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家づくりの雑学

2022.05.20

階段の間取りの失敗事例 暮らしと家族をつなぐ階段の作り方

階段は上下階をつなぐ存在であるだけでなく、暮らしを便利にしたり、家族の絆を深めたり、さまざまな役割があります。今回は、階段の間取りでありがちな失敗事例やリビング階段のデメリット、快適で暮らしやすい階段のプランについてご紹介します。

INDEX

人気のリビング階段のデメリットとは? 階段の間取りでの失敗事例

リビング階段

階段は平面と平面をつなぐ大切なパイプです。どこに作るかによって、日々の暮らしの便利さはもちろん、お互いに顔を合わせる頻度が変わるので、家族関係に影響が出ることも。

最近、人気なのは、家族とコミュニケーションがとりやすいリビング階段の間取りです。子ども部屋が2階にあって、廊下に階段がある場合、玄関から誰にも会わずに部屋に入れるため、子どもがいつ帰宅したのか分からなくなるなんてことも。その点、リビングに階段があれば、家族と顔を合わせやすくなり、子どもの様子もよく分かります。

でも、リビング階段にはデメリットもあり、経験者からの後悔の声も。階段プランにはそれぞれメリットとデメリットがありますので、しっかり把握して計画を立てましょう。

それでは、ありがちな階段の失敗例をいくつかご紹介します。

  1. ● リビング階段にしたら、冷暖房が効きにくく、光熱費がかさむ
  2. ● リビング階段にしたら、テレビの音が上階に筒抜けでうるさい
  3. ● リビング階段を伝わって、肉や魚を焼いた臭いが上階に広がる
  4. ● 玄関に階段を作ったら、子どもたちの出入りが把握できなくなった
  5. ● 階段に窓がなく、全体的に薄暗い
  6. ● 踊り場のない直線階段にしたが、足を踏み外しそうになるので怖い
  7. ● 部屋を広くとるために階段面積を節約したら、急こう配の階段となり、将来が不安
  8. ● らせん階段にしたら、慣れるまでに時間がかかった
  9. ● オープンな階段にしたらベビーゲートが取り付けできない
  10. ● 手摺のすき間が大きく、子どもの落下の危険がある
  11. ● 階段下にトイレを作ったら、思った以上に狭い
  12. ● 階段下の収納が使いにくい
  13. ● 階段の上に収納を作ったが、頭をぶつけそうで怖い
  14. ● 階段の踊り場にワークスペースを作ったが、空調が効かない

暮らし方によって適切な階段の位置は異なります。それでは階段の上手なプラン方法と、便利で快適な階段の間取り例をご紹介しましょう。

音や臭い対策をしながら階段下も上手に活用し、家族の顔が見える階段に

リビング階段のメリットは、上下階を行き来する際に家族と顔を合わせる機会が増えることにあり、またリビングの明るさをそのまま階段に取り入れやすいところにあります。一方、廊下階段のメリットは、部屋の冷暖房効率が上がり、また臭いや音の問題が起きにくいところにあります。

そこで、両方のよいとこどりの階段の間取りを考えてみましょう。

冷暖房効率がよく、お互いの気配を感じやすい階段の間取り例。階段下も徹底活用しましょう

上記は玄関から入った廊下に大きな吹き抜け階段がある間取り例です。階段は家の見せ場のひとつです。吹き抜けにしてデザインにこだわれば、家全体のグレード感がぐんとアップします。このようなプランであれば、階段が吹き抜けになっていても居室の冷暖房効率が下がることはありません。

なお、その際には、階段とリビングの間仕切り壁に、ガラスや間仕切り窓をはめこめば、帰宅した子どもたちの気配をキッチンやリビングからいつでも感じることができます。また、リビングの明るさを取り込んで、明るい廊下や階段に。

ただし、もしもの落下のときにもけがをしないよう、破片が飛び散らない合わせガラスなど、安全性を考慮して選びましょう。

玄関に吹き抜け階段を作ると、住まい全体のグレード感が格段にアップ! 間取りの工夫で、子ども部屋の孤立化も防げます

階段下にトイレを作る場合は、実際の広さをよく確認しましょう。図面上では上手く納まっているように見えても、できあがると圧迫感があり、想像以上に狭いという声は少なくありません。結局、後から移動したケースも少なからずありますので、注意が必要です。

階段下の空間は収納や洗濯機置場、小さな書斎スペースにもなります。階段下は意外に奥行きが深く、そのまま物入れにすると使いにくいため、キャスターなどを活用して使いやすい工夫をするといいでしょう。

階段のプランによって、毎日の暮らしの便利さが変わるのはもちろん、家族の絆が深まったり、住まいのグレード感を格上げしたり、空間を明るくしてくれたり。階段がよい家は暮らしやすい家になりますので、じっくり検討してみてくださいね。

住宅展示場では、さまざまな階段のプランを見ることができます。実際に上り下りすることで、新たな発見もきっとあるはず。理想の階段の間取りを見つけに、ぜひ住宅展示場に出かけてみてください。

 

執筆・情報提供

尾間 紫(住宅・リフォームコンサルタント/一級建築士/インテリアプランナー/インテリアコーディネーター)

一級建築士事務所 OfficeYuu 代表。
生活情報サイトAll Aboutリフォームのオフィシャルガイドとして業者選びからプランの立て方など実践的ノウハウを発信。テレビや雑誌、新聞掲載、講演などで活躍している。

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