2024.11.25
子育てしやすい家づくりをするには?理想の条件や実例・アイデアを大公開!
マイホームで過ごす期間のうち、兄弟姉妹の乳幼児から中学卒業くらいまでで合わせると15年から20年くらいは、子育てに関与する期間があるのではないでしょうか。家づくりの段階で子どもを安全に、健康に育てるための住まいの環境を整えておきたいものです。
本記事では子育て世代に共通する悩みをまとめるほか、子育てしやすい家づくりをするための理想の条件や実例・アイデアを解説します。ご家族の状況に合ったアイデアを参考にしてください。
INDEX
子育て世代に共通する悩みとは?
この項では、マイホームの暮らしにまつわる子育ての悩みをご紹介します。子どもの世話や見守りだけでなく、子育ての障壁は家事の効率にも関係することが多いです。子育ての悩みを解消していくには、暮らし全体を見直しておく必要がありそうです。
子どもを見ながら家事をする大変さ
子どもの世話と家事は同時進行となります。常に子どもに気を配りながら日常の家事を進めるのは、慣れも関係しますが、段取りを考えたり、住まいの使い方を工夫したりするのも必要でしょう。
とくに乳幼児の頃は、家事で動き回っているときに、常に子どもから目を離さないでいるのは難しく、ストレスを抱えることも多いのではないでしょうか。
部屋が片付かない
子育て中にお部屋が片付かない理由は、いくつかあります。片付ける物理的な時間がないこと、子どもの散らかし、小さい頃は場所をとるおもちゃが多い、子どものお世話するためのものが場所をとる、などです。
世界で支持を集める片付け法「こんまりメソッド」で有名な近藤麻理恵さんも、3児の母となって「今は部屋をきれいに保つより、子どもとの時間を優先する」旨の発言をしています。
とはいえ、なるべく効率的に片付けて、散らかった部屋のストレスを和らげたいものです。
子どもの世話の動線に無駄が多い
子どもの世話と、家事の間を往復するための動線が非効率で長い場合、やりたいことを終わらせるのに余計な時間を使ってしまいます。
子どもは食べ物・飲み物をこぼしたりおむつの交換があったりなど、想定できないタスクを常に生じさせます。服の着替えや床の掃除などが必要なときに、キッチンやリビングと洗面、トイレ、浴室などの位置関係が悪い場合、時間がかかったり床を汚したりしがちです。
子どもの世話も織り込んだ家事動線を計画し、反映した間取りを考えましょう。
玄関が散らかりがち
玄関は家の顔ともいわれ、帰宅や来訪して最初に目にする場所です。しかし、子育てが始まると、玄関をきれいに保つのは難しくなります。
外遊びのおもちゃや乗り物、靴などだけでなく、親子の外出や帰宅の際に身に付けるものが、散らかりっぱなしになることもあります。
子育ては即対応が必要なことや、優先順位を外せないことがあるため、片付けが後回しにならざるを得ないこともあるためです。
子どもの成長で部屋の利用が変わる
子どもが小さいうちは、子ども部屋の存在や機能を意識することは少ないのですが、寝る部屋が分かれ、収納する衣類が増え、そのうちプライバシーも必要となります。
また、二人以上の子どもがいる場合、子どもの性別が違う場合など、公平な扱いやそれぞれのスペースの確保に気を遣うでしょう。
子ども部屋の使い方が変化するのに応じて、部屋割りの工夫が必要になることも、子育ての悩みの一つです。
子どものほかに老後の暮らしも意識する
マイホームでの暮らしの後半は子どもの独立とともに、老後の暮らしを意識する必要が出てきます。子どものけが防止を意識したバリアフリー化は、老後になって再び役立つことになるでしょう。
子どもが独立し、高齢となってからは、2階や3階の利用頻度は減り、開けやすいドア、広い廊下などが必要です。子育て期だけでなく、老後も意識した家づくりを考える必要があります。
子育てしやすい家づくりのポイント・アイデア13選
子育てのしやすさ、暮らしやすさを実現する住まいは、細かい工夫の積み重ねでつくることができます。以下でご紹介するポイントを可能な限り取り入れていくことで、安心で快適な子育てにつながるでしょう。
広めで見渡せるリビング・ダイニング
広いリビングは長時間一緒でもストレスが少なく、家族同士のコミュニケーションがとりやすくなります。家族全員が快適に過ごせるリビングづくりは、親子のコミュニケーションを良好にすることにもつながるでしょう。
子どもの小さいうちはのびのびと身体を動かせるため、健康的です。また、死角の少ない広めのリビングは、家族の誰かが子どもの様子を見やすいのも利点となります。
カウンターキッチンで見守りしやすく
カウンターキッチンは、壁を背にしてリビングやダイニングに向き合う形の台所です。
調理や食事の片付けの間は、どうしても子どものそばを離れて家事をすることになります。台所の家事をしながら子どもの様子を見守るのには、カウンターキッチンがおすすめです。
姿が見えるだけでなく、話しかけることもでき、子どもを安心させたりコミュニケーションをとったりしながら仕事も進められるのがありがたい構造です。
リビングに勉強スペースをつくる
写真のようなダイニングテーブルでの学習は、成績が上がる勉強法として話題になりましたが、リビングに専用スペースを設けて、集中力を高めてあげるのも良いでしょう。
スマートフォンの普及などで、自室にいると勉強しているか分からないという意見もありますが、何より雑音が多少あるほうが、集中力が高まる点がポイントです。
勉強にとりかかるハードルを下げる効果もあるため、リビング学習はおすすめです。
家族共有の書棚を設ける
リビングなど、常に目に触れる場所に書棚を設け、子どもと親の本を両方置いておくと、子どもの好奇心や勉強への意欲が高まります。
スマートフォンなどで調べるより、本や辞典で調べたことのほうが記憶に残るという研究結果もあり、本を手に取って調べる習慣づけは子どもへの好影響になります。
大人と子どもの本が一緒に並ぶことで、興味や知識の共有を通じて相互理解ができるのもメリットです。
トイレに小さい本棚を設けると、本をとても手に取りやすい環境となります。しかし風水ではトイレに本を置くと悪い気を紙が吸い込み、運気が下がるといわれています。衛生上も良くないため、避けたほうが良いかもしれません。
家事動線と収納にこだわる
子育てしながらの家事は、常に「質良く効率良く素早く」が求められます。また、子どもが手がかからなくなっても、家事はやりやすいに越したことはないでしょう。
間取りや設備の観点から、子育ての支援が可能です。家づくりの際は、以下の点を意識しましょう。
- ● キッチン・洗面・浴室・洗濯室・トイレなど水回りを近接させる
- ● パントリーやランドリースペースを設ける
- ● クローゼットを集約化する
- ● 玄関にクローゼットを設ける
- ● 必要な場所に十分な容量の収納を設ける
- ● ロボット掃除機を活用できるようにする
家事に必要な動線を短くし、収納も効率的にできるようにします。
パントリーは食材の買い物の計画を素早く立てられ、買い物から帰宅後もすぐに収納でき、調理の際も取り出しやすい環境づくりができます。ランドリースペースは「洗う・干す・しまう」の動線を集約できるので、洗濯関連の家事効率を高めるうえで欠かせません。
収納は多すぎれば余計なものを多くしまい込むことになりますが、適切な場所に集約して設けることで、出したものを手早く片付けることにつながります。出したものは必ず同じ場所にしまうように、ものの居場所を決めておくことが、効率良い片付けの秘訣です。
子どもが自主的に片付ける収納をつくる
子ども用の収納は、子どもの片付けの習慣づけと、家事の手間を減らすうえで効果のある方法です。自分の領域・自分のものという認識を持つと、自分で管理するという気持ちにつながります。
また、最初はなかなか難しいですが「遊びはここで終わり。はいお片付け!」という、時間や行動の区切りのきっかけにもできます。
後付けの家具なら、不要になった際には撤去できますが、のちの用途も考えたうえで作り付けにすると、家の雰囲気に統一感が出るでしょう。
玄関に洗面台を設ける
帰宅したら手洗いやうがいなどをすることで、風邪やインフルエンザなどの感染予防に効果があります。玄関に洗面台を設ければ、自然に手間なくでき、習慣づけにもなるためおすすめです。
うがいでのどの粘膜の細菌やウイルスを洗い流し、粘膜を湿らせることで感染を防ぎます。また、手に触れた細菌やウイルスは、顔を触ることで身体に入り込みやすくなるため、手洗いも大切です。
家族全員の帰宅後の習慣にできれば、看病の負荷も減らせるのではないでしょうか。
玄関の広さ・収納の工夫を
広めの土間で、収納を設けてすっきりとさせることで、快適で使いやすい玄関となります。広い土間であればベビーカーや三輪車、傘などをしまいやすくなります。
小さい乗り物や外用のおもちゃも収納場所を設けると、紫外線や濡れによる傷みが少なく、壊れにくくなるのがメリットです。園芸用のストッカーなどを利用しても良いでしょう。
子ども部屋は成長に合わせて仕切りを
子ども部屋はあらかじめ、成長に合わせて仕切れるようにしておくと、将来に対応がしやすくなります。部屋数を増やすのが目的なので、双方に収納や窓が備わるようにすると良いでしょう。
子ども部屋は、近年はリビングの吹き抜けに面したところに内窓を設け、コミュニケーションがとりやすいようにしているケースもあります。
また、子ども部屋は子どもが独立すると使わなくなる可能性が高いので、趣味のスペースなど、将来の用途を考えておくのも良いでしょう。
以下は、子ども部屋の兄弟姉妹共有の割合と、一緒に使っている家庭が今後どうするかを調べた結果です。64%の方が「今後部屋を分ける」と「間仕切りする」という回答を寄せています。
小さくても遊び場の庭を設ける
走り回れるほど広いスペースでなくとも、外遊びの庭を設けることで、子どもの世界が広がります。
土に触れることで身体を強くするメリットが得られるほか、家庭菜園や花壇を設けて一緒に世話をすると、植物や食べ物を知るきっかけにもなるでしょう。
夏の暑さや雨を遮るタープや木陰があると理想です。また、手入れを要しますが芝生を植えると直接座ったり寝転がったりできます。
バリアフリー設計を意識する
バリアフリーは高齢者向きだけのものではありません。実はバリアフリーの仕様は、多くは子どもの安全や暮らしやすさにも役に立ちます。
床をフラットにして敷居や段差をなくしたり、出入りしやすく力の要らない引き戸にしたりしましょう。また、階段に踊り場や滑り止めを設け、廊下も滑りにくくする、要所に手すりを付けるなどが、事故防止につながります。
1階だけでも生活できる間取りにする
1階で就寝、食事、トイレ、入浴などが完結できるようにしておくと、子どもの病気の際に看病や見守りがしやすくなります。寝かせながら様子を見たり、声をかけたりしやすいうえ、あまり移動しなくても用を足せる状態にしておくと安心でしょう。リビングに設けた畳敷きの小上がりなどを活用するのがおすすめです。
1階で生活が完結できるようにしておくと、老後や介護の際にも役立ちます。
立地の工夫【夫の職場・妻の実家】
立地については周辺環境だけでなく、実用的な距離関係も意識して選ぶのがおすすめです。奥様の実家の近さは子どもの世話を頼みやすく、ご主人の勤務先が近ければ、子どもと過ごす時間をより多くとれることになります。
そのほかに家の立地は何が重視されているでしょうか。以下は住環境の要素で、重視する点についてのアンケートです。上位に子ども関係の項目が並びます。
子育て世帯に適した住まいや住環境の要素として、あなたが必要と考えることはどれですか。次の中から3つまで選んでください。
子育てしやすい家づくりを検討中なら、モデルハウスを見学しませんか?
子育てのための間取りや設備のノウハウは、実際に建物を見学してみるとよく理解できます。Webサイトの情報や口コミだけではつかみづらい点も、展示場で実物を見学することで、家族の暮らしの方向性を決める助けとなるでしょう。
東京・埼玉・群馬など首都圏を中心に、多数の住宅展示場を開催するハウジングステージでは、最新の機能や安全性を持つ、一流ハウスメーカーのモデルハウスをご見学いただけます。事前ご予約で、住まいづくりのお悩みへの相談も承ります。
まとめ
子育て世代に共通する悩みをまとめるほか、子育てしやすい家づくりをするための、理想の条件や実例・アイデアを解説しました。
少子化が問題視される中、子育てに関する生の情報が伝達されにくい状況があります。Webサイトの情報も良いですが、実際に子育てにかかわった人にいろいろ聞いてみるのもおすすめです。
子どもは一人ひとり違いますが、それでも「あれが大変だった」「これは意外と平気だった」など、家づくりの参考にできるかと思います。
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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。