設け、圧迫感を出さないようにしながら、書籍類や日常使いのものを効率的に収納できます。

小説や漫画以外に、家族みんなが利用したくなる知識や参考資料のデータベースを設けてみましょう。スマートホン頼りでない情報収集を行えるようにすれば、家族のコミュニケーションのきっかけにもなるため、おすすめです。

ディスプレイラックですっきり広いお部屋に

リビングはもともと、家具を置くニーズがあまりなく、家具があっても邪魔になってしまうことが多いため、何かを飾っておきたいと思っても置き場所がありません。

ディスプレイラックを壁面に設けて、書籍用以外に装飾品や雑貨を飾ることで、おしゃれな空間にできます。

TV台周辺のディスプレイカウンターでドレスアップ

リビングのテレビ台周辺には、見せる収納を意識した棚やディスプレイカウンターを設けてみましょう。写真のように、機能優先になりがちな大型スクリーンや5.1チャンネル音響システムの回りに、日用品や雑貨をおしゃれに配置できる工夫がおすすめです。

注文住宅の人気収納アイデア・実例《サニタリー・ランドリー》

この項では、脱ぐ・洗う・乾かす・しまうの動きを支える収納のアイデアをご紹介します。サニタリー・ランドリー回りの収納設計は、家事動線に大きく影響する部分です。機能的な収納配置ができれば、家事の効率は飛躍的にアップし、お気に入りの場所にもなるでしょう。

また、ランドリースペースとファミリークローゼットの関係性も、家事効率の大きなポイントとなります。

造作棚と引き出しのランドリー収納

下着やバスタオルなどのリネン類は、脱衣所に隣接したランドリースペースに直接しまえるのが理想です。造作棚にラタン籠などの引き出しを設けたランドリー収納を検討していてはいかがでしょうか。

収納上部にハンガーパイプを設けて家事軽減

ランドリー収納の上部にはハンガーパイプを設け、今の季節に使う衣類の収納場所、あるいはアイロンがけ待ちのスペースにできます。乾燥中のものとは配置を別にして、湿度管理をしておくのが良いでしょう。

注文住宅の人気収納アイデア・実例《キッチン・ダイニング》

キッチン回りの合理的な収納アイデアをご紹介します。食事に関連したスペース回りの収納は、食材や食器、調理器具などの出し入れや洗い物、片付けなど、非常に動きのある場所です。また、キッチン・ダイニングは機能的で子どもの見守りがしやすい反面、おしゃれに見せたい、生活感を抑えたいなど、相反する要望を満たす必要があります。

ペニンシュラキッチンのコンパクト動線

ペニンシュラキッチンとは、アイランド型のユニットの一方が写真のように壁付けになっているタイプです。奥からパントリー・キッチン・ダイニングテーブルが一直線に並ぶタイプのキッチンは、調理から片付けまでの動線が非常にコンパクトで、かつ狭さを感じさせません。

関連記事:パントリーの間取りで失敗しないための対策!奥行きがある収納の活用についても解説</p>

カフェ風の見せる壁付け収納

キッチン背後の壁は、食器棚やカウンターで埋まることが多いです。しかしカウンター材の上部にタイル壁や壁付けのオープン棚を設け、グラスを吊るなどカフェ風の見せる壁付け収納にして、視覚的にすっきりしたイメージを目指してはいかがでしょうか。

利用効率の良いダイニング側の収納

シンクやコンロの仕様にこだわった結果、写真のような細長いカウンターとなった場合、隣接した収納カウンターを設けてみましょう。ダイニング側で出し入れする鍋や電気調理器具の収納に効率を発揮し、上部を食器の片付け場所にすると、片付けの動線を短くできます。

注文住宅の人気収納アイデア・実例《寝室》

一日の疲れをしっかりとるために、寝室は極力すっきりした環境をおすすめします。視覚的ににぎやかな場所は、潜在的なストレス になるといわれるためです。以前は季節外れの衣類の収納場所を兼ねることの多かった寝室は、クローゼットから独立した狭めの就寝空間としてまとめることが増えてきました。

寝室に理想的な、最新の収納環境の考え方は以下です。

落ち着く空間づくりの壁面収納

寝室に収納を設ける場合は、隣接のウォークインクローゼットとするか、写真のように扉付きの収納が理想です。地震の際に扉が開いて、中のものが崩れてくることのない造作や配置を意識しましょう。

ベッド下の活用

寝室をすっきりさせる目的で、ベッド下のスペースを収納として活用しても良いでしょう。出番が少なめの衣類や、交換用のシーツやまくらカバーなどを収納できます。ただし、マットレスを伝ってくる就寝中の汗の影響を受けないように、注意しましょう。

注文住宅の人気収納アイデア・実例《その他》

上記のほかに、家の設計の際に意識すると良いアイデアをご紹介します。用途をはっきりすることで、収納スペースを活かせます。

小上がりの床下収納は用途豊富

畳敷きにした小上がりは、子どもの寝かしつけや休憩など、使い勝手が良いもの。小上がり下のスペースを子どものおもちゃ、来客の際の寝具や、生活感を避ける一時的な片付けのための収納にすると、便利で効率的です。

ファミリークローゼットとランドリールームの連携

洗濯のうち「乾かす」と「しまう」を極力一体化できると、前述のように家事効率が飛躍的にアップします。ファミリークローゼットとランドリールームを隣接、あるいは一部兼用することを検討してみましょう。

ただし、ランドリースペースは多湿と乾燥を繰り返す場所なので、季節外の衣類などへの影響を避けるために、湿度管理などの検討が必要です。

理想のお家探しなら、ハウジングステージ

収納の工夫一つとっても、近年の戸建ての設計の進化は目覚ましいが見られます。調理や洗濯などの家事動線、帰宅からの動線など、今のお住まいとの違いを実感するために、住宅展示場の見学はいかがでしょうか。

東京・埼玉・群馬など首都圏を中心に、多数の住宅展示場を開催するハウジングステージでは、最新のデザインや機能を備えた、一流ハウスメーカーのモデルハウスをご見学いただけます。

執筆・情報提供

滋野 陽造

保有資格:宅地建物取引士 賃貸不動産経営管理士。
マスコミ広報宣伝・大手メーカーのWebディレクター・不動産仲介業を経て、ライター業・不動産投資に従事。
実務経験をもとに、不動産の購入・売却、住まいの知恵、暮らしの法令などのジャンルを中心に記事の執筆を行う。

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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。

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