2024.04.05
家を購入する際の税金について詳しく解説
家づくりの際には、土地や建物を取得したとき、土地・建物を所有しているときなどに、各種税金がかかります。いつ払うかの納税タイミングと、どのくらい課税されるのかをあらかじめ知っておきましょう。
知識を得れば住宅購入の予算や普段の家計に組み込むことができ、納税通知が来てから慌てるようなこともありません。
この記事では、住宅の税金の基礎を知りたい方向けに、納税のために必要な知識をご説明します。
INDEX
税金の種類
家を建てるときには、さまざまな税金がかかります。新築時には下表のような税金がかかってきます。以下に家にかかる税金一覧をご覧ください。
新築時にかかる主な税金 | ||
---|---|---|
税金の種類 | 対象 | 税率 |
印紙税 | 売買・請負・金銭消費貸借契約書 | 契約書に記載されている金額により異なります |
登録免許税 | 不動産登記 | 建物の規模や評価額により異なります |
不動産取得税 | 不動産の取得(購入・建築ほか) | 不動産の価格×税率 |
固定資産税 | 不動産の所有 | 市町村が条例で定めた税率 |
都市計画税 | 不動産の所有 | 0.3/100(制限税率)市町村が条例で定めた税率 |
土地・建物の取得時にかかる税金
不動産にかかる税金は、取得の際の税金と、保有しているときの税金に分けられます。まず取得した際にかかる税金についてご説明します。
不動産取得税については、土地と家屋と別々に計算するので、注意しましょう。
印紙税
不動産の売買契約書や建築の工事請負契約書、住宅ローンの金銭消費貸借契約書などに貼付して消印する印紙は、印紙税という税金です。
法律上は、これらの契約書を作成した側が印紙税を負担することとなっています。契約の双方で折半して負担してもかまわないのですが、買主側が印紙代を負担するよう取り決めるケースが多いようです。
物件の価格と収入印紙の税額との関係は以下です。2027年3月末までは新築住宅に限り、印紙税が安くなる優遇措置がとられています。
印紙税の金額は購入した物件の価格で決まります。不動産の価格は相場で1,000~5,000万円が多いことから、現状1万円の印紙を購入するケースが多いでしょう。この税率は売買、建築請負、住宅ローン、いずれの契約も同じ扱いとなります。
近年はデジタル化推進や働き方改革が進んでいる関係で、各種契約書も電子契約を電子メールで取り交わすことが増えてきました。
電子契約の場合は、印紙税の納入は不要になります。電子契約に印紙を貼らなくてもいいのはなぜでしょう?
電子メールに添付したPDFファイルや、FAXによる契約書の取り交わし、電子契約書の取り交わしは文書を作成したことに該当せず、印紙税は非課税という説明がされています。
電子契約も電子ファイル電子データで契約を交わすため、文書の作成をしたことにはならないという解釈です。
登録免許税
登録免許税は、新築の際の建物保存登記や、中古住宅購入時の所有権移転登記の際に発生します。税率は固定資産税率価額に応じて変わりますが、特例として取得後1年以内に登記をすれば税率が軽減されます。
納付の方法は原則として現金ですが、オンライン申請の場合には電子納付も可能です。 登記を受ける場合、登録免許税額相当の金額を銀行等に納付し、領収証書を当該登記の申請書に貼り付けて法務局に提出します。
しかし納付の作業は登記を代理で行う司法書士に依頼することがほとんどで、司法書士の報酬と一緒に、実費として請求されるのが一般的です。
登録免許税の税額は、以下のように土地・建物それぞれの評価額に税率をかけて計算されます。
登録免許税の計算: 税額 = 課税評価額(課税標準) × 税率
ここでいう評価額とは住宅価格そのものではなく、固定資産税評価額のことであり、取引が金銭の発生しない贈与であったとしても、評価額にしたがって課税がされます。また、住宅ローンの借り入れの際も、金融機関による抵当権の登記に対して登録免許税がかかります。
また、現在2027年3月31日まで(土地は2026年3月31日まで)、住宅の登記簿上の床面積が50㎡以上であれば、以下の表のように税率が軽減されます。
項目 | 種類 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|---|
所有権移転登記 【売買】 | 土地 | 20/1000(2%) | 15/1000(1.5%) |
所有権移転登記 【売買】 | 建物 | 20/1000(2%) | 3/1000(0.3%) |
所有権移転登記 【売買】 ※ 認定長期優良住宅(マンション) |
建物 | 1/1000(0.1%) | |
所有権移転登記 【売買】 ※ 認定長期優良住宅(戸建住宅) |
建物 | 2/1000(0.2%) | |
所有権移転登記 【売買】 ※ 認定低炭素住宅の場合 |
建物 | 1/1000(0.1%) | |
所有権移転登記 【売買】 ※ 一定の増改築等住宅 |
建物 | 1/1000(0.1%) | |
所有権移転登記 【相続】 | 土地・建物 | 4/1000(0.4%) | |
所有権移転登記 【遺贈・贈与】 | 土地・建物 | 20/1000(2%) | |
所有権保存登記 | 建物 | 4/1000(0.4%) | 1.5/1000(0.15%) |
所有権保存登記 ※ 認定長期優良住宅の場合 |
建物 | 1/1000(0.1%) | |
所有権保存登記 ※ 認定低炭素住宅の場合 |
建物 | 1/1000(0.1%) | |
抵当権の設定登記 【借入】 | 土地・建物 | 4/1000(0.4%) | 1/1000(0.1%) |
不動産取得税
土地や家屋の購入、贈与、家屋の建築などで不動産が自分の名義となったときに、取得した方に対して課税される税金です。タイミングは通常は新居に移った後、納税額の通知が届くかたちです。
登録免許税と同様、有償・無償の別なく、さらに登記の有無にかかわらず課税されます。ただし、相続による取得など、非課税となる例外もあります。計算方法は以下です。
不動産の評価額×税率(4%)=税額
不動産取得税の税額は、不動産の評価額(固定資産税評価額) に税率を掛けて計算します。税率は4%ですが現在、土地と住宅は、軽減税率として3%となっていますので、申告の際はご確認ください。
このほかにも、以下のように税負担を軽減する特例措置があり、課税額が0円となることもあります。
新築住宅・住宅用地特例:新築住宅を取得する場合、住宅の床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下であれば、評価額から1,200万円を控除。
住宅用地を取得する場合:次のいずれか高い方の額を土地の税額から軽減する。
- 1. 150万円×税率
- 2. 土地1平方メートル当たりの価格×住宅の床面積の2倍(1戸200平方メートル上限)×税率
※ただし、土地を取得した日から一定の期間内に、その土地に住宅が新築されているなどの一定の要件を満たすことが必要。
また、令和9年3月31日までに宅地などを取得した場合は、その土地の課税標準額は価格の2分の1となっています。
課税標準額が次の金額未満の場合、不動産取得税は課税されません。
- 土地:10万円
- 家屋の新築、増築、改築:23万円
- その他の売買など:12万円
不動産取得税ほかの地方税は、税率や優遇措置などについて、見直しや変更を行う可能性があります。常に最新の情報を参照するようにしてください。
住宅所有時にかかる税金
家を所有した場合、建てた後にかかる税金も必要になってきます。
住宅を所有している期間にかかる税金は、固定資産税と都市計画税の2つです。ただし都市計画税は市街化区域に家を持った方だけが対象に課税されます。
固定資産税
固定資産税は住宅の所有者に毎年かかる税金で、税率は固定資産税評価額の1.4%です。評価額は3年ごとに見直され、土地や新築住宅には軽減措置があります。
たとえば、令和9年3月31日まで、新築住宅にかかる固定資産税を3年間(マンション等の場合は5年間)、2分の1に減額が可能です。
宅地や住宅は固定資産税が軽減されていますが、近年社会問題化している空き家の増加に対応するために、「特定空き家」と認定された場合は住宅の固定資産税の優遇がなくなります。実家などの管理には注意しましょう。
この場合納税額が6倍ほどになる可能性がありますので、相続したまま手を付けていない実家などが該当した場合は、負担増が深刻です。
また、税率は地域によって異なることがあります。市町村の判断で財政上とくに必要があるときは、1.4%を上回った税率を課すことができるためです。詳細は最寄りの自治体でご確認ください。
都市計画税
都市計画税は、市街化区域内の土地・家屋が課税対象となります。計算方法は以下です。
土地又は家屋の評価額×税率(0.3%以下・自治体の条例による)=税額
都市計画税の税率は一般的には0.3%とされていますが、課税自治体の条例で決めることができ、0.3%以下の範囲で設定され、徴収しないこともできるとされています。
固定資産税と都市計画税は、課税標準額の合計が家屋で20万円、土地で30万円に満たない場合は課税されません。地方などでは、納税額より納税通知の郵送費用のほうが高額となる例も多数あるためです。
まとめ
住宅の税金の基礎を知りたい方向けに、住宅取得時や、所有時の納税のために必要な知識をご説明しました。
ここでご紹介した各種税金は、購入する土地や家屋が確定すれば、計算することが可能です。毎回の納税額がいくらになるのか、控除や優遇でどのくらい安くなるのか、ぜひ実際にシミュレーションしてみることをおすすめします。
固定資産税や都市計画税は、評価替えといって3年に1回のサイクルで見直しが行われます。税額の変遷で、資産価値の変化も知ることが可能です。
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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。