2024.03.22
おしゃれで素敵な家の外観・内観12選!押さえておきたいポイントも紹介
毎日眺めるたびに「ああ、いい家だな」と思える家づくりに大きな要素を占めるのは、やはりデザイン性でしょう。
本記事ではおしゃれで素敵な家の施工例を通して、外観・内観のつくり方や、デザインを決めるうえで押さえておきたいポイントを解説します。
INDEX
外観が素敵な家6選
家のおしゃれなデザインは、大きく外観と内観に分かれます。まず外観のデザインに関して、素敵だと思える要素6つの考え方をご紹介します。
下記は「外観が『かっこいい家』とはどんな家だと思いますか?」というアンケートの回答結果です。シックで外見に広々感がある家のイメージが主流となっているようです。
スタイリッシュなあこがれの外観
凝った外観の造形は、施主の予算と情熱の注ぎ方も感じられ、おしゃれな家としての評価度は高いです。
一般の施主の方が凝った家の造形を考えるのは難しいので、Webサイトや建築雑誌などで好みのデザインを探し、屋内はどのような機能になっているかも想像してみましょう。
写真の外観は屋内からの景観や2階の構造など、機能へのこだわりも伝わってきます。ひな壇の敷地に、前面道路との間のゆとりある空間がぜいたくです。硬質のコンクリートに木材や大きめの植栽のアクセントが映えます。
安定感と威厳を秘めた和の造形
和風の意匠にモダンな要素を加えた、大きめの平屋の外観です。大家族が共に暮らす古くからの家の風情を感じます。
もとはシンプルな切妻屋根を組み合わせて連ねた複雑な造形と、シンプルな壁面の色がモダンなおしゃれさを引き出します。
また、長く連なった平屋は視覚的な安定感にすぐれ、ぜいたくな印象です。前面道路に向かって開けていながら、無防備な感じがしないのは、この家に感じる威厳の効果かもしれません。
外観を引き立てる外構の造作
門構えや敷石、植栽などの外構の処理は、家の外観のおしゃれさに大きな影響を持ちます。
用いる素材に建物との統一感を意識することで、建物単独の状態よりも奥行きや高級感を生んでくれます。
植栽は季節によって表情を変え、年を経て成長するため、専門家と相談して完成したベストの状態や、手入れの計画まで考えておくのがおすすめです。
外構は、必ずしも建物の完成と同時に仕上げる必要はなく、家の外観や周囲の景観を考慮しながらつくるのもよいでしょう。
未来を連想させるクールモダン
近年は家の構造の自由度が上がり、素材の種類も豊富になっており、少々未来に踏み込むようなモダンな外観に取り組むのもよいかもしれません。
写真のように色使いはシンプルに、外構やガレージ部分との統一感をはかりながら、従来の住宅とは少し違う外観イメージを打ち出しているのが魅力的です。
陸屋根とベランダを支える柱がクールで無機的に見える点も、外観の印象を構成しています。
庭とのつながりを活かした平屋の外観
平屋の住宅の外見の安定感は、庭との親和性も生みだします。
都市部では大きめの敷地や、プライバシーを確保するのが困難です。しかしリビングの外に大きめのウッドデッキを設けたり、庭で遊ぶ子どもたちのための芝生を整えると、平屋の外観は活き活きとします。
写真のようなL字型の造形の建物に面した庭は、複数の部屋から外が見渡せ、室内からの充実した解放感が得られるでしょう。
異国情緒を体現したアメリカンスタイル
北欧やアメリカンなど、異国情緒を持ったスタイルを取り入れる秘訣は、「なるべく中途半端にしない」点でしょうか。ドアや窓の意匠のほか、外観の手すりや外階段、植栽などの外構に至るまで、様式に沿って仕上げることで、周囲の景観との調和もはかれます。
外観の色使いは、派手にすると遊園地のようになって、住宅としては落ち着きのない姿になりがちなので、落ち着いた雰囲気の色がおすすめです。
写真の事例は玄関ポーチから連なるバルコニーの柱や手すり、照明、玄関ドア両サイドの照明など、細部にわたるこだわりが魅力的です。
内観が素敵な家6選
続いて、内観が素敵な家の事例をご紹介します。インテリアへのこだわりは、下記のアンケート結果が示すように、近年のコロナ禍の影響などもあり盛り上がりを見せています。
大きな窓からの景観
近年傾向として強まっているのは、外に向けて開放的なインテリアへの志向です。大きな窓を設け、そこからの景観を楽しみ、四季の移り変わりや日照、風を感じる良さが支持されているようです。
高所から見下ろす自然の景観のほかに、庭に家庭菜園や子どもの遊び場を設け、景色として取り入れる方法もあります。
庭への開放的な眺めは、外からもこちらがよく見える状況になるため、プライバシーへの配慮も必要です。
明るさ・開放感・プライバシーを提供する中庭
コの字、あるいはロの字の建物のなかに設ける中庭は、プライバシーへの気遣いなく、屋内の明るさや開放感、くつろぎを提供してくれる造作です。
ちょっとした植栽を配置するだけでも、おしゃれな演出度は高いですが、本格的な庭をつくると、日常にぜいたく感が味わえます。
椅子やテーブルを置いたり、バーベキューなどアウトドアリビングに利用したりするのもよいでしょう。
床面の高低がくつろぎを演出
家族の集まるリビングに、琉球畳などを敷いたステップフロア(小上がり)や、ソファーを置く場所を少し低くしたダウンフロアを設けてみましょう。くつろぎやすいうえに立体感のあるおしゃれな空間となります。
ステップフロアは個室として仕切らずに、リビングの一部として広々感を持たせるのが近年の流行です。気軽に寝そべったり、子どもを寝かしつけたり、来客の宿泊、荷物の一時的な置き場などにも活躍します。
ダウンフロアは囲まれ感、安心感を得られ、くつろいだ空気を演出してくれます。
壁材のアクセントでお部屋に奥行きや深みを
壁や床はなるべくシンプルにしたほうが、全体のバランスがとれる面はあるのですが、たとえばクロスの壁の一部を板張りやタイル張りにすることで、お部屋の奥行きを演出する効果を得られます。
クロスの色を一面だけ変える方法もよいでしょう。リビングや寝室に、ワンポイントだけ用いると効果的です。
和モダンの柔らかい雰囲気を堪能する
和モダンのお部屋は、柔らかさと凛とした空気が高級感を作り出します。
露出させた梁とふすまの窓が、シンプルなフローリングや家具・調度との組み合わせに映えて、日常の暮らしに充実感を得られそうです。
必要なものだけを配したお部屋にすることも、おしゃれの大切な要素でしょう。
解放感がもたらすくつろぎと豪華さ
高い天井や大きな窓、吹き抜け、写真のようなトップライト=天窓を備えたリビングは、家族の集まる場所にのびのびとした開放感をもたらします。
吹き抜けは実用面でも、2階の家族とのコミュニケーションの手段や、空間を共有する一体感を得る効果があります。
吹き抜けや天井高のあるお部屋は、空調効率をよくするために天井のシーリングファンや、床暖房の設置を検討しましょう。
素敵な家にするために押さえておきたいポイント
素敵な家にするためには、家の箇所ごとに押さえておきたいポイントがあります。下記の項目について、押さえておきたい点をご説明します。
- ● 外観
- ● 外構
- ● 玄関・窓
- ● 間取り
- ● 内装
- ● 階段
- ● 照明
- ● キッチン
- ● リビング
外観のポイント
家の外観は第一印象で施主のこだわりが伝わる要素といえます。おしゃれな外観にするために検討するポイントは以下です。
- ● 家の外観のテイスト(2~3階建てか平屋か。和風、洋風、シンプルモダンなど)
- ● 外壁の素材や色、アクセントのつけ方
- ● 周辺環境と調和するか
家の外観は後年リフォームで大きく変更しづらいので、特徴的な形に取り組むことも素敵ですが、飽きのこないような形にするのが基本でしょう。
写真のようにテイストをしっかり統一した家は、それだけでおしゃれさや一種の貫禄が備わります。
周囲の環境との調和も意識し、馴染むデザインにすることで、周囲の方だけでなく住む方にも居心地のよい家となるでしょう。
外構のポイント
外構は建物の個性や良さを引き出しながら、住む方のこだわりやセンスも見せられます。
たとえば住宅の1階部分にビルトインガレージを設けることで、印象的な外構となります。また、シンボルツリーは日よけや目隠しを兼ねながら、家のデザイン上のポイントの一部にできるでしょう。
写真のように建物と塀のテイストをそろえることで、落ち着きや華やかさを演出することもできます。
玄関・窓のポイント
近年は大きな窓がおしゃれな家に必要なアイテムとして注目を集めています。室内を開放的な空間にしてくれる大きな窓は、外観の要素としても目を惹きます。
大きな窓の設置は、外からの視線などのプライバシーや、まぶしすぎる採光の対策にも配慮が必要です。
窓は外観上のデザイン要素として、アクセントのように配置する要素もあります。また、写真のように玄関ドアまわりと窓のテイストをそろえると、個性的な雰囲気のある外観となります。
間取りのポイント
おしゃれな間取りのキーとなるのは、リビングを中心とした空間のつながりでしょう。開放感あふれるリビング・ダイニング・キッチンは、広々感から心のゆとりをもたらします。
1階と2階がつながった吹き抜けリビングや階段途中に設ける中2階=スキップフロアは、間取りのポイントとしておすすめです。
吹き抜けで高い天井をのぞむリビングは、実際より面積が広く感じられ、高級感もあります。スキップフロアは開放感につながるだけでなく、リモートワークや宿題用のスペースとして機能します。
スキップフロアは写真のように手すりを設けて仕切り、上下の間の適度なコミュニケーションを意識しましょう。
内装のポイント
内装をおしゃれに仕上げるためには、前述のようにテイストや色使いの統一感を大切にしましょう。見本で集めたなかの「いいな」と思える内装は、大部分が統一感を意識したものでしょう。
また、内装には家具や調度も大切な役割を持ちます。写真のように、お部屋のテイストに対して家具や調度まで意識してコーディネイトすることで、効果的で飽きのこない内装づくりができます。
階段のポイント
階段もリビングのなかに設ければ、そのデザインが大きなポイントになります。おしゃれな階段として、スケルトン階段やらせん階段の採用も増えています。写真のようなスケルトン階段は、開放感とデザイン性の高さがメリットでしょう。
階段は昇降時の安全も考慮する必要があるので、手すりや滑り具合にも配慮が欠かせません。また、リビングからの階段は2階に音やにおいが抜けますので、その点でも問題がないか検討しましょう。
照明のポイント
照明の選び方も個性が出る部分です。室内をシンプルに仕上げる方向性なら、写真のようなダウンライトやスポットライトを使用しましょう。また、壁や天井の段差をつくって間接照明を配置する方法もおすすめです。
逆に、照明をアクセントにして室内の個性を演出することも可能です。たとえば大きめのシャンデリアやペンダント、スタンドライトを設置して、照明自体の存在感を利用しましょう。
昼間と夜間で照明を使い分けるのも、お部屋の雰囲気づくりになります。
キッチンのポイント
キッチンは、とくにおしゃれさと作業の合理性を兼ね備えた設計にしたいところです。ポイントとなるのは、モノがあふれないだけの広さと収納力でしょう。
近年おしゃれなキッチンとして人気なのがアイランドキッチンです。左右どちらからも出入りでき、対面で2人以上が作業しやすいアイランドキッチンは、センスがよいうえに家事動線もスムーズで、支持されるのも納得です。
写真ではアイランドキッチンに、調理と洗い物が同時にこなせる壁際のシンクや壁面の収納もプラスし、家事効率を追求しながら、見せる収納のおしゃれも意識しています。
リビングのポイント
リビングは家族全員が集まってもっとも長時間過ごす場所であり、来客にも対応します。家族の意見をしっかり反映しながら、開放的でくつろげる空間を設計しましょう。
「がらんとしていて落ち着かない」という意見など、広々感とくつろぎは相容れない要素に思えますが、ステップフロアやダウンフロアをうまく利用して両立できます。
写真のように天井のシーリングファンで空調性能を補い、壁面のスポットの間接照明で夜間の明るさを調整することで開放的かつ快適な吹き抜けリビングになります。
リビングは全員が毎日使う場所なので、自然に家族が集う場所にしたいものです。
素敵な家を建てるための注意点
おしゃれさを優先して、暮らしやすさを犠牲にしたり、すっきりした空間にならなかったりしないよう、注意が必要な点があります。素敵な家を建てるために基本的なセオリーをご説明します。
収納の設け方
おしゃれな家を実現するためには、シンプルで片付いた部屋は不可欠といってよいでしょう。
衣類や雑貨など、普段の暮らしに用いるものを機能的に整理しておける収納は、おしゃれと暮らしの両面から重要な要素です。
カラーボックスやチェストではなく、隠す壁面収納を使ってすっきりとあるべき場所にしまうのがおすすめです。しかしお気に入りの雑貨やパントリーの食材をあえてガラス戸棚などに置いて、見せる収納にするのも楽しい方法でしょう。
家事動線への配慮
見た目のおしゃれさと、家事動線の合理性を両立させましょう。暮らしに機能的な家のつくりは、家への愛着に直結します。
収納の設け方と同様に、素敵な家とシンプルにまとまった暮らしはイコールといってよいでしょう。
脱衣から洗濯、乾燥までを一気にできるランドリールームや、家族の衣類を集中管理できるファミリークローゼットや玄関のクローゼット、食品の収納と管理をしやすくするパントリーなどが人気です。
テイストや色使いを統一する
たとえば北欧風と和風の好きな部分を両方取り入れようとすると、それぞれのテイストが溶け合わずに、うまくいかないことが多いです。
テイストに沿った色使いがあるため、色の面でも落ち着かない空間となります。色使いが多すぎると落ち着かない場所になるほか、リビングなどの大きな空間では、部屋全体が狭く見えるでしょう。
異なるテイストの部屋をつくる場合は、子ども部屋や寝室など、独立した部屋でおこなうのがおすすめです。
好きなものを集めて、かえって居心地が悪くなるのでは本末転倒なので、おしゃれな家をつくる際は、テイストや色使いの統一感を意識しましょう。
優先順位と予算配分
家づくりの際は、家族での話し合いを経て、何を優先するかを決めておきましょう。たとえば「明るいリビングとリビング階段を優先して、予算が厳しい場合はこれはやめる」という検討のための基準です。
金額を度外視したプランだと資金計画に無理が出たり、融資は受けられても返済が大変になったりすることがあります。
実現したいことの順番をはっきりさせておけば、総合的に満足度の高い家に仕上げられるでしょう。
まとめ
おしゃれで素敵な家の実例を通して、外観・内観のつくり方や、デザインを決めるうえで押さえておきたいポイントを解説しました。
最初から家の内・外観の細部にこだわると目移りしてしまい、迷いが生じるかもしれません。
本記事を大まかな方向性を決めるうえでの参考にして、サンプル集めや家族の要望のまとめ、優先順位決めを経て、「この部分はこうしたい」と設計者の方に伝えられる準備を進めていただければと思います。
執筆・情報提供
滋野 陽造
マスコミ広報宣伝・大手メーカーのWebディレクター・不動産仲介業を経て、ライター業・不動産投資に従事。
実務経験をもとに、不動産の賃貸業・売却・購入、暮らしの法令などのジャンルで記事の執筆を行う。