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家づくりの雑学

2023.10.03

新耐震基準はいつから?旧耐震と現行の耐震基準との違いは?

地震の多い日本で住宅を建てる場合には、耐震性が気になる方も多いのではないでしょうか。住宅における耐震基準では、大規模災害の発生によって旧耐震基準から新耐震基準、現行の耐震基準へと厳格化されました。

本記事では、新耐震基準の内容やいつから施行されているか、旧耐震基準と現行の耐震基準との違いについて解説します。住宅を建てるうえで耐震基準の知識は役立つため、ぜひ参考にしてください。

INDEX

新耐震基準では、震度6強~7程度の揺れでも家屋が倒壊・崩壊しない

新耐震基準とは、1981年6月1日から施行された耐震基準を指します。震度6強〜7程度の揺れでも、家屋が倒壊・崩壊しないことが基準となっており、それ以前に適用されていた耐震基準(旧耐震基準)よりも厳格化されました。

1995年に発生した阪神・淡路大震災において、旧耐震基準の建物のうち6割以上で被害が発生しましたが、新耐震基準の建物の7割以上はほぼ被害がありませんでした。さらに2000年からは、より規制を強化した現行の耐震基準が適用されています。

そもそも耐震基準とは?地震に耐える構造の基準

耐震基準とは、建物が地震の揺れに耐えられるために国が定めた最低限クリアすべき基準です。大地震による家の倒壊から、住んでいる人の命を守ることを目的としています。

耐震基準を満たしていないと、建物は建てられません。また既存住宅の耐震基準を確認するには、「建築確認済証」の発行日を調べましょう。

1981年6月1日以降に建築確認されている建物には、新耐震基準が適用されています。マンションの場合は建築確認申請日と竣工日が離れているケースも多いため、竣工日ではなく、建築確認申請日をチェックしましょう。

なお、耐震基準と類似した用語に「耐震等級」があります。耐震等級とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」にもとづいて地震に対する建物の強度を示す指標です。

耐震等級は、耐震基準とは異なり任意の制度であり、希望者のみ認定を受けられます。評価は等級1から等級3までの3段階で行われます。

参考:住宅・建築物の耐震化について

旧耐震基準では、震度5強程度の揺れでも家屋が倒壊・崩壊しない

旧耐震基準とは、震度5強程度の揺れでも家屋が倒壊・崩落しない基準であり、1950年の建築基準法施行から1981年5月末まで適用されていました。旧耐震基準では震度6以上の大地震の発生はあまり考慮されておらず、1978年に発生した宮城県沖地震で大きな被害を受けたことを受けて、基準が改正されました。

旧耐震基準の住宅は大地震で倒壊するリスクが高いため、中古住宅を購入する際は旧耐震基準か新耐震基準のどちらで建てられた建物であるか確認することをおすすめします。

新耐震基準と現行の耐震基準(2000年基準)の違いは?

現行の耐震基準(2000年基準)は、1995年の阪神・淡路大震災の被害を受けて、新耐震基準からさらに厳格化された基準です。木造住宅の耐震性向上を主な目的として、2000年に施行されました。

新耐震基準から厳格化された主な内容は、以下の3つです。

  • ● 地盤力に応じた基礎構造の規定
  • ● 構造上主要な部分の接合部に金具の取りつけ
  • ● 偏りのない耐力壁の配置

住宅の土台となる基礎を最適化するために、地面がどの程度の重さに耐えられるかを調べる地盤調査が事実上義務化となりました。ただし、木造2階建て以下で「(設計施工基準による)現場調査チェックシート」の結果、地盤調査の必要がないと判断された場合は例外的に不要です。

現行の耐震基準の内容をクリアすれば、新耐震基準の建物よりもさらに高い耐震性を有した建物と認められます。

関連リンク:一戸建ての耐震性で重要なのは〇〇!見るべきポイントを紹介

まとめ

本記事では新耐震基準の内容や、旧耐震基準と現行の耐震基準の違いについて解説しました。新耐震基準は、震度6強~7程度の揺れで家屋が倒壊・崩壊するのを防ぐために、1981年6月1日から施行された基準です。また1995年の阪神・淡路大震災の被害を受けて、2000年には新耐震基準をさらに厳格化した「現行の耐震基準」が制定されました。

耐震基準は、過去に発生した大地震を受けて、建物が簡単に崩落しないように何度も見直されてきました。現行の耐震基準は、大地震が発生しても倒壊しない基準で建てられるため、安心して家づくりを進めましょう。

執筆・情報提供

矢野 秀一郎

【プロフィール】
宅地建物取引士。
大学卒業後、不動産会社2社に就職。
時間貸駐車場の開発営業や運用・不動産売買の仲介・新築やリフォームの営業および現場管理・分譲工事のプロジェクトリーダーなどに従事。不動産と建築に幅広く携わった経験を活かし、現在は不動産特化ライターとして記事の執筆や監修を行う。

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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。

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