2019.12.06
建築会社で土地取得の相談、6割近くに
リクルート住まいカンパニーでは、毎年注文住宅を建てた人たちの実態調査を行っています。その最新版の『2019年注文住宅動向・トレンド調査』の結果が公表されました。建築にかかった費用から各種のシステム設置状況まで、マイホーム建築の先輩たちがどんなふうに家を建てたのか、参考になるデータが多いので、その概要を紹介します。
INDEX
首都圏の建築予算の平均は3034万円に
まず、家づくりにいくらの予算をかけているのかみると、図表1にあるように、全国平均では2902万円で、首都圏はそれより少し高くて3034万円という結果でした。
500万円ごとの価格帯別にみると、首都圏で最も多かったのは「2000万円~2500万円未満」の22.3%で、次いで「3000万円~3500万円未満」が14.7%、「2500万円~3000万円未満」が13.1%となっています。2000万円から3500万円までの人の合計が50.1%とほぼ半数に達しています。
ただ、なかには「1500万円未満」が10.7%、「5000万円以上」が10.5%と、低価格帯の予算の人、高価格帯の予算の人もいて、多様化が進んでいるようです。
図表1 家づくりの建築費用 (単位:万円)
3人に2人は土地の取得から始めている
実際に注文住宅を建てた人たちが、土地の取得をどうしているのかをみると、図表2のような結果でした。
首都圏では、「新しく土地を取得して注文住宅を建てた」という人が51.8%、「『建築条件付き』土地を取得して注文住宅を建てた」というが人が14.4%でした。合計66.2%、ほぼ3人のうち2人が、注文住宅を建てるために土地を取得していることになります。
それに対して、以前から所有していたり、親族が所有している土地に注文住宅を建てた人が合計13.6%で、自分が住んでいた家や親族が住んでいた住宅を建て替えた人が19.3%という結果でした。
建替えか新規建築かの別でみれば、建替えがほぼ2割で、残りの8割が新規の建築ということになります。
図表2 新規建築と建替えの割合
土地情報は建築会社から得ている人がトップに
では、新たに土地を取得してから注文住宅を建てた人たちは、どこから土地情報を収集したのでしょうか。
首都圏で最も多かったのは、「建築会社に相談した」の57.7%で、次いで「不動産会社に相談した」が40.3%、「ポータルサイトを見た」の30.0%などが続いています。
注文住宅を建ててもらう建築会社に相談すれば、お客の事情に合わせて土地・建物の予算をトータルに把握、それに見合った土地を見つけてくれます。土地探しを先行すると、土地にお金かけて、建物にかけられる予算が限られてしまうといった問題に陥る人が少なくないようですが、建築会社に土地探しから依頼すれば、それを防ぐことができます。また、その建築会社の建物にふさわしい土地を探してくれるというメリットもあるのではないでしょうか。
ほとんどの建築会社が不動産部門を持っているので、土地探しから相談してみるのがいいのかもしれません。
図表3.土地取得時の情報収集先(複数回答) (単位:%)
災害対策のトップは地震に強い地盤と強い構造
最近は毎年のように台風や豪雨の被害が出ていますし、大地震への不安もあります。そのため、実際に注文住宅を建てた人たちのうち、23.8%が防災に関して「かなり意識していた」とし、「意識していた」という人も46.2%に達しています。ちょうど7割の人たちが、防災を意識しながら注文住宅を建てていることになります。
では、具体的にどのような対策をとったかといえば、図表4にあるように、「地震に強い地盤」が70.8%のトップ、「地震に強い構造」が62.5%で続き、地震への備えが最大の関心事のようです。
それに、「水害がおきづらい土地」が35.4%で続いています。この調査が実施されたのは、19年7月から8月にかけてです。その後、9月、10月と台風や豪雨被害が相次ぎましたから、今後の調査では水害対策を重視する傾向が強まるかもしれません。
図表4 防災に関する対策 (単位:%)
著者
山下和之(やました・かずゆき)
・山下和之の良い家選び ・Business journal ・現代ビジネス ・ARUHIマガジン
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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。