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家づくりの雑学

2023.02.20

【不動産鑑定士監修】必見!2023年度版・埼玉県の不動産はどうなる?

シリーズ:不動産価格

今年、不動産の購入を検討する人は、「今買うべきか」「価格はどうなのか」という不安は付きものです。買うべきタイミングや資金計画などは、もちろん1人1人異なります。
今回は少しでもマイホーム計画の参考になるように、埼玉県の不動産市況について、不動産鑑定士・資産評価士の古家 一郎さん監修のもと、紹介します。

INDEX

【1】2023年の不動産価格はどうなる?

コロナ禍での日常生活が定着しつつあり、不動産市況も良好に推移しつつある昨今。特に土地は都心に近い南部を中心に上昇しています。

■A:土地

① 住宅地

図1:市区町村平均変動率一覧図(住宅地)
出展:『埼玉県HP』より(リンク:https://www.pref.saitama.lg.jp/

2022年9月に発表された埼玉県地価調査では、県内の住宅地は+0.8%と3年ぶりに上昇。これはテレワークの進展などにより、東京都に近接する同県で需要が高まった結果であり、昨年度までの下落から上昇に転じています。

② 商業地

図2:市区町村平均変動率一覧図(商業地)
出展:『埼玉県HP』より(リンク:https://www.pref.saitama.lg.jp/

県内の商業地も+1.0%と昨年度の下落から上昇に転じています。これは、再開発事業などの進展期待のある地域やマンション用地に適した地域で上昇がみられたためです。

■B:建物

建物は一昨年のウッドショックを原因として建築費の高騰が継続し、2割から3割ほど上昇しています。

では、なぜ埼玉県では、都心に近いエリアほど上昇してきたのか?
それには、2つ理由があります。

①金利低下によって、買い手の購買力が上がったこと。
全国的に土地価格が上昇しているのは、これまでの金利の低下によるところが大きいです。2013年4月以降、日銀が国債を買い占める、異次元緩和政策を行なうことで、金利を下げてきました。この8年間で買手は、同じ返済額で2割高い物件を買えるようになったということです。

月々の支払額は増やさずに、約2割高い物件を買える。しかもその物件が人気化しているとなれば、当然値段が高くても買おうとする人は増えますよね。
そのため、人気のエリアほど、土地価格が上昇してきました。

②共働きの増加によって、職住近接の動きが進んだこと。
2013年からアベノミクス政策によって円安や株高が進んだことで、都内の大企業の業績が好調になり、都心で働く人が増えた。その結果、都内の土地価格が大きく上昇しました。
そのため、都内よりも安く家が持てる埼玉県に人が移り住んできたわけです。

【2】埼玉県で注目すべきエリアは?

県内で注目すべきエリアは、①浦和美園と②戸田です。その両地区をご紹介します。

図3:変動率上位地点
出展:『埼玉県HP』より(リンク:https://www.pref.saitama.lg.jp/)

住宅地1位と2位は、「JR浦和駅」近くの古くからの住宅街で買い替えを検討している傾向にあります。同3位の「浦和美園」地区は、初めてマイホームを取得する層に人気が高い傾向にあります。浦和美園駅はさいたま高速鉄道の終点であり、さいたま2020サッカースタジアムにも近く、近年では大型ショッピングセンターやスーパーマーケットなど生活に密着している店舗が増えつつあります。
さらに詳細は、以下よりご紹介します。

①浦和美園駅周辺
現在も区画整理事業が進捗中のエリアです。

図4:浦和東部第一特定土地区画整理事業(令和3年7月)
出展:『さいたま市』ホームページより(リンク:https://www.city.saitama.jp/index.html

浦和東部第一特定土地区画整理事業は、浦和美園駅西口の面積約56ヘクタールにおいて、周辺の自然環境と調和し、隣接する土地区画整理事業と連携した魅力ある新市街地の形成に向け、さいたま市が施行者となって土地区画整理事業を推進しています。

・事業期間 平成12年度から令和16年度(清算期間:5年間を含む)
・住宅地3位 さいたま市緑区周辺の様子は下記の通り。

写真1:執筆者撮影

中小規模一般住宅、アパートなどが増えつつある住宅地。敷地が平均60坪。6m道路に面し、浦和美園駅から徒歩4分の距離に位置します。
区画整理事業が進捗中、進捗状況図の中央左側が未だ白いので今後も広がることから期待が持てますね。

・一方で同駅周辺の区画整理事業が終了した住宅地の様子は下記の通り。

写真2:執筆者撮影

敷地が50坪前後で駅徒歩15分。新築戸建住宅が建ち並んでおり、こちらも道路が6mあり、都市ガスも整備済みです。

②戸田
次に、JR埼京線戸田駅や戸田公園駅徒歩圏内の住宅地に注目します。特に、地価が上昇している上戸田周辺は下記の通り。

写真3:執筆者撮影

一般住宅やアパートなどが混在している住宅地で、6m道路が標準的、最寄駅戸田駅から約7分と徒歩圏内です。
そのほか、戸田公園駅周辺の住宅街も道路が6m以上あり住環境としては良好な地域で今後もこのような傾向が続くものと思われます。

2023年に埼玉で新築を検討中の人は、これらを参考にマイホーム計画を進めてみては?
もちろん上記でご紹介した以外のエリアでも心配ご無用。検討しているエリアの近くにある住宅展示場で各ハウスメーカーに相談すれば、より詳しい情報を確認できます。ぜひ活用してみてください。

執筆・情報提供

古家 一郎(不動産鑑定士・資産評価士)

総合商社勤務を経て不動産鑑定士へ。
遠くはハワイ島、マウイ島のコンドミ二アムから小笠原父島の戸建まで鑑定評価実績あり。

Ⓒ2023 Next Eyes.co.Ltd

コラムはネクスト・アイズ(株)が記事提供しています。
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