2022.06.08
ホームオフィスはセンスよく! 居心地と機能性を兼ね備えた空間とは?
この数年で仕事をする場所は、オフィス以外の自宅やカフェ、シェアオフィスなど、多様化し選択肢が拡がりました。
その中でも在宅ワークは、「時間効率」や「育児との両立」など、そのメリットが注目されています。
今回は、そんな在宅ワークをより快適にするホームオフィスづくりについて考えてみましょう!
INDEX
【1】ホームオフィスをつくるポイントは「環境」「距離感」そして「切り替えのしやすさ」
ホームオフィスの一番の課題は、集中できる環境づくり
集中できる環境の最たる条件は、「遮音」「防音」ですね。
家庭内の音や声が聞こえると、なかなか集中できないなんてことも。
リモート会議で発言しなければならない場面でも、お昼寝中の赤ちゃんが居るお宅では、声を出すのもはばかられるというのが実情です。
最近どこでも使われるようになったアクリルパネルですが、声が聞こえづらいなと思うことがありますよね?
ホームオフィスで、デスクの一角に立てるだけでも少し音の伝わりが軽減されます。そのほかカーテンを生地の厚いものにしたり、壁に厚手のタペストリーをかけてみるのも、音を吸収する効果が期待できるかもしれません。
仕事のテンションが上がりそうな柄のものに模様替えを兼ねて試してみてはいかがでしょうか。
空調、通風、照明でからだに優しい環境づくり
専用の部屋を確保できたとしても、もともと納戸だったり、日当たりが悪いなどの理由で部屋として条件が悪い空間をあてることが多いホームオフィス。
エアコンが付けられなかったり、風通しが悪いなど、環境が悪いと仕事の効率も落ちます。
電源とスリーブ穴が確保できればエアコンや換気扇を設けることができるかもしれません。
エアコンは無理でも換気機能で空気の通り道を作るだけでも環境は改善します。照明も目の健康に影響します。
照明は機能性だけでなく、雰囲気を演出する効果がありますので、オン・オフの切り替えなどに照明の機能を活用してみては?
家族の気配を感じられるほどよい隔離感
子どもや家族が同じ家の中に居るのに、まったく視界に入らない・気配がわからないと、却って気になりついつい様子を見に行ってしまうことにもなりかねません。
完全に隔離する部屋にするよりも、たとえば座った状態で目線まで隠れるよう低めの家具や本棚でオフィススペースとして区切ることで、気が散らずに子どもの気配も感じられ、安心して集中できるのではないでしょうか。
間仕切り棚(シェルフ)も、オフィス的な硬さではなく、デザイン的に遊び心やおしゃれ感があるものを取り入れることで、優しい空間の分け方ができるでしょう。
オン・オフを切り替えしやすい工夫
また収納をワゴンのような可動タイプにしておくことで、特定の場所ではなく、仕事ワゴンのある場所が今日のホームオフィスということで仕事モードへの切り替えもしやすくなるのでは?
【2】おすすめホームオフィスのアイデア3選
可動間の仕切りや家具の活用
内装建具(扉)の機能もいろいろなものがあります。何枚かで間仕切り壁のようになっていて、まとめて開いて寄せると完全にオープンになるタイプや、引き戸だけど、すりガラスで締め切っても閉塞感を減らせるおしゃれなデザインのものなど、スペースの使い分けができるのが可動間仕切りです。
また、キャスター付きの家具は収納と間仕切りを兼ねて、そのとき必要な位置でほどよく間仕切りになるので、仕切りを固定したくないホームオフィスに向いているかも。
置き畳や床のレベル差で空間を区別
間仕切りを設けられない場合でも、床のレベル差を設けることで、視覚的に空間を区別する効果をつくることができます。たとえば、リビングのコーナーに腰掛けできる高さの置き畳とテーブルを置いて、視覚的に空間を独立させます。間仕切り的に低めの棚を置くと、より、独立感が出るでしょう。畳も和紙製のものなど、色もカラフルな種類もあり、インテリア的にも楽しめます。
バルコニーや庭の活用
バルコニーに、ウッドデッキを敷くなどして、アウトドアリビング風にすることで、外で仕事をするのも気分を変えて仕事ができるかも。サッシをしめれば、家の中からの音声もかなり遮断できます。外の空気を吸いながら意外と集中できるかも。
風や紫外線には気をつけましょう。風で書類が飛ばされないよう、気を付けるとともに、シェードなど目に直射日光が入らないような工夫も必要でしょう。
なお、集合住宅のバルコニーは火災時などの避難経路になっています。また、椅子やテーブルなど置く際は、避難の妨げになったり、子どもが足場にしてバルコニーから転落しないよう、安全面に充分注意しましょう。
在宅ワークが定着した今日、住宅展示場のモデルハウスでも、ホームオフィスを意識した空間の提案をいろいろ見ることができます。家族で暮らし方を話し合いながら、センスよいホームオフィスづくりを、住宅展示場でイメージしてみてください。
執筆・情報提供
川道 恵子(一級建築士)
住宅メーカー設計部にて、戸建住宅の設計業務 デベロッパーにて、マンション等の企画・監理業務を経て設計事務所において不動産開発業務に携わる。
土地の活かし方、住宅の間取り提案等、幅広い実績多数。
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