2022.12.28
フードコーディネーター_清宮瑞絵さんの 暮らしを楽しむための環境づくり
シリーズ:わたしのこだわりの家
大きな窓から初冬の日差しが差し込むLDK。こちらはフードコーディネーターとして活動する清宮瑞絵さんがご主人と暮らす住まいです。2016年にリノベーションした住まいには、物選びにストイックな清宮さんが時間をかけて集めてきた、お気に入りのアイテムが美しくディスプレイされています。
INDEX
【1】お気に入りはディスプレイしながら、とことん使う
インテリアショップに勤める傍ら、大好きな料理とインテリアの情報を発信したいとフードコーディネーターの資格を取得し、2年半前に独立した清宮さん。現在は、オリジナルレシピの考案から料理の撮影、テーブルコーディネートの提案など、活動の幅はますます広がっています。
そんな清宮さんは自他ともに認める「こだわり派」。特に家具や雑貨などは、時間がかかっても長く使い続けられる物をそろえていきたいらしく、リビングダイニングはまるでギャラリーのように清宮さん厳選のアイテムがセンスよく飾られています。
そのリビングダイニングの一角にあるのは、清宮さんが「特別な場所」だと話すキッチンです。リノベーションではもともとあったキッチンはそのまま活かし、リビングダイニングと緩やかに仕切る室内窓をオーダーメイドで取り付けました。
「室内窓を設けたのは、キッチンにこもって料理に集中したい気持ちと、ダイニングで食べている人の様子も見たいという2つの気持ちがあったからです。その両方を叶えられるのが室内窓でした。実際に取り付けてみたら、窓ガラス1枚でこんなに違うのかと思うくらい集中できるし、ダイニング越しに外の様子も見られるので、とても満足しています」
さらにコンロ回りの壁にはL字に長く伸びたポールを取り付け、背面カウンターの上部には奥行きの異なるオープン棚も設置しました。これらは、清宮さんのマイルールの1つである「お気に入りの物はできるだけ見える場所に、ディスプレイしながら使う」ために設けられたものです。
「私は物が見えていないと、そこにあることも忘れてしまうんです(笑)。だから、見える場所にディスプレイしながら収納することを心がけています。趣味から始まった器の蒐集も、今は仕事でも使う大事な物となり、その数もかなり増えてきました。キッチンだけではもう収まらないので、リビングダイニングにもディスプレイしていますが、どれも日常的に使っているものばかりです」
【2】インテリアで大事なのは色のトーンを合わせること
まるで美しいオブジェのように、普段使いの器が空間を彩るリビングダイニングですが、実はここには清宮さんが自分に課したもう1つのルールがあります。
「リビングダイニングは色を合わせるのではなく、トーンで合わせることを意識しています。その基準となるトーンがTVボードに飾っているフラワーベースなのですが、このトーンでまとめるとほかに色が入っても不思議と1つにまとまるんです」
それはインテリアだけではなく、テーブルの上も同じだとか。大好きな和食器を中心に、台湾の骨董の器やドイツのヴィンテージのフラワーベースを合わせても、それぞれのトーンが近いのでまったく違和感がありません。
「私は和食器だけど異国を感じるような癖のある器や、少しアンニュイな雰囲気のある器が好きなんですが、最近はそこに骨董も加わりました。骨董は色や柄が多少個性的でも、使い込まれて落ち着いたトーンの物が多く、浮いた感じにならずに合わせやすいです」
【3】小さな間接照明が空間の表情を変える
さらに、視覚的にも心理的にも絶妙な効果をもたらしている間接照明が3つ目のルールです。特にリビングダイニングは複数の照明をポイントに置き、空間に奥行きと心地よさをもたらしています。また、清宮さんの趣味の1つでもあるグリーンとの相性もよく、葉先に灯りを当てればユニークな影が壁に浮かび、昼間とはまた違ったドラマチックな表情を見せてくれます。
「たとえ小さな灯りであっても、照明は部屋の印象を変えてくれます。だから、ポイントに照明を置いて、空間に表情をつけるようにしています。またグリーンがあると心が落ち着くので、間接照明と組み合わせて楽しんでいます」
夜は極力照明を落とし、ゆったりと過ごす。その時間が安眠にもつながっているそうです。
フードコーディネーターとして順調にセカンドキャリアを歩み始めた清宮さん。この仕事を始めてから、あらためて、住まいは「暮らしを楽しむために環境を整える大切な場所」であると気付かされたといいます。
「そのためにも、キッチンはできるだけ料理が楽しめるように、リビングはもっともっとくつろげるような環境していきたいという思いが強くなってきたし、常にそのことを考えるようにもなりました」
清宮さんのマイルールは、ご自身のこだわりを活かしつつ、暮らしを楽しむためのよりよい環境づくりにつながっています。
住宅展示場には、清宮邸のようなディスプレイやインテリアのヒントがたくさんあります。快適な住まいづくりの参考に、ぜひお近くの住宅展示場に足を運んでみてください。
取材協力
フードコーディネーター 清宮瑞絵さん
【リンク】
HP :http://mizuame7.com/
INSTAGRAM:https://www.instagram.com/mizuame7/
編集・執筆:石倉 夏枝
撮影:小島 沙緒里
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