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家づくりの雑学

2023.05.25

二世帯住宅のデメリットとは?メリットや後悔しないポイントも解説!

最終更新日:2024/08/13

住宅の購入を検討するなかで、二世帯住宅にするべきかどうか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。二世帯住宅は親世帯と一緒に生活できるため、子育ての負担軽減や安心感につながりますが、プライバシーなどでトラブルも発生しがちです。

そこで本記事では二世帯住宅のメリットや種類、後悔しないポイントを解説します。本記事を読んでいただければ、二世帯住宅で気をつけるべきポイントが分かり、どのような住宅を建てるべきか判断できるでしょう。

INDEX

二世帯住宅とは?

二世帯住宅とは、親世帯と子世帯が一緒に暮らす住宅のことです。同じ空間を利用する同居タイプや、玄関を2つ作り各世帯が独立して生活するタイプなど、複数の種類があります。

二世帯住宅では親世帯と子世帯が一緒に生活するため、互いに支え合えるメリットがあります。親が高齢だとしても子世帯が近くにいるため、互いに安心感があるでしょう。また、子世帯に小さな子ども(孫)がいる場合は親世帯にも面倒を見てもらうなど、子育ての負担を軽減できます。

しかし、互いのプライバシーへの配慮や費用負担など、事前に話し合っておくべきことも数多く存在します。また、義父母と生活することになる配偶者への配慮も大切です。

二世帯住宅の形式は3種類

二世帯住宅には、大まかに分けて3つの種類があります。

  • ● すべての設備や空間を二世帯で共有する完全同居型
  • ● 玄関や浴室のみ共有し、リビングやキッチンは分ける部分共有型
  • ● 完全に別の世帯として生活する完全分離型

本章では各種類の特徴を紹介します。

完全同居型

完全同居型とは、浴室やキッチン、リビングなど、すべての設備・空間を二世帯で共有する住宅です。

近年では核家族が主流となったため二世帯住宅として捉えられていますが、親子孫の3世代が生活する大家族向けの住宅ともいえるでしょう。

部分共有型

部分共有型とは、玄関や浴室など一部の空間を共有し、生活の拠点となるリビングやキッチンを分けるタイプの二世帯住宅です。

互いのプライバシーを確保しながら生活できるため、完全同居型よりも快適に生活できるでしょう。また、完全分離型ほどの面積は必要ない点も特徴です。

土地の面積が限られている場合は、共有部分を増やすことで間取りを柔軟に調整できます。

完全分離型

完全分離型とは、設備や空間を共有せずに別の世帯として生活するタイプの二世帯住宅です。

玄関が2つある二世帯住宅は完全分離型に該当します。また、完全分離型のなかでも、空間を左右に分ける縦割りと、空間を上下に分ける横割りがあります。

完全分離型のおすすめ間取り

一般的に敷地面積が十分に確保できる場合は縦割りで、面積の確保が難しい場合は横割りにするケースが多いです。

関連記事:
二世帯住宅の完全分離型で後悔しないには?費用や税金の優遇についても解説!|住宅展示場のハウジングステージ

3種類の割合は以下の通り半数が部分共有型です。

2022年 MayLight 調べ

二世帯住宅のデメリット

生活時間のズレが生むストレス

一つ屋根の下で暮らしていても、年齢や日中の過ごし方が異なれば、生活時間には違いが生じます。また、どちらかに合わせることも困難な場合がほとんどでしょう。家族の人数が多いほど、問題は複雑になります。

親世帯と子世帯は、娘か息子が必ず義理の関係となるので、「それぞれ別の世帯」と割り切って暮らすわけにはいかない事情もあるでしょう。

しかし親世帯の朝の早さと、子世帯の夜の遅さにそれぞれが付き合っていると、心身が持たなくなります。

食事や団らんなど、共に過ごす時間、入浴など設備を使いまわす時間、どちらかが熟睡している時間など、それぞれに必要な関わり方は異なるのが基本です。

話し合いでうまく合わせる部分と、干渉しない部分を設けるなどの工夫が必要になるでしょう。

共用スペースの使用がかち合う

キッチンや浴室、洗濯機や洗面、トイレなどを両方の世帯が共用で使用する場合は、注意が必要となります。食事や洗濯が別々の場合、キッチンや洗濯機の使用時間帯は取り決めをする以外にないでしょう。

当番制で交代に行うのであれば、まだ気遣いは少ないですが、すべてを一緒にやるという場合は、少なくとも当初はお互いストレスを抱えながら、良い方法を模索することになります。

トイレや入浴の問題は、時間とともに使い分けが進み、比較的おだやかになっていくでしょう。家事の分担は、お互いの思いやりがもっとも必要となります。同居開始後の早い段階では、言いたいことを伝え合う場が必要かもしれません。

家計の分担でわだかまりができる

二世帯住宅の場合、水道光熱費を2つの世帯でどのように負担するかというのも、家庭によって変わってきます。たとえば、メーターを別に付けて各世帯で負担するのであれば、それぞれが使った分を完全に分けて支払うことになるため、特に問題はありません。

しかし、その場合は基本料金などを1軒分としてコストを下げるという二世帯住宅ならではメリットを活かせなくなります。

一方で、基本料金も含めて全額を折半する場合、世帯ごとの負担をどうするかについての配慮が必要でしょう。

どちらかの世帯のほうがお風呂の使用頻度が高かったり、電気をつけっぱなしで長く使用していたりするのにもかかわらず、光熱費が半分ずつだった場合、不公平に感じることになります。

親世代のほうがどちらかといえば無駄使いを嫌う傾向にあるので、子世帯の使用状況を不満に感じるケースが多いかもしれません。

お金のことは親族間でこそ言い出しにくい部分があるため、単純に折半にしていると、親世帯と子世帯の間にあつれきが生じるきっかけとなるでしょう。

相続でトラブルになる

二世帯住宅を親名義、あるいは親子の共有名義とした場合、親が亡くなって相続が発生した際に、同居してない兄弟姉妹に、家を相続する権利が発生することがあります。

極端な例で、親の財産が二世帯住宅のみであった場合は、家を売って相続の遺産分割に充てるよう迫られることが、ないとはいえません。

また、親が亡くなって空いた部分を賃貸していると、「いいな兄貴だけ家賃入ってきて」となることもあります。

相続の基本となる考え方は「公平さ」です。将来に備えて、同居している相続人が家をそのまま継承できるようにするか、同居以外の相続人に家の対価を払う代償分割を準備しておくことがおすすめです。

二世帯住宅のメリット

子育てや家事、介護などの助け合い

子世帯が子育て世代である場合は、親に子育てを助けてもらえる点は、大きなメリットとなります。

普段から子どもの世話を依頼していた関係でも、預けるときの移動が減ることで負担の度合いが違います。また、距離がないことで子育てだけでなく、家事や今後の介護などすべての面で、お互いの生活を助け合いやすくなるでしょう。

さらに、親の高齢化を近くで見守れるため、バリアフリーへの早い対応ができ介護などの負担が軽減し、兄弟間にも情報共有がしやすくなります。

二世帯住宅の日常の助け合いは、両方の世帯の暮らしの安心感にもつながるほか、祖父母と孫との交流は、お互いの精神面に良い影響があるでしょう。

建築のコストカットや予算アップが可能に

二世帯住宅を作った場合、完全分離型であっても、建築のコストが2軒分かかるわけではありません。家の中での共用スペースの割合でも変わりますが、やはり共用部分が多ければ、建物にかける費用を圧縮することが可能になります。

いうまでもなく完全同居タイプのように、お風呂やキッチンなどを一つにしてしまうことができれば、それだけコストカットにつながります。また、完全分離型でも世帯を一つにすることで、将来空いた部分を賃貸に出して、ローンの残債支払いや生活費に充てることもできるでしょう。

二世帯住宅の場合は広さが必要な分、増えた予算を親世帯と子世帯のそれぞれでローンを組むなど、資金計画の選択肢が増え余裕が大きくなります。

また、二世帯住宅の場合は親が持っていた土地に建てるというケースも多いです。その場合、総予算が建物を建築するコストのみで済んだり、税法上も住宅取得資金等の贈与 など、親の金銭的援助を受ける際に有利だったりということもあるでしょう。

水道光熱費などを抑えることも可能

水道光熱費は、話し合いのうえで1軒分の支払いとすれば、基本料金が1世帯分となります。また、使用分の金額も下がる傾向となります。

以下は世帯別の光熱費の平均ですが、たとえば電気代を2人世帯と4人世帯で比較すると、1.23倍程度で、2倍にはなりません。二世帯住宅の場合タイプの違いで差は出るでしょうが、基本的にはこのような傾向となります。

世帯人数別・水道光熱費の平均

光熱・水道 電気代 ガス代 他の光熱 上下水道料
1人世帯 1万1,686円 5,791円 3,021円 702円 2,172円
2人世帯 1万9,459円 9,515円 4,354円 1,334円 4,255円
3人世帯 2万2,614円 1万932円 4,960円 1,195円 5,528円
4人世帯 2万4,121円 1万1,788円 5,202円 833円 6,298円
5人世帯 2万5,134円 1万2,471円 4,836円 1,089円 6,737円
6人世帯~ 3万1,296円 3万1,296円 5,073円 1,383円 8,836円

総務省「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)」

通信費やエンターティメント動画のサブスクリプションなども、家族プランを利用すれば、人数分よりも支払金額を減らせるでしょう。

別居よりも相続税を抑えられる可能性

330㎡までの相続する土地にかかる相続税は、「小規模宅地の特例 」という制度の対象となった場合、課税価格を最大80%まで減額できる場合があります。親世帯と別居している相続人でも、適用できないわけではないですが、条件が厳しくなります。

小規模宅地の特例は被相続人が住んでいた自宅を相続してそこに住む人の相続税負担を軽減する制度です。たとえば5,000万円の家の評価額が1,000万円まで圧縮できるため、節税効果は非常に大きいことになります。

二世帯住宅は、完全分離タイプの二世帯住宅であっても、一定の条件を満たしている場合は小規模宅地の特例の対象です。ただし、区分登記 をしてしまうと、この特例が使えなくなることがあります。

区分登記とは、二世帯住宅を2軒分の家として登記する方法で、固定資産税を3年間半額にしたり、不動産取得税の評価額から1,200万円控除したりする効果があります。相続時のことも視野に入れ、どちらが得か、登記の方法を検討しましょう。

【 タイプ別 二世帯住宅のメリット・デメリット

二世帯住宅の種類が分かったところで、本章では各種類のメリット・デメリットを解説します。

それぞれのメリット・デメリットを把握して、家族に適した二世帯住宅を考えましょう。

以下は、タイプ別のメリット・デメリットをまとめたものです。

それぞれについて詳しく解説します。

完全同居型タイプのメリット・デメリット

完全同居型のメリット・デメリットは以下の通りです。

  • ● メリット:費用を安くおさえられる
  • ● デメリット:プライバシーが確保できない

メリット:費用を安くおさえられる

完全同居型は部分共有型や完全分離型とくらべ、費用をおさえられます。

部分共有型や完全分離型の場合、同じ建物のなかにトイレやキッチンなどの設備を複数設置しなければならないことに加え、広い敷地が必要になるためです。

完全同居型であれば土地の購入費用や設備費用をおさえられるため、土地の価格が高い都心部などで二世帯住宅を検討している方におすすめです。

また、親の健康状態をしっかり見守ることができたり、孫の世話を頼んだりできる点もメリットでしょう。

デメリット:プライバシーが確保できない

完全同居型の二世帯住宅は、親世帯と子世帯で同じ空間にいる時間が長く、プライバシーの確保が難しい点がデメリットです。

親世帯と子世帯で食事やお風呂など生活の時間帯を合わせなければならないこと(点)もあり、完全に自由な生活を送るのは難しいでしょう。

また、完全同居型にする場合、義父母と生活することになる配偶者の理解も重要です。

部分共有型のメリット・デメリット

部分共有型のメリット・デメリットは以下の通りです。

  • ● メリット:程よい距離感で生活できる
  • ● デメリット:費用負担でもめる可能性がある

それぞれについて解説します。

メリット:程よい距離感で生活できる

部分共有型の二世帯住宅は、親世帯と子世帯でリビングやキッチンが分かれているため、程よい距離感で生活できます。互いに干渉し過ぎずに生活することで、プライバシーも確保できるでしょう。

設備を増やす必要があるため、建築コストは増えてしまいますが、適切な距離感を保ちながら生活したい世帯におすすめです。

デメリット:費用負担でもめる可能性がある

部分共有型の二世帯住宅は一つの世帯として水道光熱費の支払いをするケースが多く、世帯ごとの費用負担が不明瞭です。

毎月の使用量ごとに費用を分けるのは困難であるため、トラブルを避けるためにも事前にどのように費用を負担するか話し合っておく必要があります。

以下は、食費・光熱費負担方法のデータです。

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完全分離型のメリット・デメリット

完全分離型のメリット・デメリットは以下の通りです。

  • ● メリット:プライバシーの確保と賃貸としての活用
  • ● デメリット:費用が高くなる

それぞれについて解説します。

メリット:プライバシーの確保と賃貸としての活用

完全分離型の二世帯住宅は、親世帯と子世帯で生活空間が完全に分かれているため、プライバシーを確保できます。

完全同居型や部分共有型のように互いに気を遣わずに済むため、ストレスなく生活できるでしょう。

また、将来的な使い道も豊富です。完全同居型や部分共有型は親世帯が亡くなった後の用途に困るケースも多いですが、完全分離型であれば賃貸として活用できます。賃貸物件として収益を得ることで、生活にゆとりができるでしょう。

デメリット:費用が高くなる

完全分離型の二世帯住宅は、完全同居型や部分共有型よりも費用が高くなります。

二世帯が不便なく生活できる面積を確保しなければならないことで居住面積が減る点 に加え、設備費用が通常の住宅の2倍かかるためです。

都心などの土地価格が高いエリアでは、空間を上下に分ける横割り型にすることで必要な土地面積をおさえられます。予算に応じてどのようなタイプの二世帯住宅が望ましいのかを考えてみましょう。

二世帯住宅で後悔しないポイント

二世帯住宅を建てた後に後悔しないためにも、以下のポイントをおさえておきましょう。

  • ● 二世帯住宅に精通したハウスメーカーを選ぶ
  • ● 将来を見越して考える
  • ● 費用負担のルールを決める

それぞれについて解説します。

二世帯住宅に精通したハウスメーカーを選ぶ

最適な二世帯住宅のタイプや間取りは家族によって異なります。そのため、理想の二世帯住宅を建てるには、二世帯住宅に精通したハウスメーカーに相談して適切なアドバイスを受ける必要があります。

二世帯住宅の建築で難しいのは、親世帯と子世帯の要望を擦り合わせることです。互いに譲れないポイントがある場合、親世帯と子世帯だけの話し合いでは解決しないこともあるでしょう。二世帯住宅の実績が豊富なハウスメーカーの担当者を交えて相談することで、具体的な解決策を提示してもらえます。

効率的に進めるためにも早い段階でハウスメーカーの担当者と打ち合わせを行い、方向性を明確にしましょう。

将来を見越して考える

二世帯住宅を建てる際は、将来を見越して考える必要があります。具体的には以下のような項目です。

  • ● バリアフリー設計
  • ● 水まわりの設置場所
  • ● 親世帯が亡くなった後の使い道

たとえば、完全同居型や部分共有型の二世帯住宅であれば、親世帯がメインで使用するフロアに水まわりを設置したほうが便利でしょう。将来のことを踏まえて親世帯がなるべく階段で移動せず済むように間取りを考える必要があります。

また、二世帯住宅では親世帯が亡くなった後の使い道に困るケースが多いです。完全分離型であれば賃貸として活用できますが、それ以外の場合はどのようにするべきかをハウスメーカーの担当者を交えて話し合っておきましょう。

費用負担のルールを決める

完全同居型や部分共有型の場合、一世帯として水道光熱費を支払うのが一般的であるため、世帯ごとの費用負担が不明瞭です。

毎月定額で支払う、面積に応じて按分するなど、費用負担でもめずに済むように事前にルールを決めておきましょう。

二世帯住宅の経験者が語るリアルな声

二世帯住宅は核家族の暮らしと比較すると精神面、金銭面、生活面などさまざまな変化が生まれます。

未経験の方に対するアンケート結果では、以下のように8割の方が「二世帯住宅に住みたくない」と回答しています。

atHome 調べ

以下は二世帯住宅経験者の生の声です。

二世帯住宅で良かったこと 子世代の声 ・そばに住んでいれば高齢の体調変化などにもすぐ対応できて安心だった。
・私たち夫婦は共働きで、放課後などは面倒を見てもらえて助かった。
・家を作るときの親の金銭的援助で、二世帯にした分のコストは大体カバーできた。
・荷物の受け取りや留守番が助かるときがある。
・お互いつかず離れずの距離感がつかめれば、そこまで気を遣わずに済むようになった。
親世代の声 ・夫婦だけの時にくらべてにぎやかで、寂しくない。
・病院の送り迎えや、不調の時のサポートが助かっている。
・常に家に誰かいると安心できる。
・共有できるものが多くなり、住居コストが下がった。
・遠方まで行き来する交通費がなくなった。
・多少親子げんかしても、孫など大勢いると楽しくて、いさかいやわだかまりが長続きしない。
二世帯住宅で良くなかったこと 子世代の声 ・毎月の光熱費などをどのように分けるか、気を遣う。
・子どもの教育法で親と方針がぶつかる。
・親の扱いについて、夫婦でもめる。
・嫁姑の対立で、板挟みで気を遣う。
・親戚の訪問が増えて大変。
・親が亡くなって使わなくなった。子ども用にも賃貸にも使えず、空間の無駄になっている。
親世代の声 ・食の好みが孫優先で、合わない。
・掃除ほかの家事の方法で不満がある。
・うるさすぎて煩わしかった。
・食事や風呂の時間や順番に気を遣う。
・相手の性格のいやな面が見える。
・生活時間が合わない。夜中の足音がうるさい。

二世帯住宅に関する補助金の種類

二世帯住宅は、一見二世帯住宅用とうたっていないものも含めて、適用できる補助金があります。適用できる補助金をご紹介します。

関連記事:
二世帯住宅の費用相場とは?二世帯住宅の減税制度も解説!|住宅展示場のハウジングステージ

補助金①:地域型住宅グリーン化事業

二世帯住宅に適用できる地域型住宅グリーン化事業は、木造住宅の生産体制の強化や環境負荷の低減を目的とした補助金です。

以下のような木造住宅・建築物が補助の対象となり、それぞれの補助金の額も異なっています。

補助対象 補助金
長寿命型(長期優良住宅)の新築木造住宅 1戸につき最大110万円
高度省エネ型(認定低炭素住宅および性能向上計画認定住宅)の新築木造住宅 1戸につき最大110万円
高度省エネ型(ゼロ・エネルギー住宅)の新築木造住宅 1戸につき最大140万円
省エネ改修型(省エネ基準を満たす住宅)の木造住宅の改修 1戸につき最大50万円

ただしこの制度は、地域の中小工務店などが対象の制度のため、大手ハウスメーカーや国に認定を受けていない(申請していない)地域の工務店は対象となりません。

三世帯同居対応住宅などの一定の条件を満たすと上限30万円が加算されますが、完全分離型タイプの場合対象外となります。

2023年度の申請は継続していますが、次年度以降の実施の詳細は、都度最新情報を確認してください。

補助金②:長期優良住宅化リフォーム推進事業

長期優良住宅化リフォーム推進事業は既存の住宅を対象とし、性能向上などのために優良なリフォームを支援する制度です。

おもに住宅の性能を高めるリフォームを対象とし、以下の作成や提出が必要です。

  • ● 工事前のインスペクション
  • ● 住宅性能を有する工事の実施
  • ● フォーム工事の履歴と維持保全計画の作成

補助金は最大250万円で、三世代同居対応改修工事を実施する場合は1戸につき上限50万円が加算されます。

申請が可能な期間は申請状況などに応じて流動的なので、計画的に申請を進めましょう。

補助金③:地域ごとの住宅補助

住まいづくりをする場所の自治体が、独自に補助金を設定している場合があります。

千葉県では三世帯同居や近居、親世帯の同居に要する建築、購入、賃貸費用を数十万~数百万円単位で助成する自治体があります。

自治体によって実施の有無や助成対象、申請の流れはそれぞれですので、対象自治体の最新情報を確認しましょう。

二世帯住宅に関する税金と注意点

二世帯住宅の場合、相続時の税金や固定資産税をおさえることができます。その仕組みについてご説明します。

相続税

「小規模宅地等の特例」を利用した場合、相続する際の土地の評価額が80%減額されます。相続税の課税対象となる金額が下がることで、相続税をおさえることになります。

この制度では、以下の土地が対象となります。

  • ● 被相続人の住んでいた住宅の土地:最大330㎡まで
  • ● 被相続人が事業のために利用していた宅地:最大400㎡まで
  • ● 被相続人が駐車場や不動産貸付業として利用していた宅地:最大200㎡

簡潔に表現すると、ただ被相続人=親の所有の土地を相続するより、親が住んでいた土地のほうが節税できるという意味です。

二世帯住宅を建てた土地が親の名義であれば、この対象となるということです。

二世帯住宅で小規模宅地等の特例を利用するためには、次の条件を満たす必要があります。

  • ● 相続前から被相続人と同居している
  • ● その建物に住み、相続開始時から相続税の申告期限までの間その土地を保有している

被相続人の配偶者がその宅地を相続する場合は、これらの条件は不要となります。被相続人の配偶者以外の場合は、相続前から同居していたことが条件となります。

相続開始前だけでなく、相続後も10ヵ月以上(相続税の申告期限)その建物に居住していないと対象にはなりません。

完全分離型の二世帯住宅でも、1棟の二世帯住宅は特例の対象となります。

ただし区分所有の登記がされている場合は親の居住していた部分のみが対象となりますので、登記のしかたにも注意が必要です。

固定資産税

前述の相続税とは逆に、区分登記をして2棟扱いの二世帯住宅や完全分離型の住宅は、以下のように固定資産税が安くなります。

建物の固定資産税

軽減幅 軽減期間
通常1戸当たり 床面積120㎡まで:固定資産税は2分の1 「固定資産税評価額×1.4%×1/2」3年間

3階以上の耐火・準耐火建築物の場合は5年間

2戸の住宅として「区分登記」されている二世帯住宅 床面積240㎡まで:固定資産税は2分の1 「固定資産税評価額×1.4%×1/2×2」3年間

3階以上の耐火・準耐火建築物の場合は5年間

土地の固定資産税

軽減幅 軽減期間
通常1戸当たり 200㎡以下の部分:小規模宅地の特例として、固定資産税は6分の1

200㎡を超える部分:一般住宅用地の特例として、固定資産税は3分の1

200㎡以下の部分:「固定資産税評価額×1/6×1.4%」3年間

200㎡を超える部分:「固定資産税評価額×1/3×1.4%」3年間

2戸の住宅として「区分登記」されている二世帯住宅 400㎡で:小規模宅地の特例として、固定資産税は6分の1

400㎡を超える部分:一般住宅用地の特例として、固定資産税は3分の1

400㎡まで:「固定資産税評価額×1.4%×1/6×2」3年間

400㎡を超える部分:「固定資産税評価額×1.4%×1/6×2」3年間

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まとめ

本記事では二世帯住宅のメリットや種類、後悔しないポイントを解説しました。

二世帯住宅は完全同居型と部分共有型、完全分離型の3つのタイプに分けられます。それぞれメリット・デメリットがあるため、親世帯と子世帯で理想の生活イメージを共有し、どのような間取りが同居の成功に最適かを考えましょう。

具体的に検討する際は、二世帯住宅の実績が豊富なハウスメーカーの担当者に相談しアドバイスを受けるのがおすすめです。

執筆・情報提供

岡﨑渉(おかざきわたる)

国立大学卒業後新卒で大手不動産仲介会社に入社。約3年間勤務した後に独立。現在はWebライターとして活動中。不動産営業時代は、実需・投資用の幅広い物件を扱っていた経験から、Webライターとして主に不動産・投資系の記事を扱う。さまざまなメディアにて多数の執筆実績あり。宅地建物取引士・FP3級の資格を保有。

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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。

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