2021.03.08
要件を満たす住宅の新築には最大100万円 新しくはじまるグリーン住宅ポイント
一定の性能を有する住宅の新築やリフォーム等に対して、商品や追加工事と交換できるポイントが発行されます!
※令和3年(2021年)1月31日時点の情報を基に作成しています。内容に変更があり得ることにご留意ください。また、説明は分かりやすさを重視して概略にとどめています。詳細はグリーン住宅ポイントのホームページでご確認いただくか、住宅展示場にてハウスメーカーにご相談ください。
INDEX
対象となる新築住宅の条件と発行ポイント
注文住宅を新築する場合や新築住宅を購入する場合、「一定の省エネ性能を有する住宅」だとグリーン住宅ポイントの対象となります。その中でも認定長期優良住宅など「高い省エネ性能を有する住宅」の場合、受け取れるポイントは40万ポイント/戸となります。
住宅を新築する場合のグリーン住宅ポイント
住宅の種類 |
具体的な性能 |
ポイント |
特例※1 |
高い省エネ性能等を有する住宅 |
認定長期優良住宅 認定低炭素建築物 性能向上計画認定住宅 ZEH のいずれかを満たす住宅 |
40万 ポイント/戸 |
100万 ポイント/戸 |
一定の省エネ性能を有する住宅 |
断熱等性能等級4※2かつ 一次エネルギー消費量等級4以上 を満たす住宅 |
30万 ポイント/戸 |
60万 ポイント/戸 |
※1 特例は下表にまとめた住宅に該当する場合。
※2 断熱等性能等級4を満たさない住宅であっても、建築物省エネ法に基づく住宅の外皮性能の基準に適合するものは対象。
特例にあたる場合は、最大100万ポイント/戸が受け取れることになりますが、その特例にあたる条件は下表のとおりです。
特例にあたる条件
条件 |
備考 |
東京圏からの移住のための住宅 |
東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)から、地方に移住する場合(ただし、移住前の直近1年間、①東京23区に居住しているか、②「東京圏」に居住し東京23区内に通勤しており、かつ、直近10年で通算5年以上①か②を満たす必要がある)が該当。 |
多子世帯が取得する住宅 |
18歳未満の子3人以上(令和2年(2020年)12月15日時点またはポイント発行申請時点において)と同居する者が取得する住宅。 |
三世代同居仕様である住宅 |
住戸内に調理室、浴室、便所または玄関のうちいずれか2つ以上が複数箇所ある住宅。住戸内で自由に行き来ができない二世帯住宅は別住戸であるため該当しない。 |
災害リスクが高い区域からの |
令和2年(2020年)12月15日時点で、居住する住宅が災害リスクの高い区域内に立地する者が移住する場合が該当。「災害リスクが高い区域」とは、土砂災害防止法に基づく土砂災害特別警戒区域、または建築基準法に基づく災害危険区域。 |
既存住宅、リフォーム等の発行条件とポイント
新築住宅の建築・購入以外でも、既存住宅(中古住宅)の購入、リフォーム、賃貸住宅の新築の場合、一定の条件を満たすとグリーン住宅ポイントの対象となります。
まず、既存住宅から見ていきますが、下表に当てはまる場合、グリーン住宅ポイントの対象となります。
既存住宅※1の購入の場合のグリーン住宅ポイント
住宅の種類 |
住宅の除却を 伴わない |
住宅の除却を 伴う |
① 空き家バンク登録住宅 |
30万ポイント/戸 |
45万ポイント/戸 |
② 東京圏からの移住のための住宅※2 |
||
③ 災害リスクが高い区域からの移住のための住宅※2 |
||
④ 上記①~③のいずれにも該当しない |
– |
15万ポイント/申請 |
※1 不動産登記事項証明書において「新築」と記載された日付が、2019年(令和元年)12月14日以前で、売買契約額が100万円(税込)以上であること。
※2 新築住宅に関するグリーン住宅ポイントの「特例にあたる条件」と同じ。
リフォームを行う場合にも一定の条件を満たせば、グリーン住宅ポイントの対象となります。リフォームの内容ごとにポイントが決められていますが、ポイントの上限は下表のとおりです。
リフォームする場合のグリーン住宅ポイント
世帯 |
既存住宅購入の有無 |
ポイント |
若者・子育て世帯 |
既存住宅※1・※2を購入しリフォームを行う場合※3 |
最大60万 ポイント/戸 |
上記以外のリフォームを行う場合※4 |
最大45万 ポイント/戸 |
|
上記以外の世帯 |
安心R住宅を購入※1・※2しリフォームを行う場合※3 |
最大45万 ポイント/戸 |
上記以外のリフォームを行う場合 |
最大30万 ポイント/戸 |
※1 売買契約額が100万円(税込)以上であること。
※2 令和2年12月15日以降に売買契約を締結したものに限る。
※3 自ら居住することを目的に購入する住宅について、売買契約締結から3ヶ月以内にリフォーム工事の請負契約を締結する場合に限る。
※4 自ら居住する住宅でリフォーム工事を行う場合に限る。
なお、「若者世帯」とは令和2年(2020年)12月15日時点で、申請者が40歳未満の世帯のことを言います。また、「子育て世帯」とは令和2年(2020年)12月15日時点で18歳未満の子を有する世帯、またはポイント発行申請時点で18歳未満の子を有する世帯を言います。なおリフォームでは、その工事の種類ごとにポイントが決められています(下表)。
リフォーム工事ごとのポイント詳細
対象工事等 |
ポイント |
||
断熱改修 |
窓・ドア |
ガラス |
0.2~0.7万 ポイント/枚 |
内窓*1・外窓 |
1.3~2万 ポイント/箇所 |
||
ドア |
2.4、2.8万 ポイント/箇所 |
||
外壁、屋根・天井、床 |
外壁 |
5、10万 ポイント/戸 |
|
屋根・天井 |
1.6、3.2万 ポイント/戸 |
||
床 |
3、6万 ポイント/戸 |
||
エコ住宅設備 |
太陽熱利用システム、高断熱浴槽、高効率給湯器*2 |
2.4万 ポイント/戸 |
|
節水型トイレ*3 |
1.6万 ポイント/台 |
||
節湯水栓*3 |
0.4万 ポイント/台 |
||
耐震改修*4 |
15万 ポイント/戸 |
||
バリアフリー改修 |
手すり |
0.5万 ポイント/戸 |
|
段差解消 |
0.6万 ポイント/戸 |
||
廊下幅等拡張 |
2.8万 ポイント/戸 |
||
ホームエレベーター設置 |
15万 ポイント/戸 |
||
衝撃緩和畳の設置 |
1.7万 ポイント/戸 |
||
リフォーム瑕疵保険等への加入*5 |
0.7万 ポイント/契約 |
※既存住宅を購入しリフォームを行う場合、次の条件を満たすと各リフォームのポイントを2倍。
・自ら居住することを目的に 購入した既存住宅であること
・令和2年12月15日以降に売買契約を締結したもの
・売買契約額が 100 万円(税込)以上であること
・売買契約締結から3ヶ月以内 にリフォーム工事の請負契約を締結すること
※ポイント数が5万ポイント未満のものは発行対象外。
*1 内窓交換も含む
*2 設備の台数ではなく種類に応じてポイントを発行
*3 設備の種類×設置台数の合計でポイントを発行
*4 現行の耐震基準に適合していない昭和56年(1981年)5月31日以前に着工された住宅。
*5 国土交通省が指定する住宅瑕疵担保責任保険法人が取り扱うリフォーム瑕疵および大規模修繕工事瑕疵保険が対象。
なお、「窓・ドアの断熱改修」、「外壁、屋根・天井、床の断熱改修」、「エコ住宅設備の導入」のいずれかを行うことがリフォームでのグリーン住宅ポイントの必須条件となっています。それ以外は必須条件と併せて実施した場合のみ対象となります。
グリーン住宅ポイントは、賃貸住宅を新築する場合でも下表の条件を満たせば対象となります。
賃貸住宅を新築する場合のグリーン住宅ポイント
住宅の種類 |
ポイント |
①建築物省エネ法に基づく住宅トップランナー制度の基準に適合する ②すべての住戸の床面積が40 ㎡以上 |
10万ポイント/戸 × 総戸数 |
対象期間・利用スケジュール
グリーン住宅ポイントの対象となる期間は下表のとおりです。注文住宅の新築では、令和3年(2021年)10月31日までに請負契約を締結したもの、が対象となります、注文住宅を新築する場合、検討を開始してから間取りや金額を決め、請負契約を結ぶまでは時間がかかります。グリーン住宅ポイントの利用を考えている場合、早めに行動する方がよいでしょう。
ポイント発行の対象となる期間
条件 |
対象期間 |
注文住宅の新築 |
令和2年(2020年)12月15日から令和3年(2021年)10月31日までの期間内に工事請負契約を締結したもの |
新築分譲住宅の購入 |
令和2年(2020年)12月15日から令和3年(2021年)10月31日までの期間内に売買契約を締結したもの |
既存住宅の購入 |
令和2年(2020年)12月15日から令和3年(2021年)10月31日までの期間内に売買契約を締結したもの |
リフォーム |
令和2年(2020年)12月15日から令和3年(2021年)10月31日までの期間内に工事請負契約を締結したもの |
賃貸住宅の新築 |
令和2年(2020年)12月15日から令和3年(2021年)10月31日までの期間内に工事請負契約を締結したもの |
ポイント発行や交換の申請のスケジュールについては、本コラム執筆時点で詳細は決まっていませんが、それぞれの期限は下表のとおりになっています。
発行申請、交換申請の期間
ポイント発行申請 |
開始:準備が整い次第開始 申請期限:令和3年(2021年)10月31日までの予定 ※予算の状況に応じて前倒しになる可能性もあります |
ポイントの交換申請 |
開始:準備が整い次第開始 申請期限:令和4年(2022年)1月15日までの予定 |
ポイント交換対象商品
グリーン住宅ポイントは、下表にあるような商品と交換できる予定です。商品の詳細については決まり次第発表になります。なお、賃貸住宅の新築に関しては、下表の「追加工事」のみが対象です。
グリーン住宅ポイントを交換できる商品・工事
商品と交換して使う |
①「新たな日常」に資する商品 ②省エネ・環境配慮に優れた商品 ③防災関連商品 ④健康関連商品 ⑤家事負担軽減に資する商品 ⑥子育て関連商品 ⑦地域振興に資する商品 |
新築住宅 既存住宅 リフォーム |
追加工事に使う |
①「新たな日常」に資する追加工事 ・ワークスペース設置工事 ・音環境向上工事 ・空気環境向上工事 ・菌・ウイルス拡散防止工事 ・家事負担軽減に資する工事 ②防災に資する追加工事 |
新築住宅 既存住宅 リフォーム 賃貸住宅 |
他の補助金との併用可否
最後にグリーン住宅ポイントは他の補助金と併用できない場合があるので注意しておきましょう。すまい給付金との併用は可能ですが、ZEH関連の補助金等とは併用不可になります(下表)。どの制度を利用するのがベストなのかはハウスメーカーと相談しながら進めるとよいでしょう。
他の補助金等との併用(新築住宅の建築・購入の場合)
補助金等 |
併用可否 |
すまい給付金 |
〇 |
地域型住宅グリーン化事業 |
× |
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業 |
× |
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化による |
× |
※本コラムの説明は分かりやすさを重視して概略にとどめています。詳細はグリーン住宅ポイントのホームページでご確認いただくか、住宅展示場にてハウスメーカーにご相談ください。
執筆・情報提供:アルトゥルFP事務所 代表
ファイナンシャルプランナーCFP® 井上光章
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コラムはネクスト・アイズ(株)が記事提供しています。本記事に掲載しているテキスト及び画像の無断転載を禁じます。