2023.09.23
輸入住宅の3つのスタイルと魅力とは?建築相場についても紹介!
海外の家具やインテリアが好きといった理由で、輸入住宅を購入したいと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、輸入住宅にはさまざまな種類があるため、好みに合うスタイルを選ぶ必要があります。
そこで本記事では、輸入住宅の3つのスタイルと魅力について詳しく解説します。建築相場についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
INDEX
輸入住宅とは海外の設計思想を用いて、国内に建築された住宅
輸入住宅とは、海外の設計思想をもとに日本国内で建築された住宅を指します。主にアメリカやヨーロッパなどの設計から作られています。
輸入住宅は1980年代に日本国内で人気が広がりました。当時は木造の和風建築が主流でしたが、北欧やアメリカの街に建ち並んでいるような外国の家には定評があり、現代まで人気が続いています。
輸入住宅の最大の魅力は、海外独自のおしゃれなデザイン性です。間取りだけでなく住宅設備や家具まで住宅のデザインに統一すれば、オリジナリティあふれる空間を演出できます。
そのため、家づくりでインテリアや間取りにこだわりたい方や日本の家にはないデザイン性の高い住宅に住みたい方は、輸入住宅がおすすめです。
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輸入住宅は主にアメリカンスタイルと北欧スタイルの2種類
輸入住宅は、主にアメリカンスタイルと北欧スタイルの2種類あります。本章では、代表的なスタイルの特徴を解説します。
アメリカンスタイル
アメリカンスタイルとは、19世紀にヨーロッパからアメリカにわたった移民や開拓民などによって作られたデザインです。アメリカらしい重厚感や存在感がデザインにあふれており、ヴィンテージ感のある住まいを演出できます。アメリカンスタイルはバリエーションが豊富で、アメリカの田舎暮らしに適したデザインから北欧スタイルに似たものまで幅広い種類があります。
代表的なスタイルは、以下の通りです。
- ● カリフォルニアスタイル
- ● アメリカンカントリースタイル
- ● ガレージスタイル
- ● クイーンスタイル
アメリカンスタイルを建てたい場合には、具体的にどのスタイルが好みに合うのか調べておきましょう。
北欧スタイル
北欧スタイルとは、フィンランドやデンマーク、スウェーデンなど北欧の住宅をイメージしたスタイルです。白を基調としたシンプルなデザインに木材や石材などの素材を活かした作りが特徴で、自然のぬくもりを感じられます。
北欧スタイルは自然環境が厳しいため、極寒の冬を快適に暮らせるように断熱性や気密性にもこだわって建てられています。ソファやラグなどの家具も北欧風でコーディネートすれば統一感があり、おしゃれな空間に仕上げられるでしょう。
南欧スタイル
南欧スタイルとは、フランスやイタリアの田舎をイメージした女性に人気があるスタイルです。北欧スタイルでは冬の寒さ対策を重視していますが、南欧スタイルでは夏の暑い日差しを避ける工夫がされています。
白やグレーなど明るい外壁に、オレンジや茶色などの瓦屋根や窓まわりの飾りが外観にアクセントを加えます。ナチュラルでかわいらしいデザインに仕上がりやすく、自分らしい暮らしや住まいを実現できるでしょう。
輸入住宅の3つの魅力
輸入住宅には、以下の3つの魅力があります。
- ● 地震に強い耐久性
- ● 開放的な空間
- ● 高い断熱性
それぞれ詳しく解説します。
地震に強い耐久性
日本では木材を柱や梁、筋交いなどで構成する「木造軸組工法」が一般的ですが、欧米では面と面を合わせて構成する「枠組壁工法」が主流です。たとえば、北米では角材と合板を接合して面を作る「2×4工法」あらかじめ床と壁のパネルを作って組み合わせる「パネル工法」が主流です。
またパネルを6枚合わせて6面体となる「モノコック構造」が使われるケースもあり、外力や建物のねじれ、変形に強いです。このように、地震に強い耐久性が輸入住宅の大きな魅力といえます。
開放的な空間
輸入住宅は、デザインやスタイルの良さだけでなく開放的かつゆとりの空間を作りやすい点が特徴です。たとえば、日本住宅の基本寸法は910mmや1,000mmに対して、北欧スタイルは1,200mm、アメリカンスタイルは1,220mmと大きくなっています。
基本寸法が大きくなると全体的にゆったりとした間取りとなり、空間や間口に広がりを感じやすくなります。その特徴を活かし、屋根勾配を利用して吹き抜けを採用すれば、さらに開放的な空間に仕上げることが可能です。
車いすを使う場合でも、廊下が広ければ通りやすいためストレスがあまりかからないでしょう。
高い断熱性
北欧は冬になると氷点下30度を下回る厳しい寒さであるため、寒冷地仕様の輸入住宅は断熱性能や気密性能に非常に優れています。たとえば、断熱性が高い3層ガラス窓は日本でも導入が進んでいますが、輸入住宅では30年以上も前から採用しています。他にも寒冷地仕様の輸入住宅に使われる断熱材は、一般的な日本住宅よりも厚みがある点が特徴です。
輸入住宅は日本よりも厳しい寒さの地でも快適に暮らせるように、家を断熱材で余すことなく包み込むことで高い断熱性能や気密性能を実現しているのです。
輸入住宅の相場は2,000~3,000万円
輸入住宅の建築費の相場は床面積40坪程度で2,000〜3,000万円であり、一般的な国内の木造住宅メーカーと大差はありません。住宅金融支援機構の「2022年度 フラット35利用者調査」によると、床面積40坪程度の一般住宅にかかった建築費は3,715万円と、輸入住宅の相場よりもやや高い結果となりました。ただし、輸入住宅においても内装やデザインにこだわりすぎると、相場よりも高くなる場合があるため注意しましょう。
また輸入住宅は海外から資材を輸入するため、為替の影響を受ける点に気をつけましょう。円安だと資材の価格は高くなり、円高だと安くなります。
もし円安が続いて輸入住宅を建てるのが難しい場合は、中古で購入するのも一つの方法です。なお、中古の場合は1,000万円台で購入できるケースもあります。
輸入住宅は人気が高く物件数も少ないですが、あきらめずに探し続ければ理想の物件に出会えるかもしれません。
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東京圏で注文住宅を建てた人の建築費の平均は3707万円
まとめ
本記事では、輸入住宅における3つのスタイルの特徴や魅力、建築相場について解説しました。輸入住宅とは、海外の設計思想を活用して日本国内で建築された住宅です。アメリカンスタイルと北欧スタイルの2種類が代表的で、おしゃれなデザイン性と高い機能性を兼ね備えています。
輸入住宅の建築費は、建物にこだわりすぎなければ一般的な国内の木造住宅メーカーと大きく変わりませんが、為替の影響を受けるため注意が必要です。予算が厳しければ中古住宅を購入する方法もあります。
輸入住宅の購入で後悔しないように、自身の希望に合う理想的な住宅を考えましょう。
執筆・情報提供
矢野 秀一郎
宅地建物取引士。大学卒業後、不動産会社2社に就職。
時間貸駐車場の開発営業や運用・不動産売買の仲介・新築やリフォームの営業および現場管理・分譲工事のプロジェクトリーダーなどに従事。
不動産と建築に幅広く携わった経験を活かし、現在は不動産特化ライターとして記事の執筆や監修を行う。
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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。