Find your new style!

会員番号:

家づくりの雑学

2025.01.09

土間とは何?種類やメリット、デメリットをわかりやすく解説

現代の住まいで、「土間」という言葉はあまり使われなくなっていましたが、最近は住まいの機能を拡張する形として、さまざまな土間が復活しています。デザインや機能が魅力的な土間も多く、家づくりに取り入れてみたくなるかもしれません。

本記事では土間とは何か、種類やメリット、デメリットを解説します。新しい家での暮らしを考える参考にしてはいかがでしょうか。

INDEX

土間とは?

土間とは、自宅の屋内で土足のまま歩ける仕様にした場所のことです。

床を張らずにコンクリート打ちかタイル張り、あるいは文字通り土のままの状態とし、外と屋内をつなぐ空間となります。

基礎によって高くなった居室とは段差を設けて外と同じ高さにするのが一般的です。なお、建築基準法上は居室と変わらない扱いとなり、床面積に参入されます。

昔の日本家屋ではよく玄関に隣接して広い土間が設けられ、炊事や作業の場所として利用されていました。しかし現代の住宅では長らく、玄関の一部として単に靴を脱ぎ履きするスペースとなっていたのです。

土間の種類について

土間の種類としては、以下が代表的なものです。

  • ● 玄関土間
  • ● 通り土間
  • ● 土間リビング
  • ● 土間キッチン
  • ● 土間テラス

玄関土間は、通常の玄関の土足スペースを広くとって、収納などに活用するものです。靴や傘だけでなくコートや外出用のかばん、子どもの乗り物や自転車、道具などまで幅広い収納用途が想定されます。

通り土間は、玄関から部屋までを土足の廊下で結ぶものです。飲食店のお座敷に続く廊下状土間をイメージいただくと、近いかもしれません。暮らしの用途によっては、生活動線が整って機能的な家になることが期待できます。

土間リビングはリビングの中に土間スペースを設けて、戸外とのつながりからくる開放感を作ることができます。観葉植物やお気に入りの趣味のものを置いたり、広い窓で外のテラスとつなげたり、汚れを気にしない作業場所にもできるでしょう。薪ストーブを設けるのにも向いています。

土間キッチンはキッチンの足元部分を土間にするものです。屋外とつながる台所は収穫した野菜などを直接持ち込んだり、汚れを気にせず調理したりして、簡単に清掃できるのが魅力です。

土間テラスはインナーテラスとも呼ばれ、屋外のバルコニーや軒下に土間を設けるものです。大きな窓を境にして土間リビングと隣接させると、開放感やアウトドア気分を効果的に楽しめます。

現在新築の一戸建てに取り入れられることがもっとも多いのは、玄関土間に設ける収納でしょう。

下記は「シューズクローク・土間収納を設けたいですか?」というアンケート結果です。8割近くの人が希望し、玄関そばの土間機能が求められていることがわかります。

2022年 かえるけんちく調べ

土間のメリット

一度あまり設けられることのなくなっていた土間ですが、近年暮らしの様式の多様化や新しい発想で、注目されるようになりました。土間のメリットはどのようなものがあるか、この項でご確認ください。

①夏場でも涼しい

土間の仕上げに使われるコンクリート打ち、モルタル、タイル張りなどは熱がこもらず、夏場はとても快適です。触っても熱くなく、自然な涼しさで光熱費も抑え気味にできます。

近年の夏の暑さは過酷で、エアコンだけで抑え込むのは難しいので、このような工夫がリビングでも活きてくるかもしれません。

風通しのある場所に土間を設けると、さらに効果的な暑さ対策になるでしょう。

②収納も可能

土の付いた道具や自転車、子どものおもちゃ、ベビーカーのほか、油の落ちる可能性のあるバイクや灯油タンクなど、気兼ねせずに置けるのもメリットでしょう。

このほか玄関収納は、外でしか着ないコートや上着のクローゼット、外出の際のかばんや鍵の置き場として利用すると生活動線がシンプルにできます。

次項のように汚れても掃除が簡単にできるのも、収納として優れている点です。

③掃除がしやすい

汚れても掃き掃除や雑巾がけ、汚れがひどい場合は水で洗い流すこともでき、乾きも早いです。スポーツや農作業、趣味などで汚れた靴や服の脱衣場所、ペットの散歩帰りの足ふき場所としても、価値を発揮してくれます。

暮らしの中で上記のような脱衣の習慣がある人には、便利に利用可能です。

④多目的に使用できる

広めの土間はバイクや自転車の修理、農作業や園芸の細かい仕込み作業、日曜大工などのDIYのほか、雨天の子どもの遊び場など、さまざまな用途が考えられます。

衣類を吊るせる仕掛けを作っておけば、急な雨の際の洗濯物の避難場所や、濡れた合羽や衣類の乾燥にも使用可能です。

また、いすやテーブル、薪ストーブを備えてセカンドリビングとして利用すると、あらたな生活習慣のきっかけになるかもしれません。土間であれば近所のお客様にも気軽に上がってもらえるでしょう。

「こう使う」と決めこまずに、複数の用途を設定できるのが土間の魅力です。

土間のデメリット

この項では土間で考えられるデメリットをご紹介します。土間のデメリットは、メリットの裏返しという要素が強いですが、間取りレイアウトの工夫などでうまく克服したいものです。

①冬は寒い

土間は土の上や基礎の上にじかに設置することと、熱伝導率の高い建材を使用することになるため、冬場は冷えざるを得ません。地面から上がってくる冷気をうまく遮断するか、ほかの居室との境目をしっかり断熱する、ストーブを置くなどが必要でしょう。

下記は土間の寒さに対する後悔と対策のアンケート調査結果です。

状況 対策
50代女性 春先まで寒い。足元が冷える。 分厚いスリッパを準備したり、部分的にラグを敷いたりする。
40代男性 玄関の広い土間が家に冷気を入れる。 土間との境目にアコーディオンカーテンを設けた。夏場は開放しておくと涼しくて良い。
50代女性 床が硬くて寒さが伝わる。物を落とすと壊れやすい。 スノコやじゅうたんで冷気が上がるのを和らげている。

②湿気がこもりやすい

土間に多い現象として、床面がガラス窓のように結露することがあります。屋内の湿気を集めて溜めてしまう状態です。また、夏場に濡れた状態になると、乾くまでの間、エアコンに頼ることになるでしょう。

換気扇や除湿器を利用するほかに、周辺の床や壁面に木材か珪藻土を使うと、調湿機能があるため湿気対策となります。

③住宅内に段差ができやすい

土間は構造上、床面との段差ができるため、小さい子どもや高齢の方の転倒や落下のリスクがあります。対策としては、以下が考えられます。

  • ● 段差を小さく設計する
  • ● 小階段やスロープを設ける
  • ● 高齢者や小さな子どもの動線を避けて土間を作る

バリアフリーを視野に入れた住まいづくりをお考えの場合は、土間との兼ね合いを設計士とよく相談しましょう。

④住居スペースを分断する場合がある

通り土間や土間キッチンなどで、繰り返し居室と行き来するような場合に、段差の上がり降りや履き物の面倒を感じることがあるかもしれません。

居住スペースを区分けして利用できることは、落ち着いた静かな居室づくりができる反面、フロア内のスペースを分断する可能性があります。

設計の段階で、家族の要望や想定される生活動線をよく検討したうえで、土間の配置を検討しましょう。居室間の行き来は、土間を通らず別のルートで可能にしておくのも良いです。

土間のある家を建築する際のポイント!

有効活用できて、後悔の少ない土間づくりは、どのように進めたら良いのでしょうか。設計段階で以下の点にこだわっておくことをおすすめします。

目的に応じて間取りを工夫しよう

土間を作りたい目的は何でしょうか?おもに以下のことが考えられ、目的は複数重なる可能性もあります。

  • ● セカンドリビング
  • ● サロン(交流スペース)
  • ● 玄関などの収納
  • ● キッチンの付加機能
  • ● 作業場所
  • ● 趣味のスペース

上記の目的で間取りに取り入れたうえで、生活動線は合理的か、妨げにならないかを検討します。

たとえば居室の室温調節が難しい、あるいは玄関土間を広げたもののスペースが中途半端で収納として機能しないなど、デメリットの想定も検討しましょう。

また、土間を商用スペースやお客様用にするか、プライベートな空間にするかで間取りの構成も変わってくるでしょう。

さらに、屋内で趣味の空間や作業場を確保したい場合は、土間のほかにビルトインガレージを検討する方法もあります。ビルトインガレージの場合は家の延べ床面積の5分の1まで、容積率から除外できるため、限られた土地の中でスペースの有効活用になります。

床材選びにもこだわろう

土間の床材は前述のようにコンクリート、モルタル、タイルが主流でしょう。

モルタルはセメント+砂、コンクリートはモルタルにさらに砂利を加えたものです。

比較的安価なコンクリートとモルタルに比べ、タイルはややコストがかかりますが、さまざまなタイルが選べるため、色やデザイン、質感に凝った土間に仕上げることができます。

しかし、土間の用途によってはタイルでも汚れの掃除が簡単なようにしておく必要があるでしょう。

関連記事:使いやすい玄関土間のポイントと 失敗しないためのコツ|住宅展示場のハウジングステージ

土間を取り入れた住宅例3選

この項では、実際に土間を取り入れた家の実例をご紹介します。間取りの一般的なセオリーに大胆に手を入れた土間の活用ぶりをご覧ください。

玄関・リビング・車庫に土間をフル活用

広い玄関土間の収納と、隣接したリビング側の土間、さらにビルトインガレージに趣味のスペースを設けるなど、まさに土間フル活用の家です。

薪ストーブと棚を配置したリビング側の土間は、普段は引き戸で玄関土間と隔て、必要に応じて開放して使うこともできます。玄関周辺にすべての収納を集中させているため、買い物からの帰宅動線は万全の体制といえるでしょう。

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

愛犬と過ごすリビング直結の玄関土間

玄関から土間に入ると、なんとリビングに直結している間取りです。これは愛犬と気兼ねなく一緒に居たいというリクエストによるものです。ベランダ側からの出入りで土間収納・洗面・ファミリークローゼットを行き来する動線は犬の散歩や、外遊びから帰った子どものために考えられています。

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

伝統の通り土間キッチンを現代に再現

土間キッチンを含む通り土間で、玄関土間とダイニングを結んだ間取りです。玄関と通り土間の間は季節による気温差にも対応できるようスライドドアの仕切りが用意されています。

釣りの成果や畑の作物を持ち込んで調理できるのは土間キッチンだけでなく、BBQコーナーを設けた土間テラスでも可能です。

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

土間を取り入れた住宅を検討中なら、モデルハウスを見学しませんか?

マイホームの間取り検討なら、「土間のある住居とはどんなものか」を体感するのをおすすめします。Webサイトの情報や口コミだけではつかみづらい点も、展示場で実物を見学することで、新しい生活の良さを知るための助けとなるでしょう。

東京・埼玉・群馬など首都圏を中心に、多数の住宅展示場を開催するハウジングステージでは、最新の機能や快適性、エコ性能を持つ一流ハウスメーカーのモデルハウスをご見学いただけます。

事前ご予約で、土間のある家の見学やご相談を承ります。

まとめ

土間とは何か、種類やメリット、デメリットを解説しました。土間のある家の暮らしを経験されている方は少ないでしょう。未経験へのトライになるかと思います。

土間の意味や効用は機能的な部分だけではなく、家とのかかわりについての新しい体験や、家族の新しいコミュニケーションの機会にあるともいえます。

たとえば、居室との段差に座って会話したり、屋外では日没で終わる作業を継続したりが可能になるのも、ちょっとした新しい体験ではないでしょうか。

新しい家には安らぎと同時に、少しの刺激を求めてみるのも良いかもしれません。

© Housing Stage All rights reserved.

この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。

この記事をシェアする

おすすめ記事 他の記事を見る

pagetop