2021.01.14
こんなにあるトイレの間取りの失敗例! 位置や広さ、視線にも要注意
家づくりの失敗の中でも意外に多いのが、トイレの間取りに関すること。位置や面積はもちろん、音や臭い問題、ドアの開き方によっても使いにくくなってしまうことがあります。今回は、トイレの間取りでの失敗例と、快適なトイレプランをご紹介しましょう。
INDEX
階段下、洗面所を通る、遠い、音問題など、意外と多いトイレの失敗
トイレはさまざまなシチュエーションで、時を選ばずに使われる場所です。帰宅時に慌てて飛び込んだり、夜中にねぼけまなこで行ったり。体調が悪いときは1日に何度も通うこともあるでしょう。
トイレにいると落ちつくという人もいます。中にスマホを持ち込んでのんびりしたり、読書をしたり。また来客時には、お客様が使う可能性があります。
このようにトイレを使う状況はバラエティに富んでいるので、どのような場面でも安全に快適に使えるようにすることが大切です。
でも、実際の家づくりでは、どうしてもリビングやキッチンに目がいきがち。トイレは後回しになることも少なくありません。トイレが使いにくくなると暮らしの快適度が下がり、いざというときに困ったことになってしまいます。
トイレは小さな部屋ですが、暮らしを支える大切な場所。優先順位を上げて、しっかり計画を立てましょう。
それでは、トイレの間取りでよく聞く失敗例をいくつかご紹介しましょう。
- 寝室からトイレまで遠く、夜中にトイレに行くのが大変
- 寝室からトイレまでの間に階段があり、急ぐときに踏み外しそうで怖い
- 病気で寝込んだとき、寝室からトイレが遠く大変だった
- 2階建てで、トイレが1階にしかないため不便を感じている
- 洗面所を通ってトイレに入る間取りのため、洗面所に人がいると出入りがしにくい
- 脱衣室を通ってトイレに入る間取りのため、使用中はトイレに入れない
- 玄関のそばにトイレがある間取りなので、玄関ドアを開けるとトイレが丸見えになる
- 玄関からトイレがよく見えるので、来客時にトイレに行きにくい
- 家族が集まるリビングの近くにトイレを作ったが、音が聞こえそうで入りにくい
- リビングに面してトイレのドアがあり、何となく臭いが気になる
- トイレ前が狭く、ドアが開きにくい、出入りがしにくい
- トイレ前のスペースに収納を作ったら、ドアと収納扉がぶつかる
- 階段下にトイレを作ったら、圧迫感があって落ち着かない
- トイレの面積を最小限にしたら窮屈だ
- トイレ内の収納が小さく、ストック類や掃除用具の置き場に困っている
- トイレに窓がないので、暗く閉鎖的な感じがする
そのほか、「毎日使うのだから、もっと広く明るくおしゃれにすればよかった」という声も。
それではトイレの上手なプランニングと、快適な間取り例をご紹介しましょう。
家族全員が使いやすいかをチェック!さまざまなシーンに対応しやすいトイレの間取り
トイレの間取りを考える際は、まずは家族全員がトイレに行きやすい「動線」になっているか、チェックしましょう。寝室からはもちろん、外出から帰ったとき、リビングでくつろいでいるときなどにもスムーズにトイレに行ける間取りならストレスなく暮らせます。
普段過ごす時間が長い場所からトイレまでの間に、階段や段差を作らないようにすることも大切です。慌てていたり、夜中にねぼけていたりすると、足を踏み外す危険があります。
また洗面所や脱衣室からトイレに入る間取りは、人がいると出入りがしにくくなります。後のリフォームで、廊下からトイレに出入りができるようにしたいという要望は少なくありませんのでご注意を。
次に、トイレの「環境」を考えましょう。狭すぎると圧迫感があって落ち着かないという声は少なくありません。面積は1畳以上を目安にすると快適になります。またそこから少し幅を広げると、サイドに収納やカウンターが設置しやすくなり、ゆったりと落ちついた空間になります。
玄関ホールやリビングにトイレを作る場合は、中が丸見えにならないような間取りの工夫を。見えてしまうと、外にいる人も中にいる人も落ち着きません。リビングに作る場合は、ドアの前に間仕切り壁を立てたり、位置を離したりして、音や臭いが気にならないように対策をしておきましょう。
上記は、玄関ホールにトイレを作った間取り例です。玄関近くにトイレがあると帰宅時にすぐに入れる上、家の中のどこからも行きやすく、お客様にも使ってもらいやすいなどのメリットがあります。
注意点は、玄関ドアを開けたときに、トイレのドアやトイレの内部が見えないよう、間取りの工夫をしておくことです。玄関ドアを開けるたびにトイレが見えてしまうのは残念ですし、来客時に家族がトイレを使いにくくなります。
また最近では帰宅時の手洗いが習慣化していますので、そばに手洗いスペースを作っておくとさらに便利になります。
先々のことを考えて、バリアフリーなトイレにしておくとさらに安心です。ゆとりのある面積を確保するとともに、手すりや引き戸の取り付け、入り口の前も広めにしておくことで、車いすでも使いやすい間取りになります。
よく玄関は家の顔といいますが、トイレは家の素顔が見える場所ともいえます。家族全員が使いやすく、明るく気持ちのいいトイレを目指してくださいね。
住宅展示場では、さまざまなトイレの事例を実際に見ることができます。ドアの開き方、面積、インテリアなど、我が家にとっての理想のトイレを見つけに、住宅展示場に出かけてみてくださいね。
執筆・情報提供
尾間 紫(住宅・リフォームコンサルタント/一級建築士/インテリアプランナー/インテリアコーディネーター)
生活情報サイトAll Aboutリフォームのオフィシャルガイドとして業者選びからプランの立て方など実践的ノウハウを発信。テレビや雑誌、新聞掲載、講演などで活躍している。
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