2023.11.20
ビルダーとは?工務店や設計事務所とどう違う?
家づくりを検討されているならば、ビルダーという言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。しかし、ビルダーは家づくりの依頼先の一業態ですが、その特徴は大手のハウスメーカーや地元の工務店に比べて、分かりにくい点があります。
そこで本記事では、ビルダーの特徴やメリット、ビルダーを選ぶべきかの基準などについて解説します。
INDEX
ビルダーって?
ビルダーとは、住宅建築会社の展開規模や年間の施工棟数をあらわす区分であり、1都道府県か隣接県程度のエリアを対象に年間でおよそ30棟以上の設計・施工を手掛ける業種です。そのため、ビルダーは地域密着型の工務店と全国規模のハウスメーカーの中間的な存在という位置づけと言えるでしょう。
なお、「地域ビルダー」「ハウスビルダー」「ホームビルダー」「パワービルダー」などと呼ばれることもあります。
規模の順番
工務店 < ビルダー < ハウスメーカー
大きめの規模のビルダーはハウスメーカーのように独自の商品ラインナップを揃えていることもあるので、気になる企業はチェックしてみましょう。
ビルダーと工務店・ハウスメーカー・設計事務所との違いは?
ビルダーと工務店・ハウスメーカー・設計事務所との違いについて、掘り下げてご紹介します。
ビルダーと工務店との違い
工務店とビルダーは、どちらも地域密着型である点を強みにしているため、違いが分かりにくい面があります。
まず工務店は注文住宅を手掛け、大手の2次請けなどではない限り、定型の住宅商品は持たないケースが一般的です。またエリア内での営業を行うところが強く、地域密着型と言えます。
一方でビルダーは、施工会社と契約をして現場の施工を行っているケースもあり、工務店よりもエリアの手が拡げやすいです。また、注文住宅だけでなく建売住宅中心の会社もあります。
販売実績ではおおよそ年間30棟以下の規模を工務店、それ以上をビルダーという分け方をします。工務店は家づくりを依頼する施主の要望に細かく応え、地域特性に合わせたオーダーメイドの家づくりを得意とする点も特徴と言えるでしょう。対してビルダーは工務店に比べ、土地・建物・資材の情報網に強い点が特徴です。
ビルダーと工務店の比較
工務店 | ビルダー | |
---|---|---|
受注形態 | 注文住宅主体 | 建売も手掛ける |
年間販売規模 | 30棟以下 | 30棟以上 |
強み | 地域特性に合わせたオーダーメイド | 土地・建物・資材の情報網に強い |
ビルダーとハウスメーカーとの違い
ハウスメーカーは三大都市圏(首都圏、中部圏、近畿圏)を含む全国展開で規模が大きく、注文住宅(セミオーダー主体)、賃貸住宅の建設なども受注する企業です。販売実績では年間300戸以上、又は年間延べ床面積30,000㎡以上の建築物を供給、あるいはこれに準ずる企業であることとされています。(一般社団法人プレハブ建築協会基準)
また、開発者からでなく個人顧客からの請負が基本であり、建売住宅がメインである場合は、ハウスメーカーには分類しません。大手企業として全国規模で均一な品質の住宅を供給し、国の政策による住宅性能の基準や法令に率先して適合する家づくりを行うという位置づけがあると言えるでしょう。
対してビルダーは、エリア内の不動産の流通情報、土地の特性などに精通していて、ハウスメーカーの手の届かない領域で、施主の細かいこだわりに応えられる存在です。
ビルダーとハウスメーカーの比較
ハウスメーカー | ビルダー | |
---|---|---|
受注形態 | 独自商品・セミオーダー主体 | カスタム度は高い |
年間販売規模 | 300棟以上 | 30棟以上 |
強み | 全国展開・商品を選びやすい | 地域密着・小回りが利く |
ビルダーと設計事務所との違い
設計事務所は設計と設計監理業務に特化した会社、もしくは個人事務所を指します。設計監理とは、家の設計が仕様通りに作られているかをチェックする作業を言います。
設計事務所とビルダーの違いは業務範囲・内容で、ビルダーは設計・施工を一括で請け負いますが、設計事務所は家の設計と工事の進行管理、コスト・品質のチェックまでが業務範囲です。施工は提携、あるいは施主の要望の工務店などに委託します。
一方ビルダーは不動産市場の動向の知識、施工までの細かい対応の把握などに強みがあります。
ビルダーと設計事務所の比較
設計事務所 | ビルダー | |
---|---|---|
受注形態 | カスタム度は最高レベル | 小回りが利く |
年間販売規模 | さまざま | 30棟以上 |
強み | 納得のいく設計が依頼できる | 施工まで一括で請け負う請負 |
ビルダーのメリットとデメリット
他の業態との比較で浮き彫りとなったビルダーの特徴を整理して解説します。
ビルダーのメリット
ビルダーのメリットを簡潔に表現すると、「すべてを備えたちょうど良さ」と言えるかもしれません。なぜなら地域密着で家づくりのすべての工程を担い、中小規模でもコストや時間を抑えた家づくりを可能にしているからです。
ビルダーのメリット
- 土地探しに強い
- 事前に仕様を確認しやすい(企業規模による)
- 価格は手ごろ
- すべての工程に1社で関わり、融通が利く
- アフターフォローが受けやすい
広くとも3県エリアほどを営業対象とするビルダーは、不動産仲介、土地分譲、建売、リフォームなど住まい関連の事業を併せて行っているところも多く、地元の不動産事情に通じています。特に郊外や地方のビルダーは、安くて利便性のいい市街化調整区域の土地の斡旋が得意です。
通常市街化調整区域は住居が新築できませんが、都市計画法34条に規定される例外が存在し、これらの土地は価格や固定資産税が安く、面積にゆとりがあり、将来的に市街化の可能性もあります。
ご参考:都市計画法34条12号(サカエホーム)
同じ予算内で土地の販売価格と税務上のランニングコストが低く抑えられれば、その分建物にお金がかけられます。したがって、ビルダーは土地売り出しの情報には非常に敏感です。
ビルダーの中には、住宅展示場や既存物件で建物の仕様を確認できるところもあり、その場合はイメージを膨らませやすいので設計の段階で要望を伝えやすくなるでしょう。ビルダーもフランチャイズチェーンに加入している場合があり、その場合はさらに仕様の確認はしやすくなります。
また、竣工後のお客様の協力で見学をさせてもらい、住んだ感想が直接聞ける制度を行っているところもあります。価格は、攻めの設計ではなく標準的な仕様を基準にした家を、特定のエリア内で数多く供給することで、リーズナブルな販売価格を実現しています。
さらに、メンテナンスを依頼した際の費用も大手ハウスメーカーに比べて抑えられます。そして、分業の進む他の業態と比較して一貫した家づくりを行うため、その点でも設計からアフターフォローまで、コミュニケーションがとりやすい点がビルダーの特徴と言えるでしょう。
ビルダーのデメリット
地域密着のビルダーは、ハウスメーカーと工務店のいいところを集めた存在である反面、デメリットもあります。
ビルダーのデメリット
- 細かいフルオーダーは難しい
- 最新の住宅設備や住宅性能には明るくない場合も
- 会社ごとの体質を把握する必要がある
細かいオーダーなら工務店や設計事務所、商品ラインナップの広さで選ぶならハウスメーカーが有利なので、その点では差が出ます。また、ビルダーはハウスメーカーほどブランドや技術開発に投資しておらず、設計事務所のような強い個性もないので、良くも悪くも標準的な家になります。
また、細かい仕様をフルオーダーされる場合、「標準仕様にはそれなりのメリットがあって標準」であることを理解できる知識が必要になります。さらに、標準から外れることが設計や資材などの価格に反映される点も意識しておきましょう。
国の政策による住宅性能の基準や法令に率先して適合する家づくりは、大手ハウスメーカーの強みと言えます。つまり、最新の安全性、快適性、エコ性能などを求める場合は、ビルダーよりハウスメーカーの方が向いているでしょう。
もう1点、ビルダーには注意すべき点があります。ビルダーはさまざまな規模や業態の企業があり、工務店に近い会社から、ハウスメーカーへの道を目指す会社まで、体質、方向性はさまざまであるため、そこを見極めましょう。
ビルダー・工務店・ハウスメーカー・設計事務所のどれを選ぶべき?
本章では、設計・建築会社のうち、どれを選べば良いのかという角度から、タイプ別でご案内します。一戸建てを施工する場合は、必ず建築基準法や都市計画法という法律にもとづき設計施工され、建築確認という手続きを経る必要があります。つまり、この基準にしたがって作られた建物であれば、どのようなタイプの会社に依頼して建てても、一定の品質に至らないことはありません。
施工を依頼する会社選びは、この一定の品質以外の部分で何を求めるかという施主の側の希望によって、「何を重視するか」を選択します。
以下の表は2015年・東京都の着工棟数のシェアです。(施工ベースなので設計事務所は含まず)
出典:住宅産業研究所
ビルダーを選ぶべき人
ビルダーは、限られた予算を有効に使い、家の仕様よりも家の立地や維持のしやすさにこだわりたい人に向いています。選ぶ企業にもよりますが、標準仕様が基本と言っても固定的なものではなく、仕様の融通が利くため、プランの自由度もあります。
居住エリアを決めて掘り出し物の土地を狙い、一人の担当者とじっくり付き合って家づくりを進めたいなら、ビルダーがおすすめです。
ビルダーの特徴まとめ
規模 | 1都道府県内や、多くとも2~3県で事業展開。全国展開はしていない中規模の住宅建築会社。
年間おおよそ20から30棟の施工実績と言われるが、実際はかなりの棟数を手掛ける場合も。 |
特色 | 基本的な仕様は固定した上で、無駄を省いてコスト削減をしている。 |
請負 | 会社によってさまざま。規格品主体の会社と、注文住宅寄りの会社に分かれるため、要確認。 |
メリット | 土地探しから相談できるところが多い。担当窓口が1人か2人で、コミュニケーションしやすい。地域密着でアフターフォローも期待できる。 |
設計 | 自由度は会社によって異なる。(ハウスメーカー寄り=低い・工務店寄り=高い) |
価格 | 価格帯はパワービルダーに次いでお買い得の場合が多い。 |
施工 | 自社で施工。まれに契約業者が施工することも。 |
モデルハウス | 総合展示場・単独展示場を持つか、見学会を催している。 |
向いている人 | みたいエリアが決まっており、良い土地を探し、長く暮らしたい人。 |
ハウスメーカーを選ぶべき人
ハウスメーカーは予算に余裕があり、多くの選択肢からタイプを選べます。そのため、保証や性能を重視したい人に向いています。長期保証やメンテナンスサービスなどのアフターケアも充実している点もメリットです。大手企業ということもあり、施工中や保証期間中の倒産リスクも低いと考えて良いでしょう。
また、せっかく家を作るなら最新の住宅性能を得たいという場合もハウスメーカーがおすすめです。
ハウスメーカーの特徴まとめ
規模 | 全国規模で展開している。全体のシェアは全国レベルで平均30%前後だが、少ない大手企業が非常に多い棟数を手掛ける。 |
特色 | 独自に開発した技術を投入し、高性能な住宅を供給する。 |
請負 | 仕様やデザインの決められた企画商品が中心で、一部セミオーダー。ただし大手の会社はバリエーションが非常に豊か。 |
メリット | 大手企業ならではの安心感。高い品質。保証やアフターフォローも万全。 |
設計 | 施主の注文による設計の自由度は低い。 |
価格 | 広告費、人件費、メンテナンス用の資材の確保などが影響し、価格的にはハイエンド。 |
施工 | 契約施工業者がメーカーから資材の提供を受けて施工する。 |
モデルハウス | 総合展示場・単独展示場など、事前にイメージを確認する機会は豊富。 |
向いている人 | 予算に余裕があり、ブランドや安心感、最新の住宅性能を得たい。ただしカスタムオーダーは求めない人。 |
工務店を選ぶべき人
工務店はその土地に向いた家作りを、家族の希望をしっかりと反映して行いたい人に向いています。工務店は地域の特徴をしっかりと捉えたノウハウとサービスが特徴で、気候なども反映し、その土地に合った断熱性や気密性、対候性のある家づくりが期待できます。
また、設計に規格商品という概念がなく、特に在来工法の場合は、施主の要望に柔軟に応えてくれるでしょう。
工務店の特徴まとめ
規模 | 地域密着の中小規模住宅建築会社。施工実績年間30棟以下がめやす。 |
特色 | 自由度が高く、自分好みの住宅が建てられる。コスパも良い。 |
請負 | フルオーダーの注文住宅を中心に請け負う。(下請けもあり) |
メリット | 地域密着で、風土をよく知る建物づくりができる。アフターフォローも安心。 |
設計 | 自由度は高い。地域特性に合わせたアドバイスも受けられる。 |
価格 | 広告費、人件費、メンテナンス用の資材の確保などを行わないため、価格はフルオーダーとしてはお得感あり。 |
施工 | 自社で施工。 |
モデルハウス | ない会社が多いので、ホームページの施工例や見学会で確認する。 |
向いている人 | フルオーダーメイドで、地域特性に根差した作りの家を建てたい人。 |
設計事務所を選ぶべき人
設計事務所は、家づくりのうち特にデザインに思い入れのある人に向いています。規格のない設計が可能で、施主のこだわりを細部まで汲み取った自由なデザインを依頼できるでしょう。
会社ごとにこだわりや得意分野があるのも設計事務所の特徴なので、個性的な形の家、狭小地、傾斜地、変形地、大小問わず規格外の規模の家などにも対応しやすいです。設計事務所は施工事例のポートフォリオを紹介しているケースがほとんどなので、参考にして選びましょう。
設計事務所の特徴まとめ
規模 | 会社もしくは個人事務所。規模はさまざま。大規模な組織は住宅よりも公共建築物を手掛ける。 |
特色 | 設計と設計監理に特化し、施主に徹底して寄り添う家づくりが可能。 |
請負 | 施工はすべて外部。フルオーダー設計のみ行う。 |
メリット | 施主のこだわりを具体化し、レベルの高いデザイン提案も受けられる。 住宅以外のさまざまな設計ノウハウが活かせる場合もあり。 |
設計 | 自由度は最高レベル。 |
価格 | フルオーダーのため、設計と設計監理だけで比較すれば高額となることが多い。 |
施工 | 提携先か施主の希望先で施工。 |
モデルハウス | 作品として、インターネット上やカタログ、専門雑誌などで閲覧することが可能。 |
向いている人 | デザインのすぐれた家を作りたい人。唯一無二の家を持ちたい人。地形や狭小など、土地の不利な要素を建物でカバーしたい人。 |
ビルダーを選ぶときのポイント
数あるビルダーから依頼先を選ぶ際のポイントをご紹介します。
ビルダーを選ぶポイント
- 会社の方向性
- 施工事例やプラン
- 会社の規模や信用度
- 見積もり内容
- スタッフの対応
まずビルダーは前述のように、会社の体質、方向性によって工務店寄りのコンパクトなビジネスか、ハウスメーカー寄りかに分かれます。会社の方向性によって受注の方針が異なるため、セミオーダーどまりか、建売に近いか、地域の情報感度の良しあしなどが変わってきますので、その点を確認しましょう。
どのような家が作れるかについては、住宅展示場の基本プラン、ホームページの施工事例などを参考にしましょう。会社の規模や信用度は、会社概要や従業員数、会社や社員の保有資格、加盟する協会、施工事例などから確認してください。
最後にスタッフの対応ですが、どんなに良いプランや施工技術を持っていても、スタッフとのコミュニケーションがうまくいかなければ、家づくりは成功しません。
以下の点を意識して確認しましょう。
- 見積もりの内容説明は分かりやすいか
- 要望に合わせた提案をしてくれるか
- 質問に対する回答が分かりやすく的確か
- 担当者との相性は良いか
- アフターフォローが期待できそうか
これらの対応を確認するのは、実際にやり取りをしてみることが一番です。
住宅の見積もりや依頼先の会社選びは、どのような家を作りたいかをはっきり伝えるほど先方の対応も具体性を増すため、ある程度踏み込んでやり取りをする必要があります。特に注文住宅の場合、間取りやデザインの自由度が魅力ですが、そのために値段が分かりにくいということにつながります。
依頼するビルダーを決めるまでのプロセスは、以下の通りです。
- 建てたい家のイメージ固め
- 住宅展示場や施工例をチェック
- 候補のビルダーを選ぶ
- 2~3社に建築プランと見積もり書の作成依頼
- 提案をもとに検討した上依頼先を決定
まず、どんな家を作りたいかのイメージを家族で話し合って、候補エリアのビルダーの住宅展示場や施工例を検討します。下調べした上で気に入った2~3社のビルダーに依頼して、建築のプラン(間取り図)と見積もり書を作成してもらいましょう。
できあがった提案内容を比較すると、自分に合った会社選びが具体化します。注文住宅のプランの作成は、施主の要望を反映して1棟づつの作成となります。
間取りづくりや仕様の確認にあたって、担当者がヒアリングしてくれますが、以下の内容を事前にまとめておきましょう。
- 予算
- 建設の希望エリア
- 希望の間取り(部屋数と配置のイメージ)
- こだわりたい設備(浴室、吹き抜け、スキップフロア他)
- デザインの方向性(モダン、和風、北欧ほか)
要望はなるべく具体的に、しっかり伝えましょう。不明点は納得できるまで質問してください。「これに近い感じで」という画像や、希望に近い間取り図などを準備すると、相手に伝わりやすくなります。
なお、「そんなにこだわりがないから」と詳しいプランを作らずに、おおまかな候補地と延べ面積を想定して概算を作成する方法もありますが、あとで追加の費用が発生するリスクがあるので注意しましょう。
各建築会社から設計プランと見積もりが提示されたら、内容を検討して1社に絞ります。見るポイントは、希望が取り入れられた間取りになっているか、魅力のある間取りの提案か、予算の範囲のプランとなっているかどうかなどです。
見積もり書は、おもに以下の科目で構成されます。
建築費 (本体工事費) |
基礎や躯体など建物の構造にかかる工事、外壁工事、屋根や窓、内装、キッチン・トイレ・浴室などの設備工事、配管・配線工事など |
諸費用 | ・工事請負契約書印紙代 ・住宅ローンの諸費用 ・火災保険料、地震保険料 ・水道負担金 ・登記費用 ・地盤調査費用 ・建築確認申請費用 ・不動産取得税 ・地鎮祭費用(希望する場合) |
別途工事費用 (その他工事費用) |
・給排水工事 ・外構工事 ・地盤改良工事 ・エアコン工事 ・太陽光発電設備 ・取り壊し工事費(必要な場合) |
金額の明細については、以下の点をチェックしましょう。
- 可能な限り同じ条件で比べる
- 総額が予算内かどうかを検討する
- 見積もりが上がる可能性を確認する
- 見積もりが下がる可能性を確認する
各社の金額差を同じ条件で比べるには、以下の点を比較して均等化しましょう。
- 床面積(面積に比例して工事費も上がる)
- 建物性能(耐震等級、断熱性能、遮音性能などのランクを確認)
- フローリング(傷に強いもの、床暖房対応、質感が良いものは高額)
- 外壁の種類(サイディングもグレードによる。タイル張りはサイディングより高額)
- 設備(キッチン・風呂などのグレードもチェックして比較)
ここで再度住宅展示場を見学して、説明を聞いてみるのも参考になり、施工中の現場の見学会なども相談できます。こうしたプロセスを通じて、コミュニケーションをとりやすい、信頼できる担当者であるかも確認できるでしょう。
ビルダーについてのQ&A
ビルダーに関するよくある質問と回答をまとめましたので、ご覧ください。
ビルダーって何ですか?
年間30棟以上の施工実績があり、3県ほどのエリアで地域に根差したセミオーダーもしくはフルオーダーの家づくりの請負企業です。
ビルダーに頼むメリットは何ですか?
以下の点が、ビルダーに家づくりを依頼するメリットです。
- 住宅用地の立地や、安くて良い敷地確保から相談できること
- 事前に仕様を確認しやすい(企業規模による)
- 価格は手ごろで、メンテナンス費用も高くない
- すべての工程に1社で関われるので、仕様の要望も融通が利く
- アフターフォローも受けやすい
ただし、ビルダーごとで方向性は異なるので、メリットだけでなくデメリットもチェックしましょう。
ビルダー以外に頼んだ方がいいのはどんな場合ですか?
設計段階から間取りや資材など細かい点までこだわりたい場合は、設計事務所や工務店がおすすめです。一方建物の信頼性や安全性、設備や技術の高さを重視する場合は大手のハウスメーカーがいいでしょう。
また、ローコストの建築を希望する場合は、パワービルダーに依頼する方法もあります。
ビルダーを選ぶ上で注意する点は何ですか?
大きな方向性では、以下の点をしっかり確認しましょう。
- どこまで施主の希望を通す余地があるか
- 価格と内容の比較
- 信頼できそうな会社か
- スタッフの対応の良さ
- どんなプランが売りとなっているか
スタッフの対応の確認は、実際のやり取りでチェックしましょう。
まとめ
ビルダーの特徴やメリット、ビルダーを選ぶべきかの基準などを解説しました。本記事を参考に「ビルダーに依頼しよう」と決めた場合、あとはエリア内からそれぞれのビルダーの強みを比較することも、検討の際の大切な要素となるでしょう。
ビルダーの中には、キャッチフレーズに「完全フル装備の家」「建築家と創る輸入住宅」など、自社の特徴をかかげているところがあります。
- 大工さんが作る家というような職人技術が自慢
- お値ごろ価格で住宅設備が充実している
- 子育てに安心な仕様や設備
- 広いウッドデッキやアウトドアリビングのオプション
このような観点から、住みたい家のイメージの参考にするのも良いでしょう。
執筆・情報提供
滋野 陽造
滋野 陽造
保有資格:宅地建物取引士 賃貸不動産経営管理士。
マスコミ広報宣伝・大手メーカーのWebディレクター・不動産仲介業を経て、ライター業・不動産投資に従事。
実務経験をもとに、不動産の賃貸業・売却・購入、暮らしの法令などのジャンルで記事の執筆を行う。
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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。