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家づくりの雑学

2024.05.13

【注文住宅の失敗27選】後悔しないためには?

最終更新日:2024/08/13

注文住宅をつくるうえでの不安要素は多岐にわたりますが、後悔の種は、家づくりの仕様の選択肢そのものに、もっとも多く存在するといえるでしょう。

住まいは家族のライフスタイルを映す鏡のようなものですが、実際に経験しないと分からない点もたくさんあります。

本記事では、注文住宅で後悔した27の失敗例とその対策について、分野ごとや住まいの場所ごとに解説します。土地や業者選び、見積もりなど、家づくりを進めていくうえで外せないポイントもご紹介しますので、参考にしてください。

INDEX

失敗例を知ることで後悔しない家づくりを

家の仕様を詰めていく段階で、設定した予算と希望する内容から何かを決めると、必ずよい点とよくない点があるでしょう。

メリット・デメリットを整理するうえで、大切な役割を果たすのが先例の後悔や失敗です。

注文住宅づくりの成功は、いかにたくさんの失敗例に目を通すかによって左右されると考えましょう。

注文住宅のつくり方は、こちらの記事もご参照ください。
おしゃれな注文住宅を建てるコツは?事例や注意点も紹介|住宅展示場のハウジングステージ

家を建てる際の不安について、以下のような調査結果があります。この時点では、家の完成度については、比較的意識が低いといえるのではないでしょうか。

2021年おうちパレット調べ

ところが、建てたあとの調査では、以下のようにたくさんの失敗・後悔が報告されています。

2022年AlbaLink調べ

以下の記事も、ぜひご参照ください。

戸建てを購入するときに失敗しないために、注意すべきこと!3つのポイントをご紹介|住宅展示場のハウジングステージ

マイホームだからこそ、絶対後悔したくない!失敗しないマイホーム計画って?|住宅展示場のハウジングステージ

家の外観はどうすればいい?後悔しないためのポイントとおしゃれな外観をご紹介|住宅展示場のハウジングステージ

間取りで失敗しないために押さえてほしい3つのポイント

間取りの決め方は、何を優先したらいいか、どうすれば満足のいく構成になるのか、進める順番に悩んでしまいがちです。そんなときはこの項を参考にして、家族の要望を形にしてください。こうすればよかったという点をなるべくつくらないのが理想です。

下記はお部屋の間取りの失敗を、複数回答で多い順に集計したものです。広さ、収納、コンセント位置などが上位を占めます。

1位 広さの失敗 43%
2位 収納の失敗 39%
3位 配線の失敗 37%
4位 明るさ・温度・湿度の失敗 35%
5位 音・においの失敗 20%
6位 動線の失敗 17%
7位 視線の失敗 8%

2020年 リクルート調べ

①LDKの中の配置を決めることを最優先にする

家族の過ごす時間がもっとも長いLDK部分の配置や、必要な広さを考えましょう。リビングをどこの階につくるのか、必要な家具や家電が何か、それをどのように置くか、どの程度の広さが必要かを優先して検討します。

考える指針として、以下の点を考慮しましょう。

  • ● 置きたい家具や家電を置いた間取り図を書き、移動の動線をチェックする。
  • ● 来客のときに、生活感のあるものを手早く収納できるように、仕切れる小上がりや、小さな和室、収納を設けてみる。
  • ● 戸外の隣家や通行人などの視線を避けるようにする。難しい場合、窓の位置を高く取るなどの対策を考える。
  • ● LDKからトイレ、脱衣所・浴室、玄関などが直接見渡せない配置がよい。
  • ● 帰宅してから個室に行くまでにLDKを通る動線にするなど、家族のコミュニケーションを意識する。

家族によってニーズはそれぞれですが、上記が基本的なセオリーです。また、家づくりは今の家にあるものが必要か再検討する機会になります。

②水回りは実用性重視で

使いやすい水回りは、デザインよりも実用性を追求しましょう。リビングから目に入る構造になりやすいキッチンはおしゃれにしたいものですが、実際に使いやすいかどうかをよく検討することが必要です。

使いやすい水回りには、以下の点が必要となります。

  • ● 無駄な家事動線を避け、キッチン・洗面・脱衣・洗濯・浴室・トイレなどの配置関係を決める。
  • ● 配置に合わせ、サイズや高さなど、実用性のある設備を選ぶ。
  • ● 外からの視線を遮り、生活感が伝わらないために、壁や仕切りが必要かどうかを確認する。
  • ● 使いやすい収納を、必要なだけ配置する。
  • ● 配置する収納は何をしまうかを想定し、出し入れしやすさまで考える。

配置関係と、必要なものを設けるほか、無駄なものを設けないという考え方も大切です。

③プライベートルームの数や広さ

LDK、水回りに続いてプライベートルームの部屋数や広さの検討をします。寝室や子どもの部屋、書斎、事務や家事のワークスペース、趣味のための部屋などの必要性や数、配置、広さなどが対象です。

以下の点に留意しましょう。

  • ● 水回りが隣接しない場所に配置するか、入り口が別方向を向くように工夫する。
  • ● 隣接したスペースが生活音の出やすい場所の場合、壁の収納などで音を遮断するようにする。
  • ● 隣家や通行人の視線、騒音などが干渉しない配置を意識する。
  • ● 戸外からの影響は、配置以外でも窓や外構、防音壁・防音壁紙などで対応する。
  • ● LDKには極力隣接させず、部屋の区別を明確にする。(収納や片付けを意識して)
  • ● 必要最低限の広さにするよう考える。
  • ● 利用目的の経年変化を想定したつくりにする。(子どもの成長や高齢化)

関連記事:
間取りで失敗しないためには?|注文住宅のハウジングステージ

注文住宅の失敗・後悔【業者選び】

建築業者を選ぶ過程や、あるいは決定後の打ち合わせの際にも、施主が心がけることがあります。それはよいコミュニケーションを取ることへのこだわりです。以下のような状態は避けましょう。

  • ● 「相手はプロなのだから」「あまり具体的な話をすると、営業攻勢が強くなりそうだから」と、あいまいな態度で終始した。
  • ● 「お金を払うのはこちらだから」と、クレームばかり言い続けた。

結果、深い話ができずにイメージと違う見積もりや、間取り図が上がってきたという失敗が起こります。

専門知識や経験のある担当者を探すのも大切です。しかし、いかに相手のスキルや情熱を引き出すかは、施主のアプローチによって変わるでしょう。

こちらの持つ希望をなるべく具体的に伝えるために、希望に近い資料の写真やデータ、間取り図を準備して、見積もり依頼をします。希望事項の優先順位も、家族の意見を話し合い、なるべくはっきり伝えましょう。

また、どうすれば相手はこちらのプラン作成に熱量を上げてくれるかも考えましょう。営業担当者や設計士は、クレームばかりの施主には、当たりさわりのない話だけをするようになります。

見積もりの段階でも、コミュニケーションは大切です。

注文住宅の失敗・後悔【見積もりと費用】

見積もりでの後悔

見積もりに対する後悔は、以下のパターンに注意が必要です。

  • ● 土地の見積もりから決定に時間がかかった
  • ● 付帯工事費用やその他費用を考えていなかった
  • ● 要望に優先順位を付け切れなかった
  • ● 追加費用がたくさん出た

注文住宅の土地は、家の仕様に比べてつい時間をかけがちで、それが裏目に出て予算オーバーや時間超過の後悔につながることがあります。

土地選びの条件整理が足りない場合、どこにするか悩みがちなのですが、よい土地は競争率が高いため、取得にはスピード感が必要です。

迷った末に条件にあった土地を選ぶと予算オーバーになりやすく、資金計画にしわ寄せが来ます。繰り返しますが、事前にしっかり条件整理をしたうえで、予算内ですばやく立地を決めるようにしましょう。

立地決めで決め手となるのは、下見です。下見の注目点は以下です。

  • ● 最寄り駅からの距離感や通りの明るさ、駅周辺の治安状況
  • ● 時間帯や平日休日ごとの交通量や人通り、静けさの違い
  • ● ご近所の住人の様子、年齢層など

また、注文住宅検討の初期の頃は、坪単価の比較に終始しがちですが、坪単価は基本的に本体工事のみが対象なので、総予算ベースの確認は要注意です。追加費用が出てしまうのは、見積もり依頼時点での話し合いが足りなかったために起こります。

また、注文住宅の総予算の増加は、追加注文だけでなく、たとえば以下のようなケースで流動的になります。

  • ● 建材の値上がりが影響した
  • ● 土地の地盤改良が必要と分かり、その費用がかかった
  • ● 防火地域の土地で、不燃材料を使用することになり、建材の費用がかかった

毎月の支払いに関する後悔

住み始めてからのランニングコストも、よくある後悔ポイントです。支払いがし切れない状況は、ある意味せっかく建てた家が気に入らず「住みたくない状態」よりもストレスです。

ローンの返済だけでなく、10~20年で生じる修繕費用も、新築時から想定しておくことをおすすめします。

また、住宅ローンの返済月額や金利タイプ(返済総額に差が出ます)、返済期間なども、将来のことを想定しておきましょう。たとえば、定年後も月の支払いが続く場合は、繰り上げ返済の計画を持っておくのもよいでしょう。

注文住宅の失敗・後悔【土地選び】

土地選びには、「こだわり過ぎ」と「諸経費見積もりの甘さ」の2つのリスクが潜んでいます。

まずこだわり過ぎは、時間を消費しすぎることと、他の選択肢を見逃すことの、2つの失敗を招きます。

特定のエリアへの思い入れから、安くてよい土地が出るのを待っていると時間がかかることがあります。じっくり待つのも大切ですが、他の方法もあります。

希望エリアで予算内に収めたり、建物にお金をかけたりするために、狭小地や不整形地も検討対象に入れてみましょう。3階建てや2階リビングでも、よい間取りがたくさんあります。

エリア自体も柔軟に考えて、候補を増やすのも一つの方法です。

通学や通院などの事情は、実はそう長くは続かないこともあります。間取りの使い方も、家族の状況や経年によってかなり変化します。

インターネット上で、「〇〇市の住みやすさ」などの記事がたくさんありますので、参考にしてエリアを比較検討するのもよいでしょう。

もう一つのリスクは、経費見積もりの甘さから起こります。

気に入った土地選びができても、ライフラインのインフラ整備、確定測量、地盤改良の諸経費などが考慮外だったというリスクも考えられます。

下水道の取り出し状況、浄化槽の有無などによって心配となるのが、費用の追加です。また、売主の都合で、お隣との境界が未確定のままの売買があります。隣地との境界は将来のトラブルのもとなので、境界確定は必ず行っておきましょう。

さらに、いままでの家を壊して新しく建てる場合、取り壊しや廃材撤去の費用も見積もりましょう。加えて、新しい家を建てる場合は、その仕様に合わせて新たに地盤調査を行う必要があります。

地盤調査の結果、地盤改良工事が必要となった場合は、新たにその費用も計上されます。

変わったところでは、景観の素晴らしさや背後の自然の豊かさで選んだ土地が、自治体のがけ条例の対象区域だったというケースがあります。

この場合、崖部分に擁壁をつくる経費が多くかかってしまいます。

つまり経費見積もりについては、土地を検討する段階で、これらの追加費用がなるべくかからない物件を選べば、安心して資金計画を進められるということです。

リスク 失敗例
こだわり過ぎ ⇒ ・時間を消費しすぎた
・他の選択肢があった
経費見積もりの甘さ ⇒ ・予算オーバーした
・余計に経費を使った

注文住宅の失敗・後悔【各部屋】

続いて住まいの各部屋について、後悔として語られる内容をご紹介します。

こちらの記事をご参照ください。
マイホームの間取り、どうする? 後悔しないための3つのポイント|住宅展示場のハウジングステージ

リビングでの失敗・後悔例

家族が過ごす時間がもっとも長いリビングは、その意匠をめぐって、憧れと実用が交錯しやすい場所です。思い切った仕様にする際にはバランスや割り切り、あるいはデメリットを補う対策が必要になります。

窓が大きく物がしまえない

窓面積の大きい、広々感のあるリビングは、周囲からの視線が防げれば、明るさや解放感が魅力的です。しかし、リビングは意外に置く物が多い場所でもあります。せっかくの気持ちよいリビングに、物が散乱していては意味がありません。

壁面が少ない場合は、収納にも工夫が必要です。採光や解放感も重視しながら、北側にまとまった収納スペースを設けるなどの検討をしましょう。スキップフロアをつくって、物を出す場所にするなどの方法もよいでしょう。

設計段階でテレビとリビングソファー、エアコンの空調効率を基準に、南側以外に壁面の設定を検討しましょう。どんなものをどこに収納する必要があるかも検討できれば、失敗は防げます。

床暖房を使ってない

床暖房を検討する時点で、想定する利用方法や動線が意外にあいまいなことがあります。

その結果、無駄な箇所を温めている状態となり、使わなかったという後悔が聞かれます。電気代も安くはないことを考えれば、事前によく検討したい部分です。

たとえば、確実にいすやテーブルを置く部分は避けて最低限の設置としたり、台所や家事スペースなど、実用的な場所に付けたりするのがおすすめでしょう。

床暖房自体は、吹き抜けと組み合わせたり、断熱のゆきとどいたコンパクトな和風リビングに設置したりすると、とても効果的です。

また、床暖房は設置することで固定資産税が年間数千円ほど高くなります。後付けも可能ですので、床断熱をしっかり行ったり、ラグを敷いたりするなどで対応できないかを試すのも方法です。

吹き抜けが暑く寒かった

吹き抜けは、その開放感、明るさや高級感から、玄関だけでなくリビングでの採用率が高まりつつあります。

しかし、空調や採光の検討が充分でない場合、吹き抜けのリビングは暑すぎる・寒すぎる場所になるリスクがあります。快適性に欠く、居心地のよくないリビングになるのは避けなくてはなりません。リビング階段やリビングから階上につながるスキップフロアも近年人気の間取りですが、暖房の効果が下がらないよう、対策が必要です。

構造上の気密・断熱のほか、天井のシーリングファンや、ワイヤーなどでリモートの開閉操作ができる高窓、足元が寒くならない床暖房などの対策をしましょう。

吹き抜けはあとから天井を付けて、2階フロアを増やす形にもできますが、その際に容積率をクリアできるか、事前に確認しておくとよいでしょう。

落ち着くリビングの間取りを作るには?具体的な方法や失敗事例を紹介|住宅展示場のハウジングステージ

お風呂場での失敗・後悔例

お風呂場ではヒートショック対策の温度管理や、バリアフリー対応などはよく挙げられますが、そのあたりは後付けが可能です。下記のような意外な後悔が挙げられていますので、要注目です。

お風呂と玄関が遠かった

帰宅後、スポーツをする子どもや家庭菜園のあとなどで、汚れた衣類や靴、身体をすぐに洗い流したいことは、意外に多いものです。家に上がってから浴室や脱衣所が反対側にあると、気を遣いながら家の中を横断することになります。

玄関からすぐ、お勝手口からすぐに、汚れを洗い流せるスペースや浴室そのものを設けて、気軽に処理ができる間取りを採用する方も増えています。

簡易的には、玄関やお勝手付近に水道を設けておくだけでも、帰宅時の汚れ対策にできるでしょう。

浴室のテレビは不要だった

浴槽に浸かりながら、ゆっくりテレビを見るというイメージに、憧れるところはあります。

ところが、家族が増えるにつれて、決まった時間までに子どもたちや、介助が必要な方の入浴を終わらせなければとなります。気づいたら寝るまでに時間がなく、あわただしく入浴を済ませることになり、「テレビ?見てない!」となりがちなのです。

また、見たい番組は録画やサブスクがメインとなりつつあるため、使用頻度はさらに減っているようです。近年では、夜のテレビの視聴習慣自体が薄れつつあるので、無理に設置しなくてもよいかもしれません。

タイルの浴室は掃除が大変だった

タイル張りの浴室は風情がありますが、保温性能上以外に、もう一つの問題があります。それは、ざらっとした表面のタイルや、目地・コーキングにはカビが生えやすいことです。

他の素材のユニットバスに比べて掃除の労力がかかり、さらに冬場などはタイル張りの寒い中での水仕事となります。

浴室の壁面は表面が平らで、濃いめの色のユニットバスを選ぶと、掃除は格段にしやすく、汚れは目立たなくなります。

タイル床にこだわりのある方は、カビが目地の奥まで入り込むと除去が大変なので、こまめな掃除や、定期的にカビ除けのスプレーやくん煙剤を使うなどで対策しましょう。

キッチンでの失敗・後悔例

キッチンは、毎日使ううえでの作業効率を追求するのが大切な場所のはずですが、さまざまな事情で、意外にそうはなっていないのが実情です。留意すべき優先順位は、どのような点でしょうか?

調理スペース不足だった

最近はスペース効率アップと、家族のコミュニケーションのために対面キッチンの採用が増えています。しかしシンク側の通路が充分に取れない場合、調理や片付けの作業に支障が出ます。

また、対面キッチンはすっきりした見た目を重視して、コンパクトなアイランドにすると、調理器具などを置く作業スペース不足を招きます。

さらに近年はダイニングだけでなくリビングとの関係性や、パントリー(食材庫)を設ける都合で、調理のスペースそのものが犠牲になる要素が増えているため、要注意です。

対策としては、よそのお宅や住宅展示場などで、調理スペースの奥行きサイズを測り、動きをシミュレーションしてみるのがおすすめです。また、アイランドキッチンは油跳ねが床に及びやすいので、その点も意識しましょう。

また、スペース不足では、4人家族に合わせてダイニングテーブルを準備したところ、来客時に全く対応できず、困ったという例もあります。

シンクなどの高さが身体に合っていなかった

メインで台所に立つ方の体格と、シンクやレンジなどの高さとの関係は、とても大切です。調理台が高すぎたり、低すぎたりすると、作業効率が落ちてストレスとなり、腰痛などの原因にもなることがあります。

キッチンの高さは、「身長÷2 + 5センチメートル」が、使いやすい高さといわれています。長年にわたって使い続ける設備なので、実際に住宅展示場やショールームで試して、体験しておくことをおすすめします。

キッチン収納が使いづらかった

キッチンの収納は、家の中でもっとも出し入れが激しいのではないでしょうか。その割には、使用頻度の高い調理道具を、踏み台の要るような高い棚や、足元の奥深い扉付きの棚から出すことになりがちでした。

高い棚は中が見づらく、奥行きの深い棚は、奥の物を出すのに手前の物を片付ける必要があります。

新しい家づくりでは、非効率な収納をつくらないようにしましょう。どこに何をしまうかを具体的に書き出して考えることで、理想に近い収納を計画できます。

また、収納ですっきり見せられたものの、調理家電を追うスペースが足りず、ダイニングテーブルを使わざるを得なかったという声もあります。カウンターなどを設けて、調理家電を置いて使えるスペースの確保も意識しましょう。

注文住宅をお考えの方必見!キッチン設備の人気キーワードは?|住宅展示場のハウジングステージ

玄関での失敗・後悔例

玄関のつくりも、近年は新しい提案や工夫がたくさん生まれています。家族のニーズに合わせて、後悔のない玄関を企画しましょう。

玄関の収納が足りなかった

玄関に置きたい物は、年を経るごとに変わりますが、絶えることはないでしょう。ベビーカー、子どもの乗り物、自転車、趣味の道具、車椅子など、外に置くよりも耐用年数が長く、外見もきれいに保てます。

靴などは極力土間に出さず、必要以外のものは下駄箱に収納しておくのが暮らしやすさの基本です。また、コートやかばん、靴などのクロークは、玄関にあって活用できれば、生活の質に貢献してくれるでしょう。

このようなスペースをつくらずに失敗したという声はとても多いので、事前にどのような物を収納できると便利かを検討して、設計に反映するのをおすすめします。

鏡付きのシューズボックスにすればよかった

外出直前や帰宅直後に姿見が利用できると便利なのですが、下駄箱のドアに付けられるので、付けておけばよかったという意見がよくあります。

玄関に鏡があると、広さや奥行きの演出となるため、その点でも有効です。

また風水上、玄関の鏡は以下の表のように、置くとよいとされています。ただし、玄関ドアの正面突き当たりに置くことは、外から入るよい気を跳ね返すとされ、NG行為です。

]

鏡の位置
(扉を背に)
運勢
左側 金運アップ、恋愛運アップ
右側 仕事運アップ(出世・交際・健康)

帰宅後に照明を点けづらかった

玄関の照明のスイッチの位置が家の奥になるなど使いづらく、夜間の帰宅などの際に不便な思いをしているというケースがあります。

しかし玄関の照明スイッチの位置は、玄関ドア寄りだと就寝前などに消しづらくなるため、対応が難しいこともあります。

最近では人感センサーのライトや、IoTで事前に点灯させるなどのアイテムが発達しているため、利用するのもおすすめです。

庭、駐車場での失敗・後悔例

屋外の仕様検討は、家の中のことよりも軽く考えがちなのですが、日常で繰り返し利用するのは変わらないので、後悔しないようにする点はあります。

車が出し入れしづらかった

駐車スペースが狭い、隣地境界の柵がそばにあるなどで、車の出し入れがしづらかったという失敗もよく報告されます。最初は小さかった車をミニバンサイズに買い替える想定があります。

出入りする人や荷物のスペースも年々大きめになっていく傾向があるので、最初から利便性を見越したスペース取りを行うようにしましょう。

ドアの開くスペースや人の乗り降りのしやすさ、ドアの開閉、リアハッチが上まで開いて停められるかなど、寸法の目安を確認して、車の出し入れしやすいサイズを検討しましょう。以下は車種別のカースペースのサイズの目安(単位:メートル)です。

車種 駐車場の長さ 駐車場の幅 車種の寸法
軽自動車 4.3 2.4 3.4×1.48
小型車 5.0 2.7 4.1×1.7
中型車 5.7 2.7 4.7×1.7
大型車 5.7 3.0 5.0×1.85
ワンボックス車 5.7 2.7 4.8×1.7

駐輪スペースが狭く不便

駐輪スペースも、置ければよいというのではなく、使いやすさを考えておくと、後悔の種にならずに済みます。

自転車1台を出すためにほかを動かすなどではなく、台数分がすんなり出しやすいのが大切です。また、これは後付けもできますが可能であれば屋根付きにし、出かけるときに水分やほこりを拭き取る手間をなくしましょう。屋根があれば自転車の傷みも減らせます。

ウッドデッキが外から丸見え

アウトドアブームから、自宅の生活でも屋外の親しみへの訴求が高まっています。ただ、ウッドデッキは設けたものの、周囲や道路からの視線を防ぎきれず、使われない場所になってしまっては意味がありません。

ウッドデッキや芝生の庭での遊び場などは、プライバシーや防犯上の配慮も併せて考えるようにしましょう。外壁の位置や、目かくしのフェンスを付けるなどの対応も可能です。

外構や植栽の後悔も

塀や門扉は思わぬ予算オーバーの原因になるほか、でき上がった塀の高さが必要よりも高かったり、低かったりすることがあります。

一般的には隣家や道路との高低差で1.5~2mの塀が必要となることが多いです。しかし、図面だけで必要な高さを判断するのは困難で、隣家の状況などで、プライバシーを確保するために、さらに高さが必要かもしれません。

植栽はシンボルツリーの成長の見守りが、家の歩みを実感させてくれます。しかし、選ぶ樹の種類によっては大量の落ち葉や、成長に伴う剪定に悩まされることがあるでしょう。

また、芝生を植えておけば楽だと考えて実行したら、除草の手間や芝の手入れで、結局忙しかったという声も聞かれます。手入れも含めて楽しみだと考えられない場合は、庭の植栽は控えめにしましょう。

収納での失敗・後悔例

すっきりと整理されて暮らしやすい住まいは、使いやすい収納があって実現できます。逆に収納のつくりがよくないと、確実に生活に影響が出てしまうので、要注意です。

使う場所と収納が遠かった

たとえば、乾いた洗濯物を畳む場所から、しまう場所までが離れていたら、家事時間と労力のロスになります。掃除機をかけるのに、毎回屋外の物置に取りに行くということは避けるべきでしょう。

使う場所のそばに収納があるという点を意識して間取りを検討しないと、後悔するポイントになります。

ウォークインクローゼットの容量が足りない

ウォークインクローゼットは、衣類などの収納物の出し入れがスムーズなうえ、家族全員の物をしまえるようにすると、家事の効率はとてもよくなります。

反面、高さや奥行きの使い方、通路の設置の具合によっては、容積の割に収容能力が少ないスペースになる可能性があります。

デッドスペースをつくらないよう、棚やハンガー、引き出しなどをうまく活用しましょう。また、たくさん入るからといって、気に入らない服を大量にストックするなどは避けたいものです。

屋根裏の収納を活用しなかった

収容能力を期待して、屋根裏に収納をつくったものの、はしごを使った出し入れが面倒だったというケースはよくあります。収納した物が入りっぱなしになったり、結局収納自体があまり活用されずに空間だらけだったりとなるようです。

屋根裏は屋根の材質や断熱材にもよりますが、夏などは相当暑くなるため、そのままでは長く滞在する空間にも適しません。

屋根裏を活用すると、得をした気分にはなりますが、本当に必要か、何をしまうかなどはよく検討しましょう。

デザインでの失敗・後悔例

デザインは見た目だけの問題ではなく、暮らしに直結する部分もあります。以下のような点には注意しましょう。

床の材質や色が部屋の目的に合ってない

床の材質や色などで、気持ちや、機能性に大きな違いが出ます。明るい色か落ち着いた色か、滑りにくいかどうかなどは、お部屋によって検討する要素でしょう。

小さな子どもやペットと過ごす時間が長いお部屋に、滑りやすく傷付きやすい壁材は避けたいものです。対策として、上からマットを敷くなど、最初から計画しておきましょう。

また、子どもの小さいうちはクッションフロアなどキズ汚れに強く、安価な素材にしておき、後年フローリングなどに張り替えるのもよいでしょう。

壁紙の色がイメージと違った

壁紙はWebや、小さな型紙のようなサンプルでは、実際に壁に張られたイメージはつかみにくいものです。

なるべく大きなサンプルや、可能であれば展示場・ショールームで実際の壁面をもとにイメージをつくるのがよいでしょう。

外観が周囲に合ってない

外観もデザインの後悔の対象になりえます。代表的なのが、外壁の色がイメージと違うケースです。また、外壁の色やデザインテイストも含めた外観が、何となく周囲の景観にマッチしないというのも、後悔のポイントとして挙げられます。

専門家に相談したり、あとで再塗装のメンテナンスの際に対処するか、門扉や植栽などの外構のつくりこみでバランスを取ったりしていくことはできます。

その他の失敗・後悔リスト

オール電化

オール電化の後悔ポイントは、以下の点が挙げられます。

  • ● 生活スタイルによっては光熱費が高い
  • ● エコキュート(自然冷媒ヒートポンプ給湯器)の設置場所や運転音が負担
  • ● 給電が停まると生活できなくなることも

昼間に電気を使う比率が高く、太陽光パネルなどの発電設備を持たない場合、コスト高になる可能性があるため、電力会社の料金プランは要確認です。また、給湯器の場所や騒音レベルが家族や近隣のストレスにならないかも、チェックしておきましょう。

動線

すべての間取り検討に共通するテーマですが、動線がよくない場合、家事の労力が増えて生活の効率が落ちます。洗濯と物干し、服の収納が隣接した動きにできないと、時間と手間が増え、それが毎日続くことになるでしょう。

家事は複数の仕事をマルチタスクで並行することがほとんどなため、ある家事の非効率が、家事全体の作業効率に影響してしまい、後悔ばかりとなりかねません。

効率化のポイントは移動距離を少なく、円を描くような回遊動線をつくることなどです。

前述のようにリビングの窓は、小さいと閉鎖的で暗く、大きく設け過ぎると壁=収納の不足につながります。

また、大きな窓を設ける場合は、防犯やプライバシーに配慮することも大切です。その場合は周囲から視線を遮蔽する塀や植栽に配慮しましょう。

窓の大きさは、ほどよいところを狙うのがポイントですが、お部屋別にどのような住環境にしたいか、具体的な要望と部屋ごとの基本的なセオリーを踏まえて、どのようにするか決めましょう。

また、採光だけを意識して窓の数や大きさ、位置を決めがちなのですが、フロアやお部屋全体がうまく自然換気できるかも、大切なポイントとなります。

風通しが悪く、夏は湿気もこもりがちで室内の洗濯物の乾きがよくないという場合は、窓の付け方に問題がある可能性があります。

窓や換気口は可能な限り対面に一つずつ設け、風は比較的南北に抜けやすいため、北側の窓の設置がポイントとなることが多いでしょう。

結露

近年の家は気密・断熱性能が高まり、快適性や省エネルギー性能に貢献しています。しかし、気密・断熱性能が高い家で換気がうまく行えないと湿度がこもり、結露を生みやすくなります。

結露はほこりの吸着、カビ、ダニの原因となるため、換気性能に配慮するほか、壁の中の断熱性能や気密性能までしっかり計測して高めることで対策となります。

建材の中までの気密・断熱性能はUA値・C値の数値であらわされ、基準となっています。

電気代

室内の気密・断熱性能が低い家は、光熱費、中でも電気代がかかってしまいます。室内外の空気のコントロールが難しい場合、室内の空気を安定的に保つのにエネルギーを必要とします。そのため、長年の差では電気代などが高価になるでしょう。

長期的な快適性やコストで後悔しないためには住宅性能にも重きを置き、建材の選択などにも予算配分をかけることを検討しましょう。

コンセントやスイッチ

電灯や換気などのスイッチの配置、コンセントの数や配置も、暮らしやすさに直結します。

とくに、暗闇でひんぱんに操作するトイレの照明のスイッチの位置や、掃除機用に使用するコンセントの位置などは、うまくいっていない場合、毎日の後悔につながります。

コンセントはテレビのそばなど大量に必要な場所は、タコ足にならないよう数が必要でしょう。また、コンセントは用途によって設置する高さにも配慮が必要となります。

まとめ

注文住宅で後悔した失敗例と、その対策について、分野ごと・場所ごとに解説しました。

後悔したという各事例には、選択の結果、デメリットがメリットを超えてしまったケースもたくさんあるでしょう。しかしその判断基準は人それぞれです。

したがって、他の方が後悔した方法を「あえてそうする」という選択ももちろんあります。下調べや比較検討のうえ、よりよい選択をできれば、家づくりは成功に近づきます。

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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。

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