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家づくりの雑学

2024.06.14

地鎮祭で用意するものは?当日の流れや費用とともに徹底解説

家づくりの起工で行う地鎮祭は、普段参加する機会があまりないだけに、何をしたらいいか分からない方がほとんどでしょう。今回は、地鎮祭で施主が用意するものや当日の流れ、費用などについて解説します。

下記のアンケートのように、地鎮祭は行わない施主も増えていますが、一般的には行う場合が多いので、流れや費用はしっかり把握しておきましょう。

(地鎮祭は家作り全体の流れの中で、以下のタイミングで行います)

INDEX

地鎮祭で準備・用意するもの

地鎮祭にあたって、施主はすべての準備をする必要はなく、お供え物と初穂料(玉串料)を用意するのが基本です。儀式の設営や、儀式で使う笹竹や白木の鍬、砂などの準備は、建築会社や神主さんが手配してくれることが多いでしょう。

日取りは、工事の工程と、六曜(大安吉日などのお日柄)をもとに決められます。

お供え物

お供え物は種類豊富に準備するため、早めの手配がおすすめです。以下のものを整えておきます。

地鎮祭のお供え物

1合程度。一度洗って乾かしたもの。
奉献酒 一升瓶2本の清酒を包装紙で包み、のし紙に「奉献」または「奉献酒」と表書きする。
盛る以外に撒くため、調味瓶ではなく袋で準備する。
海の幸 3種類
野菜 3種類以上
果物 3種類
その他 神社からの指定がある場合あり。

建築会社や神主さんがお供え物も用意してくれる場合もありますので、確認しておきましょう。

このほか、工事の騒音などへの気遣いから、地鎮祭のタイミングで近所に挨拶に回る場合は、戸数分のタオルなどの粗品を準備しておきましょう。

初穂料(玉串料)

地鎮祭では神主さんへのお礼として、初穂料(玉串料)を準備します。現金を後述ののし袋に包んで、施主から神主さんに直接お渡しします。

初穂料をお渡しするタイミングは、先に神主さんに渡し、儀式の祭壇に奉納されるケースも多い一方、儀式が終わってから感謝の気持ちの形で渡すこともあるでしょう。

地鎮祭の依頼先

地鎮祭は建物を建てる前に、その土地を守っている氏神様に土地を利用する許可を得ることで、建築工事中の安全を祈願する儀式です。

風習として、地鎮祭の依頼は神主さんにするのが一般的ですが、お坊さんや神父さんなど、ほかの宗教の司式者に起工式を依頼することもできます。

地域の氏神様の神社を調べると、きてもらう神主さんが分かります。時期によっては神職が繁忙期になることと、意外に遠方の神社からこられる場合もあるので、スケジュールとの兼ね合いに注意が必要です。

日程は工期のこともあるため、建築会社に相談して仕切ってもらってもよいでしょう。

地鎮祭を実施する日程

前述のように、日取りは工事の日程と六曜をもとに決めます。大安、友引、先勝の午前中に行うのがよく、仏滅、先負、赤口、三隣亡は避けたほうがよいとされます。

ただし、工事関係者の都合や工事日程の関係で、必ずしも六曜のお日柄の吉日に行えるわけではないので、こだわりすぎずに柔軟に日程調整を行うようにしましょう。

地鎮祭は起工式と言い換えることもでき、工事の開始日になるので、建築作業の流れへの配慮も必要なためです。

費用の相場とのし袋の書き方

地鎮祭全体の費用の相場と、のし袋の準備のしかたをご説明します。近年は簡略化した地鎮祭も増えており、その場合は費用も削減気味となりますが、本格的に行った場合の費用は以下のようになります。

費用の相場

まず、個人宅の一戸建ての場合、初穂料(玉串料)の相場は一般的に3~5万円です。奇数のきりのよい金額で包みます。お供えの費用は、ご説明したものをそろえるために5,000~1万円が想定されます。

ここまでの、3~6万円の総予算で済むケースが多いでしょう。

このほかに、祭壇の設置やテント、いすなどの設営、レンタル料なども負担した場合、これらが別途3~5万円必要になります。

お供えや設営・レンタルなどの費用は、建築費用の諸経費として含まれている場合もありますので、建築会社に事前に確認が必要です。

ほかに、近所への挨拶回りを行う場合は、粗品の代金を数千~1万円ほど見ておきます。

以前は地鎮祭のあとに直会(なおらい)といって、施主が酒食の場を提供する習慣がありました。しかし平日の午前中に行われることも多い地鎮祭のあとで、参加者を確保するのが難しく、近年では行われなくなっています。

もし直会を行う場合は施主の負担となるので、その費用も加算されます。

地鎮祭にかかる費用の相場

初穂料(玉串料) 3~5万円
お供え 5,000~1万円
設営・レンタル費用 3~5万円
挨拶の粗品 数千~1万円
直会の費用 (一例)5~10万円

のし袋の書き方

初穂料(玉串料)を納めるための祝儀袋は、のし袋(熨斗袋)ともいいます。のし袋は用途によって、簡単なものから少していねいなもの、豪華なものまで種類があります。

地鎮祭の場合は基本的に水引が「蝶結び」のものを使い、水引の取り外しができて、外袋と別に中袋があるのし袋を使用しましょう。このタイプが額面で3~5万円を包む場合にふさわしいとされています。

水引が印刷された簡単なタイプののし袋もありますが、包む金額が1万円以下の場合に利用されるので、初穂料での使用は避けましょう。

のし袋には、毛筆や筆ペンを使ってお渡しする名目と氏名を記入します。水引より上の中心に「初穂料」または、正式には「御初穂料」と書きます。

水引の下段には(御)初穂料よりも少し小さめの字で施主の姓を書きましょう。フルネームや連名で書くこともあります。連名の場合、中央に代表者の名前を、その左側に連名者の名前を書くようにします。

現金を入れたあとに水引を戻す際は、輪になっているほうが上なので、間違えないように気を付けましょう。

当日の流れとかかる時間を解説

ここまでは準備段階のご説明でしたが、いよいよ当日の流れや、施主はどのようにするかをご説明します。

当日の全体の流れ

地鎮祭の式典本番と、前後を含めた流れは以下です。式の前後も施主としての意識を持って行動することで、地鎮祭全体がスムーズに運びます。

地鎮祭と同時に、工事着手前にあるのが「地縄張り」「地縄立会い」という工程です。

施工業者が地面に杭を打ち、ロープなどを張ることで、建物の位置を確認します。地鎮祭の前に地縄張りを行います。

また、地縄張りで施主が建物の位置を確認する「地縄立会い」は、地鎮祭と一緒に行われるケースが多いです。

地縄立会いは、建物の配置などを確認する重要な工程のため、地鎮祭を行わない場合でも立会いが必要となります。

当日の全体の流れ・施主の動き

設営 式典の設営をする。起工前の施工現場は土の地面であることが多いため、悪天候の場合は足元を汚さない配慮が必要。
神主さんと対面・説明を受ける 当時の式の運びや、「このときにこうしてください」という説明を受ける。このタイミングで初穂料を渡すことも多い。
参加者の案内 基本的には施工関係者か身内の式なので、席を案内する程度でOK。
式典本番 式は30分程度で終了する。施主挨拶を準備しておく。
近所の挨拶回り 起工に際してのご迷惑へのお詫びなど。
(直会) 直会を行う場合は、別の会場を設けることが多い。地鎮祭の片付けのあと、すぐ工事開始となる場合も。

参加者には事前に声をかける際に、時間帯のほかに場所のくわしい案内や、服装にも触れておくと親切です。

施主のほか、施工会社の担当者、工事関係者、現場監督、設計者などは参加が求められます。建築後の家に住む家族や同居していない両親、その他の親族などにも任意で声をかけるとよいでしょう。

近所の挨拶回りは、敷地に隣接する家や工事車両の出入りの影響のある家、土地によっては自治会や町内会の会長にも挨拶をします。

工事日程の質問に答える都合や、問題が起きた際の窓口は建築会社となる関係で、施主のほかに建築会社の担当者や現場監督と一緒に挨拶回りを行うことが多いでしょう。

地鎮祭本番の式次第や何をするかは、次項でご説明します。

地鎮祭にかかる時間

当日の地鎮祭の儀式は、以下の流れで進められます。儀式自体は何時間もかかるものではなく約30分で終了しますが、前項の準備や片付けなどを含めると、1時間半~2時間程度がかかると想定しておきましょう。

上記の式次第の際は、唱和や礼、拍などは都度神主さんが声をかけてくれます。祭壇への挨拶は二礼二拍手一礼です。玉串の捧げ方も参加者全員が行うので、案内があります。

施主は鍬入れと最後の挨拶の要領を確認しておけば、問題なく式を終えられるでしょう。

施主の挨拶の内容には、地鎮祭への出席に対する感謝の言葉と、施工関係者の方への、工事の安全第一のお願いを入れましょう。

当日の服装

当日はラフな服装でも問題はありません。しかし神主さんは正装で、施工関係者のうちの多くがスーツで集まることを考えると、スーツ、ジャケット、学生服や清潔でフォーマルな服装にするのが、マナー上は好ましいです。

まとめ

地鎮祭で施主が用意するものや当日の流れ、費用などについて解説しました。地鎮祭は1000年以上も続いている風習で、近代建築の象徴のような東京スカイツリーも、着工の2008年に安全祈願祭(地鎮祭)と起工式典(直会)が行われています。

これから工事に取り掛かるというけじめのキックオフイベントと考えれば、さまざまな意味を含んで続けられてきたのかもしれません。また、家づくりが決まった現場にご両親を招くと、きっと喜ばれるでしょう。

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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。

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式次第 内容
1.手水
(てみず・ちょうず)
手で両手を洗い心身を浄める
2.修祓
(しゅばつ)
祭壇や参列者を祓い清める
3.降神の儀
(こうしんのぎ)
祭壇に神様を迎える
4.献饌の儀
(けんせんのぎ)
祭壇のお供え物を神様に食していただく
5.祝詞奏上
(のりとそうじょう)
建物をつくることを神様に報告し、工事の安全を祈願する祝詞を読み上げる
6.四方祓の儀
(しほうはらいのぎ)
土地の四隅に米・塩などを撒いてお祓いする
7.地鎮の儀
(じちんのぎ)
砂山を設けて鍬入れを行い、鎮め物(のし袋など。神主さんが準備)を埋める
8.玉串拝礼
(たまぐしはいれい)
神前に玉串(榊の葉)を捧げる
9.撤饌の儀
(てっせんのぎ)
お神酒などのお供え物を下げる
10.昇神の儀
(しょうしんのぎ)
神様をお送りする
11.神酒拝戴
(しんしゅはいたい)
安全を祈願して献杯する。音頭は神主さんが行う