2023.04.27
料理家 柚木さとみさんの 食を快適に楽しむ暮らし
東京都内の住宅街にある古屋を改装した住宅にお住まいの料理家・柚木さとみさん。カフェのプランニングやフードスタイリングも手がける柚木さんのご自宅は、「食」を楽しむ工夫が随所に光る心地よいカフェのような空間でした。
INDEX
【1】スムーズに作業するための動線をキープ
昭和の意匠が香る築約50年の住宅をフルリノベーションしたご自宅に、2018年より夫婦でお住まいの柚木さん。
20代のころから東京都内の人気カフェの運営に携わり、フリーランスになってからも、新開店するカフェの空間づくりから、人気ドラマのフードスタイリング、料理教室の講師など、多方面で活躍してきました。ご自宅のキッチンやダイニングの仕様も、食のプロならではの視点があちこちに。そんな食をライフワークとする柚木さんにとってのマイルールとは?
「1つ目のマイルールのポイントは“動線”です。カフェなどの飲食店は、厨房やフロアで効率よく作業できる動線が欠かせません。自宅で料理をするときや、人を招いてホームパーティーをするときも、やはりスムーズに動ける動線を確保したいですね。そうすれば、料理をするときにムダな手間が省けますし、片付けのストレスも軽減できますから」
「自宅を設計したときに玄関から動線を考えて、リビングに向かう動線と、キッチンに向かう動線を作りました。動線を2つに分けることで、私は仕事場でもあるキッチンに最短距離で行けますし、ゲストを招くときはリビングにダイレクトにお通しできます」
柚木さんはご自宅以外にも古民家をセルフリノベーションしたアトリエがあり、そこで「さときっちん」という料理教室を主宰されていますが、将来的には、ご自宅で料理教室をすることも視野に入れているそう。
「自宅で料理教室をするとしても、動線が分かれていれば、プライベートエリアと教室を自然に分けることができますよね。家づくりの際は、いろいろな場面を想定して、それに合った動線を意識するといいと思います」
【2】調理も片付けもラクにするためのしつらえ
あまり生活感のある空間が好きではないという柚木さん。仕事柄、調理器具や食器類が多数ありますが、どのように工夫されているのでしょう?
「よく使う調理器具は必要なときにサッと取り出せて、使い終わったらサッと片づけられるように、オープン収納にしています。動線の考え方と同様に、できるだけムダな動きを省いて、ラクに作業をしたいんです。調理も片付けもラクにするというのが、2つ目のマイルールです」
「食事のときに使うカトラリー類はカウンターの引き出しに収納していますが、調理用の箸やスプーンなどはすぐ取り出せるようにカップに立てています。その際、用途別にまとめるのではなく、木や金属など素材別にするのがポイント。素材別でまとまっていたほうが、視覚的に見つけやすく、片づけるときもラクなんですよ」
【3】暮らしながら整えるインテリア
隅々まで機能的に作られている柚木さん宅ですが、実は最初から全部そろっていたわけではなく、暮らしはじめてから少しずつ整えていったそう。
「最初に作り込んでも、実際に暮らしてみると、『ここに棚があると便利なのに』とか、『これは高さが足りない』とか、いろいろ気付くことがありますよね。なので、特注のキッチンカウンターや食器棚も、ヴィンテージのダイニングテーブルも、使い勝手を確かめながら、徐々にそろえていきました。キッチンのアレンジボードに棚を取り付けたのも最近です。暮らしながらインテリアを整えていくというのが3つ目のマイルールです」
柚木さんが大切にしているマイルールから、調理も片付けもラクにできる動線を考え、暮らしながらキッチンやダイニングのインテリアを整えていくのが、食を快適に楽しむ秘訣のようです。
住宅展示場には、柚木さんのようにインテリアを整えたり、生活しやすい動線のヒントがたくさんあります!具体的なイメージづくりの参考に、ぜひお近くの住宅展示場をチェックしてみてくださいね。
取材協力
料理家 柚木さとみさん
【リンク】
HP :https://yugisatomi.com/
Instagram:https://www.instagram.com/yugisatomi/
取材・執筆:轡田 早月
撮影:小島 沙緒理
編集:石倉 夏枝
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