2025.02.12
平屋の価格はいくら?相場や事例を紹介

ここ数年の人気で急速に増加した平屋建ての家づくりですが、まだ2024年の時点で22パーセントほどと、全体から見れば少ないといえます。
平屋を手がけない建築会社もあり、希望の家をつくるためにはどのくらいの予算や土地を準備したらいいか、つかみづらい場合もあるでしょう。
そこで本記事では、平屋の価格について、相場や事例をご紹介します。ご家族の希望に合った平屋づくりの参考にしてください。
INDEX
平屋の建築費用の目安

平屋住宅の建築費用は、コンパクトなローコスト建物、敷地を広く使ったぜいたくな建物の二分化が見られます。以下は平屋建ての建築費用の価格帯別分布を、2階建て以上の建物と比較したものです。
平屋建ての建築費用(土地代除く)・2階建て以上との比較

平均的な価格帯の2,500~3,000万円以外に、1,500万円未満と3,500~4,000万円台に多くの施工があることが分かります。
コンパクトでローコストな家は、2階建て以上に比べて平屋が非常に強いです。反面大きな平屋は広い土地を要するため、都市部では建築数が限られます。したがって平屋は2階建て以上に比べて、2,500万円以上の価格帯の施工数に限りがあります。
以下は平屋の予算別の大まかな間取りと広さ、用途などの目安をまとめたものです。
予算 | 間取り | 坪数 | 用途など |
---|---|---|---|
1,500万円 | 1LDK~2LDK | 15坪程度 | 老後か、将来の賃貸に。仕様もシンプルになる。予算的に事前に土地ありか、地方での土地代込みが対象。 |
2,000万円 | 2LDK~4LDK | 20~40坪程度 | 2~4人家族に。ローコストメーカーか工務店へ依頼。 |
2,500万円 | 2LDK~4LDK | 20~30坪程度 | 都市部で車が不要な3~4人家族に。土地ありなら大手ハウスメーカーでも建てられる。 |
3,000万円 | 3LDK~5LDK | 30坪程度~ | 3~5人家族に。土地ありなら庭や外構もやや充実できる。 |
4,000万円 | 3LDK~5LDK | 35~40坪程度 | 3~5人家族か、2世帯も可能。広い土地を要する。 |
建材や人件費高騰の関係で、予算感はやや流動的です。また、地方と都市部では土地の取得費が異なる関係で、土地ありか土地なしかによって、建物にかけられるコストは大きく変わります。
平屋の価格はどのように決まる?

平屋にかかるコストの配分は、2階建て以上の建物とはやや異なる部分があります。どのようにすれば、希望を叶えながら価格を抑えて建てられるのでしょうか。
平屋で価格が高くなるケース
まず一般的なコストの変動要素をご説明します。延床面積=建材費や工事規模のほか、以下の点によって左右される点は、2階建て以上の建物と共通です。
- ● 複雑な建物の形状
- ● 複雑な地形に対応
- ● 高級な建材や設備
- ● フルオーダーの設計
これらの要素の中でも、建物の形はシンプルな長方形、屋根も陸屋根か片流れなどの直線的な形状のほうが、建築費を低く抑えられます。これは、屋根や壁の面積を増やさないことで建材費が安くなるためです。
一方、土地の地形や隣地の状況に合わせて複雑な意匠の設計を行うと、設計の手間や建材費がかさむことになります。
「シンプルな外形の家は、少し味気ない」と考えるかもしれません。しかし風水上もシンプルな形の土地や建物が運気が高まるとされているため、そこに注目するのも良いでしょう。
また、注文住宅でもセミオーダーといって、一定の部分を規格に合わせるプランとすれば、フルオーダーよりも価格を抑えることができます。設備などの仕様も、家族の希望でこだわりたい箇所と、そうでない箇所のメリハリを付け、優先順位を設けましょう。
平屋で予算を抑えるコツ
平屋ならではの予算の配分ポイントは、いたずらに建坪=建築面積を増やさない工夫です。
また、背の低い平屋は周囲から見渡しやすいため、周囲の環境によっては、防犯やプライバシー保護のための対策をする必要があり、その点を意識した設計をすれば、外構などの予算を減らすことができます。
さらに、平屋はウッドデッキやパティオなど、戸外とのつながりを意識した設計をすることも多いです。当初は計画のみしておき、庭などは竣工後に徐々につくっていくようにすれば、安い初期費用で建てることが可能でしょう。
同じ延床面積の場合、平屋と2階建てどちらが高い?

平屋の特徴として、同じ延床面積でそのほかの条件もそろえた場合に、平屋のほうが2階建てよりも建築費が高い傾向になります。
平屋の場合は建物が平面で広く展開するため、2階建てに比べて屋根や基礎の面積が大きくなります。材料費のかかる屋根や基礎の部分が大きいことでコストが増すのです。
そのほか、同じ延床面積を得るために広い土地が必要になり、土地代も多くかかることになります。また、前述のように平屋は周囲の視線を避ける意味でも広めの土地が向いています。
たとえば都市部の市街化区域で建ぺい率50%※のエリアで30坪の家をつくりたい場合、法規上最低でも60坪の土地が必要となります。土地代の高い都市部では、平屋はより多くのコストを要することになるでしょう。
※建ぺい率:土地面積の中で、建物の最大面積が占める割合の規制のこと。
平屋を建てるメリット・デメリット

近年の平屋の人気は、不景気で災害が多く、高齢化が進んだ日本の社会の反映という要素も感じられます。この項では平屋のメリット・デメリットをご紹介します。
以下は、「平屋に住みたいと思いますか?」という質問の結果です。「とても思う」「まあ思う」を合わせて8割以上の人が、平屋に住みたいと考えているという結果になっています。

メリット
平屋のメリットで代表的なのは、以下の点です。
- ● 建物が地震に強い
- ● 維持管理が楽で安く済む
- ● 生活動線が合理的
- ● バリアフリー性能が高い
重心が低く安定している平屋の建物は、地震による揺れに強く、倒壊や建物の傷みが少なくて済むことが多いです。台風や竜巻などの大風の影響も受けにくいため、比較的安心して暮らせるといえるでしょう。
そして、2階のない平屋は修繕や清掃などの際も高い足場が不要で、メンテナンスのコストを安くできます。ただし、はしごを使う作業は日数がかかったり、飛散防止ネットを設けない分、塗装などは慎重な作業が必要であったりします。
また、勾配天井など地上高の高い建物、2メートルを超える場合足場を使う修繕業者もあるなど、平屋であれば足場不要というわけではありません。
生活するうえでの利点は何といっても動線の合理性でしょう。2階との行き来がなく、すべてがワンフロアで完結できるため、家事も効率よくできます。階段を使って、重い荷物などの移動をすることはありません。
さらにワンフロアの利点として、バリアフリー性能が求められた場合も、動線がよく見守りも目が届いて安心でしょう。
ほかにも、子どもに目が届きやすく、家族のコミュニケーションがとりやすいなどもメリットといえるのではないでしょうか。
デメリット
反面、平屋のデメリットとしては、おもに以下の点がいわれています。
- ● 広い敷地が必要になる
- ● 建築費用が割高になる可能性
- ● 日当たりや採光を確保する設計が必要
- ● 水害には弱い面がある
- ● 防犯やプライバシー保護に工夫が必要
前述のように建築の際、広めの敷地が必要なほか、防犯やプライバシーのために外構に目隠しを設けるなどを行ったほうが良い場合があります。平屋は1階の高さの壁面積が広く窓や入り口も多いため、侵入のリスク対策をおろそかにできません。
敷地が広くない場合、採光や通風にも設計上の工夫が求められることがあります。建物の中心部に光や風の届きにくい平屋では、家の中心部が暗く、空気がよどまないようにしたいものです。
また、地震や風には強い反面、洪水の際は床上浸水で多くの割合のスペースが被害を受ける、2階に避難できないなどの不利な点があります。立地選びの際は、ハザードマップに要注意です。
このほかに、屋根の処理によっては雨音が気になる、就寝スペースが表通りに近いと外の音が気になりやすいなどの点も、要注意でしょう。
平屋を建てる際に気を付けたいこと

平屋を建てる際の代表的な注意点は以下の4点です。
- ● 土地の確保
- ● プライバシー配慮
- ● 採光・通風の確保
- ● ハザードマップの確認
平屋の土地を確保する際は、希望の建築面積と建ぺい率から必要な面積を計算するだけでなく、暮らしの用途やプライバシーにも配慮した立地を考えましょう。接道面や隣接住戸からどのようにスペースをとるかも、大切なポイントとなります。
日当たりや風通しは、トップライト(天窓)やパティオ(中庭)の採用も含めて検討しましょう。空調効率や開放感、衛生を意識した間取りプランづくりを検討しましょう。
また、土地選びの際は水害の可能性に備えてハザードマップでリスクの度合いの確認や、過去の災害でどの程度の被害が出たかも調べることをおすすめします。
家を買うなら、モデルハウスを見学しませんか?

平屋と2階建ての違いなど、家の構造の特色は、Webサイトの情報や口コミだけではつかみづらい点も多いです。展示場で実物を見学することで、新しい生活の良さを知るための助けとなるでしょう。
東京・埼玉・群馬など首都圏を中心に、多数の住宅展示場を開催するハウジングステージでは、最新の機能や構造を持つ一流ハウスメーカーのモデルハウスをご見学可能です。
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まとめ

平屋の価格について、相場や事例をご紹介しました。平屋は設計の工夫でローコスト建築にも対応し、2階建てでは得られないさまざまなメリットも享受できます。
長くそこに住むことを意識した場合、地震や台風などに強く、バリアフリーや2世帯にも向く平屋は良い選択となりそうです。子ども世帯と同じ敷地内に老後の夫婦用の新居をつくるのも、良いのではないでしょうか。
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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。