2024.11.01
家の買い方とは?購入手続きや入居までにかかる費用を徹底解説
家を買う際は、さまざまな手続きや、支払うべき費用が生じます。建築会社や不動産会社のスタッフの案内に従っていけば、お任せでも手続きは手続きは完了できます。
しかし、事前にひと通りの知識を持っていれば、ストレスなくスムーズに進められるだけでなく、お得になったりトラブルを避けられたりが可能です。
本記事では、家の買い方はどうすれば良いのか、購入手続きや入居までにかかる費用などを解説します。家を買う準備中の方は、参考にしてください。
INDEX
家の買い方とは?新築住宅の支払いに関する基本情報
家を購入するための費用は、すべて住宅ローンで支払えるというわけではありません。諸費用を含めた借り入れが可能なケースもありますが、支払いタイミングがローンの実行前の費用もあります。以下の項目を、頭金とは別に準備することを考えましょう。
支払い時期・金額の目安
まず、家を買うための費用の全体像は以下です。費用によって支払いの時期がまちまちとなる点に注目してください。
家を買うための諸費用
時期 | 項目 | |
---|---|---|
項目 | 購入申し込み | 申込証拠金 |
売買契約 |
|
|
物件の引き渡しまでに支払う | 住宅ローン契約 | 印紙税 |
引き渡し前 |
|
|
物件の引き渡し後に支払う | 引っ越し時 |
|
半年から1年後 | 不動産取得税 | |
買ったあとに支払い続ける |
|
上記の購入の際の諸費用は、物件価格の一部となる手付金(物件価格の5~10%)を除いて、物件価格の6~10%が相場となります。
諸費用の内訳は税金、不動産会社や司法書士の報酬、金融機関の手数料、引っ越し関連の費用などで、家の購入後はメンテナンス関係の費用が加わります。費用の金額は購入する物件の土地や建物によって左右されますが、税金も年度や物件によって、税率や控除額が変更になるため、常に最新の情報を参照するよう、注意しましょう。
諸費用の中には、減らしたり無くしたりすることが可能な項目もあります。以下の記事も参考にしてください。
関連記事:
注文住宅の諸費用の相場は?内訳と費用を抑えるポイントも解説!|住宅展示場のハウジングステージ
次項からは、それぞれの費用の詳細をご説明します。
以下は、土地と建物の価格と諸費用をどのように計算して決めたかのアンケート結果です。自分で決めた人以外の58%は自分だけでなく、専門家や知人との相談があったことを示しています。
住宅購入予算をどのように算出しましたか?
新築住宅購入時の消費税について
家を買う場合、土地と家を同時に購入する場合でも、消費税は建物の価格にのみかかります。年月が経つにつれて償却していく建物に比べ、土地はその性質上、消費しない対象であるためです。
したがって必ず建物の部分単独の価格が提示され、そこに課税されます。
また、購入の諸費用のうち、仲介手数料、住宅ローンの借り入れに関する費用、司法書士への報酬なども、消費税の課税対象です。
家の購入が決まったらすぐに支払う費用一覧
まず、購入対象の物件やプランが決定したら支払いが必要な項目の詳細を解説します。
1.申込証拠金
物件購入の意志表示を売主に対して正式にする「購入申し込み」の際に、「申込証拠金」が求められる場合があります。これは売主側が冷やかしや、いたずらに検討期間を長くされるのを防ぎたいためです。
申込証拠金は契約が進んだ場合、手付金の一部として扱われますが、契約前のキャンセルの場合、返還されます。相場は2~10万円くらいです。
2.売買契約時にかかる費用
売買契約時には手付金、印紙税、仲介手数料の半金を支払うのが一般的です。以下をご参照ください。
売買契約時に支払う購入諸費用
諸費用の名称 | 内容 |
---|---|
印紙税 | 買契約書に収入印紙を貼る形で納める税金。税額は売買代金によって異なる。 |
仲介手数料の半金 | 新築一戸建ての多くは、仲介手数料を契約時と残金決済時に半金ずつ支払うケースが多い。(売主が不動産会社、あるいは不動産会社が販売代理の場合は仲介手数料は不要) |
手付金は契約内容に売買当事者の双方が納得して、売買や工事請負の契約を結ぶ際に支払います。手付金は売買代金の一部となります。
一度売買契約を交わしたあとに、購入をキャンセルする場合、戻ってこないお金となるため、契約には慎重な判断が必要です。売主が契約後にキャンセルする場合は、買主が支払った手付金の倍額が買主に支払われます。手付金の相場は売買代金の5~10%とすることが多いです。
印紙税は契約書に貼付して消印する形で支払う税金です。税額は契約書面に記載された金額によって異なります。たとえば価格が1,000万円を超え、5,000万円以下の場合、印紙税の額は1万円です。
仲介手数料は不動産会社への報酬で、売主によっては必要ない場合があります。仲介のために行ったすべての業務に対する報酬で、法定以上の金額は請求できません。
計算方法は、新築戸建ての大部分(400万円を超える物件)の場合、売買代金の3%+ 6万円に消費税を課した金額となります。
たとえば3,000万円の売買代金の場合、(3,000万×0.03 + 6万)×1.1で、105万6,000円で、この時点では半金の支払いなので52万8,000円となり、残りは残金決済時の支払いです。
家の引き渡しまでに支払う費用一覧
家が完成して引き渡す準備が整ったら、残りの金額の精算(残金と諸費用の決済)とともに同時履行で引き渡しが行われます。同日に所有権移転登記も行います。
1.残金
残金という場合、諸費用ではない売買代金の残金で、総額から手付金を除いたものを指します。この日までに残金の一部の中間金を支払うケースもありますが、契約書の内容次第です。
住宅ローン借り入れ分のお金は、金融機関から売主の口座に直接振り込み依頼も可能です。残金決済日にはローンが実行されるか、事前に確認しておく必要があるので注意しましょう。
2.購入諸費用
購入諸費用の残金も、残金決済日に大部分を支払います。
引き渡しまでに支払う購入諸費用
諸費用の名称 | 内容 |
---|---|
印紙税 (住宅ローン契約時) |
住宅ローンの契約書にも、収入印紙を貼る形で納める必要がある。税額は前述の通り借入額によって異なる。 |
登記費用 | 以下に必要な登録免許税、登記を行う司法書士の報酬など。
新築一戸建ての場合は土地家屋調査士(登記のために建物を調査する)の報酬も必要。 登録免許税: 司法書士報酬: |
ローン借り入れ関連の費用 |
費用の内容や金額は、ローンの種類、金融機関のサービス内容によって異なる。(利子に上乗せされる場合も) |
税金などの清算金 | 毎年かかる固定資産税や都市計画税について、所有権移転の日を境目に、日割りした金額を売主に支払う。金額は税額を日割りで按分。
地代や私道負担金(一戸建て)などを日割りで按分して支払うケースも。 |
修繕積立基金 (新築マンション) |
新築マンションを購入する際にのみ支払う。地域や物件、住戸の広さによって異なり、20~40万円台が平均的な相場となる。 |
仲介手数料の残金 | 前述の仲介手数料の残金を不動産会社に支払う。契約時と残金決済時に半金ずつ払うことが多い。(売主の不動産会社による販売、または販売代理の場合、仲介手数料はかからない) |
水道負担金 (新築一戸建て) |
「水道加入申込金」「給水分担金」ともいう。一戸建てを購入する場合など、新たに水道を利用する際に必要になる場合がある。自治体によって、必要・不要や金額も異なる。 |
上記では修繕積立基金と水道負担金以外は、決済日の支払いとなることが多いでしょう。水道負担金というと、取り出し工事費を含む場合があり、工事費は建築の費用に含まれるため、注意しましょう。
家の引き渡し後に発生する費用一覧
この項では、家の引き渡しを受けたあと、まとめて支払う費用を解説します。この費用以降に発生するのは、買ったあとに払い続ける住宅ローン、税金、修繕費となります。
1.入居費用
入居費用として引っ越し代や、新居のための家具などの購入費用が必要なほか、建て替えなどの場合、引き渡しよりも前から仮住まいの賃貸費用がかかることがあります。
家族数名分の引っ越し代金は、新居までの距離や荷物の量、サービス内容などによって異なりますが、10~20万円台です。
このほか、カーテンや照明器具、家具などはこだわり方によって、費用にかなりの幅が出るでしょう。
2.不動産取得税
不動産取得税は、土地や家屋を取得した場合にかかる税金です。
納付の時期は引き渡しから6ヵ月~1年後で、納付額の計算方法は、土地・家屋共に物件の固定資産税評価額の3%です。不動産の価格は実際に取引した価格ではなく、固定資産税評価額である点と、新築の建物には軽減措置として1,200万円の控除がある点は、覚えておきましょう。
1,200万円控除の軽減措置を受けるには床面積が50~240㎡など、一定の条件を満たす場合で、軽減には申告が必要です。
家の引き渡し後には、住宅ローンの支払いが始まります。安定したローン支払いのためには、暮らしの中での急な出費と、そのおおよその金額を設定しておくことをおすすめします。
以下は、暮らしのうえでの急な出費で困ったことに関するアンケートです。家電や車の故障、冠婚葬祭などが上位にきています。
家の買い方に関するQ&A
本記事のおさらいを兼ねて、家の買い方や費用についてのよくある質問をまとめました。
家を買ってはいけない年齢は?
必ず家を買ってはいけない年齢というのはありません。ただし、以下のタイミングでは、購入の計画を少し待つか、中古などの選択肢を考えたほうが良いこともあります。
20代前半:結婚や出産、勤続など、ライフステージが固まっていない時期
45歳前後から:定年が近づき、ローンの返済期間及び返済総額が限られる場合
家を買うのに必要な年収はいくらですか?
家を買う価格は、年収の6~7倍であれば、安定したローン返済の目安になるといわれています。以下の表をご参照ください。
年収 | 年収の6~7倍 |
---|---|
年収300万円 | 1,800~2,100万円 |
年収400万円 | 2,400~2,800万円 |
年収500万円 | 3,000~3,500万円 |
年収600万円 | 3,600~4,200万円 |
年収700万円 | 4,200~4,900万円 |
年収800万円 | 4,800~5,600万円 |
年収900万円 | 5,400~6,300万円 |
年収1,000万円 | 6,000~7,000万円 |
家を買うのに必要な頭金はどのくらいですか?
住宅の購入の際には、価格の20~25%の頭金を準備するのが良いといわれています。
頭金はゼロでも利用できる住宅ローンはありますが、手付金や購入価格以外の諸費用などに充てるお金が必要です。
また、購入価格に占める頭金が多いと返済が早く終わる、金利が優遇されるなどのメリットもあります。
家を買うにはいくら貯金が必要ですか?
家を買うために必要な貯金額は、物件の購入価格の10~30%が目安といわれています。前述のように頭金のほか初期費用や税金ほかの諸費用に充てるためです。具体的には以下のような金額となります。
物件価格 | 10% | 20% | 30% |
---|---|---|---|
1,500万円 | 150万円 | 300万円 | 450万円 |
2,000万円 | 200万円 | 400万円 | 600万円 |
2,500万円 | 250万円 | 500万円 | 500万円 |
3,000万円 | 300万円 | 600万円 | 900万円 |
3,500万円 | 350万円 | 350万円 | 1,050万円 |
4,000万円 | 400万円 | 800万円 | 1,200万円 |
4,500万円 | 450万円 | 900万円 | 1,350万円 |
5,000万円 | 500万円 | 1,000万円 | 1,500万円 |
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まとめ
家の買い方はどうすれば良いのか、購入手続きや入居までにかかる費用などを解説しました。
家の購入準備にはじっくり考えることと、一気にまとめ上げることの2種類があります。今回解説した費用の部分は、購入する家と融資先が決まった時点で一気に概算が可能になります。
ローンの借り入れや資金計画のうえで、諸費用の計算と、何をいつ支払うかは大切な要素となるので、専門家のアドバイスも受けながら、ぜひ早い段階で計算してみてください。
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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。