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子育て

2024.06.25

小上がりとは?和室・子供部屋の事例やメリット・後悔しないための考え方を紹介!

小上がりは、生活の中で多彩な役割を果たしてくれます。近年広く開放的なリビングが主流ですが、小上がりを設けたリビングも人気です。今回は小上がりとは何かや利用事例、メリット、後悔しないための考え方などを解説します。

INDEX

小上がりとは?使い方や間取り

小上がりとは、居室の中で一段高い段差の区画を設けたものです。子供の世話や段差を利用した収納、来客の宿泊用など、多様な用途に活用されています。

床面の仕上げは畳や琉球畳、フローリングなどさまざまで、壁や障子、カーテンなどで仕切って、小さな個室としての利用も可能です。

小上がりは住まいのリビングの延長として設けられるほか、日常生活の中でさまざまな目的で利用されています。

和室や子供部屋に

近年の家作りでは、独立した和室を設けるより、リビングに密着した存在として和のスペースを作ることが増えています。

和室の用途は私室としての人気も高いですが、子供の遊び、宿題、見守りなどの場所、収納、昼寝や休憩に使う方も多いです。

これらの用途には、家事作業の動線と直結したリビングと接しているほうが都合が良いため、小上がりや畳スペースがリビングと一緒に作られるようになったと考えられます。

以下は、和室に対するイメージのアンケートです。

2023年 ダイワハウス調べ

住まいが近代化しても、和室へのあこがれは根強いといえるでしょう。高齢で畳にじかに座るのがつらくなっている世代よりも、和室を実用的に使う若い世代の施主のほうが、住まいに積極的に和室を取り入れるというデータもあります。

関連記事:
小上がり和室をリビングに作るメリット・デメリット。費用やおしゃれな事例を紹介|住宅展示場のハウジングステージ

飲食店やホテルに

和風の飲食店や居酒屋でも小上がりの座敷の席の人気が高いことは、ご存じかと思います。

座敷はゆっくり落ち着いて、いろいろな料理を注文するのに向いています。また、小さな子供を含む家族連れにも、他のお客さまに迷惑になりにくい、子供がいても見守りしやすいなどの理由で喜ばれるでしょう。

小上がりのダイニングスペース導入の希望についてのアンケート結果です。

2010年 おうちクラブ調べ

小上がりを食事用のダイニングに使う例は、実際には珍しいです。しかし6割以上が「取り上げてみたい」という人気ぶりとなっています。

また、ホテルや旅館などの宿泊施設でも、畳スペースの小上がりとフローリング床を、両方設けた客室が増えています。

理由としてはインバウンド対応のほか、身体の動きが楽でくつろぐ効果もある、和洋折衷の「いいとこどり」を狙った結果だと考えられます。

小上がりのメリット

つづいて、住まいの中で小上がりを設けるうえでのメリットを、詳しく見てみましょう。小上がりの持つさまざまな機能は、生活の中の行動を密接にサポートしてくれます。

小上がり床下:マンションでも床下収納が可能

床下収納は、使用頻度の少ない季節の衣類や季節雑貨、子供のおもちゃの収納などに向いていますが、マンションなどに設けられることはあまりありません。また、戸建てでもあとから「欲しいな」と考えることもあるでしょう。

小上がりを設置すれば、床面積を犠牲にせずにその場所の収納機能を補えるため、とても重宝します。

小上がり床上:おむつ替えやお昼寝に

乳幼児を床に寝かせ、おむつ替えやお昼寝の寝かしつけができる畳の便利さは、一度経験すれば手放せません。寝入ったあとは、リビングの中で、家事をしながらの見守りがとてもやりやすいのもメリットでしょう。

小上がりの高低差:子供の遊び場

小上がりは子供の成長過程で、遊びや宿題を見守るのにも適しています。子供たちは自分の場所を与えられ、そこで思い切りおもちゃを広げ、片づけることができます。おもちゃの収納も、床下を利用すればすっきりとした状態が保てるでしょう。

小上がりの高低差:ソファやベッドに

小上がりの段差そのものがソファやベッドとして機能し、リビングに隣接した就寝スペースにもしやすくなります。写真はクローゼットを設けて、小上がりに寝室としての機能を高めた例です。

仕切りを設けて半個室にもできる

仕切り方は本格的な壁や建具のほか、カーテン、アコーディオンカーテンなどで解放感を両立する方法があります。冬期は畳の小上がりのこじんまりしたスペースで、家族がそろってコタツで団欒をするのも良いものです。

小上がりのデメリット

小上がりを設けると床に段差ができ、居室の利用が制限されるなどのデメリットも生じます。

小さい子供にとっては段差が危ない

子供の危険防止は、重要課題です。とくにハイハイや、つかまり立ち期の赤ちゃんは段差が原因の転倒や落下などが危なく、目が離せません。寝かせ方や、寝かせる場所を工夫する、目を離さないなどの注意が必要となります。

言葉が分かるようになってからも、気を付けるようにしっかり言い聞かせましょう。

部屋が狭く感じられることもある

上の写真の構図では、フローリング部分のフロアがやや狭く感じます。小上がりを設ける場合、生活動線やお部屋の広々感も意識して、位置や広さを決めましょう。

模様替えが制限される

小上がりによる段差を設けた箇所は、家具などの配置に制限が生じます。また、小上がりの中はあまり物を置かないほうが用途が広がるため、模様替えの柔軟性を重視する場合、デメリットとなるでしょう。

バリアフリーへの対応が難しい

段差はバリアフリー上、好ましくない場合があります。足腰が弱っている方の昇り降りに支障があるためです。また、高齢の方は正座やあぐらで床に座ったり立ったりする動作が苦手になってきます。

しかし、段差に腰かけて座ったり、立ち上がったりすることはむしろ楽といえます。また、段差に腰かけて寝起きできる寝床として利用すれば、むしろバリアフリー向きといえるでしょう。

ロボット掃除機を使いづらい

写真のように小上がりに置き場所は作りやすいですが、ロボット掃除機は、小上がりとその他の床面を同時に清掃はできません。

小上がりを作って後悔しないために:よくある疑問を紹介

この項は「どんな小上がりを作ったら良いか」という疑問にお答えします。一般的なノウハウですが、参考にしてください。

小上がりは何畳が一般的?

小上がりは何畳くらいあればいいのでしょうか?リビングなどに設ける小上がりでもっとも一般的なのは、3畳からの広さです。子供の世話や見守り、家事や休憩のスペースとしてのメリットを発揮します。

4.5畳以上になると、布団2組が敷けるようになり、仕切りを設けて来客用や個室的なスペースとして活用できるでしょう。6畳以上では家具を置くなど、独立した部屋の性格が濃くなります。

小上がりの広さは、用途に応じて考えましょう。

小上がりの高さは何センチが使いやすい?

小上がりの段差の高さは、何センチという決まりはありませんが、35センチ前後がおすすめです。あまり高いと不意の落下時が心配で、10センチ程度の低さでは、つまずくリスクが高くなります。

子供は自分で動けるようになると、じっとしていません。そのため、身体が柔らかく、大人に比べてケガには強いとはいえ、医療機関に救急で「頭を打ったので調べてください!」という訴えが絶えないのは、当然でしょう。

高くし過ぎると転倒などのリスクから、一定の成長期間の間は心配ですが、収納を設けて活用することも考えると、ある程度の高さも必要です。

小上がりはどこに設置する?

小上がりの設置でもっとも推奨されるのは、リビングの採光窓と反対の奥側です。くつろぎ感を重視し、行き来の動線を妨げず、圧迫感のない場所を選びましょう。気分に合わせてセカンドダイニングのように利用できるよう、キッチンから近い配置もおすすめです。

将来の介護用途も意識する場合、トイレや浴室へのアクセスの良さや、段差の上がり降りの容易さも意識して配置すると良いでしょう。

畳のデザイン・耐久性・メンテナンスを考えよう

畳を使用する場合、従来の畳のほか、耐久性や掃除の簡単さ、焼けがないことなどを意識してビニール畳を使用することもできます。

また、デザイン性が高く、色選びの自由度が高い琉球畳も、小上がり用の建材として人気です。縁がなく正方形の琉球畳は、和モダンのテイストを表現できます。

ビニール畳や琉球畳は通常の畳に比べて高価ですが、機能に合わせて選びましょう。

小上がりスペースを作る費用の目安は?

住まいの中に小上がりのスペースを設ける場合の予算の相場を、ケース別にご紹介します。以下の表をご覧ください。

小上がりを設ける方法は以下のように、「畳を並べるだけのものを購入する場合」「ユニット家具のものを購入する場合」「リノベーションする場合」の3つの方法があります。

手段 方法 価格の相場
ユニット畳(置き畳) 置き畳のみをホームセンターなどで購入し、既存の居室に敷き詰める。 4.5畳で2~10万円
(畳の質で価格が大きく異なる)
畳ユニット家具 大型家具店などで購入し、既存の居室に設置する。収納付きもある。 4.5畳で4.5~7万円
リノベーション施工 新築時のような小上がりを、居室に施工する。収納付きかどうかで価格が変わる。 4.5畳で約20~60万円

小上がりだけでなく隔壁や仕切りもご希望の場合、その費用も追加になりますが、どのような方式にするかで、価格は大きく差が出ます。たとえばカーテンかパーティションの利用であれば、数千円から2万円ほどで済みます。

小上がりの和室や寝室:活用事例を紹介!

和室や寝室の観点から、小上がりの活用事例をご紹介します。

来客の就寝と急な片づけを解決

小上がりは、親類の定期的な滞在や友人の泊まりがけの訪問の際にも、即応できる機能を持たせられます。

床下収納にお部屋の片づけものや、お客さまの荷物を収め、布団を敷くだけですぐに就寝スペースに活用できます。寝具をしまうクローゼットを併設しておけば、来客の準備は30分とかからないでしょう。

添い寝や見守りに最適な畳スペース

小上がりはお昼寝の添い寝に最適です。段差がある側に親御さんが寝るようにすると、転落しにくく安心です。

寝かしつけの時期が終わってから子供部屋を設けるまでの期間は、遊びや宿題の見守りが始まります。

子供部屋学習より成績が良いなど、リビング学習の有効性が注目されています。親子のコミュニケーションを増やす場としても、小上がりが活用できるでしょう。

和室プレイルームと収納は相性抜群

小上がりで遊んだあとは、子供が床下収納できれいに片づける習慣を身に付けられます。和室は常に床にじかに接しているため、片づけもしやすいです。

効率よく片づけできるように収納の中を区切ったり、バスケットなどを準備してあげたりすると良いでしょう。

リビングの寝室でバリアフリー使い

寝具へ腰かけて出入りができれば、小上がりの段差も高齢者の動作の助けとなります。リビングに接していれば食事や玄関、トイレ、入浴にもアクセスが良く、生活や介護の負担が少ないでしょう。

夜間リモートワークからの就寝に

リモートワークも根を詰めると、夜間に及ぶことがあります。2階の寝室エリアで寝ている家族に気兼ねなく仕事をしたあと、起こさないようにそのまま就寝することも。そんなときもソファの仮眠ではなく、寝具で眠れるのは、小上がりならではです。

まとめ

小上がりとは何かや利用事例、メリット、後悔しないための考え方などを解説しました。意外なくらいにたくさんの用途を持つ小上がりですが、メリットばかりではありません。小上がりを設置して後悔しないためには、危険防止の対策は事前に考えておきましょう。

また、今後子供の成長や介護の需要にあわせて、時期に応じての使い方も事前に想定することで、小上がりのフル活用につながります。

© Housing Stage All rights reserved.

この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。

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