2021.07.19
最大1,500万円まで贈与税がかからない 住宅取得等資金の贈与税非課税措置
住宅購入の資金計画を考える上で、親や祖父母などから資金援助を受けたいという人も多いでしょう。本来、親などから大きな金額のお金をもらう(贈与を受ける)場合、贈与税がかかります。しかし、住宅購入資金の贈与に関しては、一定金額まで贈与税がかからない特別な制度があります(住宅取得等資金の贈与税非課税措置)。今回は本制度の概要と注意点を解説します。
- 住宅購入資金の贈与は最大1500万円まで贈与税がかからない
- 工事請負契約を2021年12月末までに行うなどの注意点はチェック
INDEX
最大1500万円まで贈与税がかからない
親や祖父母などから住宅購入資金の贈与を受ける場合、図表1のように、省エネ等住宅の場合、最大1500万円まで(それ以外の住宅の場合1000万円まで)贈与税がかかりません(消費税率10%の住宅を購入・建築する場合)。
贈与税にはもともと、110万円までは非課税というルールがあるので、それを合わせると厳密には1,610万円(1,110万円)までは贈与税がかからないということです。ただし、住宅を新築する場合は、工事請負契約を2021年12月末までに行う必要があります。
また贈与を受けた年の、所得税に係る所得金額が2,000万円以下であること、などの条件もあります(床面積が50㎡未満の場合は、所得金額は1,000万円以下でなければなりませんが、戸建ての場合、床面積が50㎡未満になることはほとんどないはずです)。
図表1:住宅取得等資金の贈与税非課税措置
契約締結時期 | 省エネ等住宅 | 左記以外 |
---|---|---|
2021年12月末まで | 1,500万円 | 1,000万円 |
※消費税率10%の場合の数値
なお「省エネ等住宅」というのは以下のいずれかの条件に当てはまる住宅のことをいいます。
- 断熱等性能等級4、もしくは、一次エネルギー消費量等級4以上
- 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上、もしくは、免震建築物
- 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上
大手ハウスメーカーなどで住宅を新築する場合は、これらの条件を満たしていることが多く、非課税限度額も1500万円になることが多いです。
2021年12月末までに工事請負契約が必要
住宅取得等資金の贈与税非課税措置を利用する際の注意点をまとめます。
図表2:主な注意点
- 住宅を新築する場合、2021年12月末までに工事請負契約が必要
- 贈与を受けた年の翌年3月15日までに確定申告が必要
- 贈与を受けた翌年3月15日までの入居が必要
- 「配偶者の親」などからの贈与は対象外
住宅を新築する場合、2021年12月末までに工事請負契約が必要
工事請負契約を2021年12月末までに行う必要があるというのは、図表1でも述べたとおりです。注文住宅を建てる場合、検討を開始し始めてから、依頼するハウスメーカー等を決め、実際に工事請負契約を行うまでには3~6カ月程度はかかります(土地探しから始める場合にはもっと時間がかかる可能性があります)。本制度を利用する場合、早めに家づくりをスタートさせたいところです。
贈与を受けた年の翌年3月15日までに確定申告が必要
贈与を受けた翌年2月1日から3月15日までの間に確定申告が必要という点も覚えておきましょう。本制度を使って贈与税が0円になったとして確定申告は必要です。
贈与を受けた翌年3月15日までの入居が必要
贈与を受けた年の翌年3月15日までに入居が必要という点にも注意が必要です(もしくは、同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること)。入居が遅れ、贈与を受けた年の翌年12月31日までに居住していないと、本制度の適用を受けられなくなり修正申告が必要になってきます。スケジュールが大きく遅れることのないよう、ハウスメーカーとスケジュールを事前に確認しておくとよいでしょう。
※なお、新型コロナウィルスの影響で工期が遅れるなどして、入居が遅れた場合は特別に、居住期限の1年延長が認められます。
「配偶者の親」などからの贈与は対象外
たとえば、夫が妻の親から贈与を受ける場合は本制度の対象外、ということです。この場合、妻の親から妻が本制度を利用して贈与を受け、妻が建物に持ち分を持つといった方法を取る必要があります。
今回は住宅取得等資金贈与の贈与税非課税措置について、お金をもらう側(子)にとってのメリットや注意点を中心に、その概要をまとめました。制度の詳細や最新情報は、住宅展示場にてハウスメーカーに確認するようにしましょう。
※2021年6月25日時点の情報を基にしています。
執筆・情報提供:アルトゥルFP事務所 代表
ファイナンシャルプランナーCFP® 井上光章
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