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家づくりの雑学

2024.07.31

平屋の注文住宅のおしゃれな間取り事例5選

近年平屋が人気で、ハウスメーカーも平屋のラインナップに力を入れ、平屋専門の工務店なども登場しています。

また、平屋は施主の方の年代を問わず人気です。本記事では、平屋の注文住宅のおしゃれな間取り事例をご紹介しながら、平屋のメリット・デメリット、平屋の間取りを考える際の注意点などを解説します。

INDEX

そもそも平屋とは?

平屋とは、1階建ての住宅を指します。すべての居室や設備をワンフロアに持ち、効率的な暮らしや、天井高や建物の形など柔軟な建物設計がしやすいのが、もっとも大きな特徴です。

マンションの動線効率やメンテナンス性の良さと、一戸建ての独立性や設計の柔軟性など、双方の利点を併せ持つため、マンション派の方にも、次の住まいとして気になる存在です。

平屋に対して人気が集まっている理由として考えられるのは、コロナ禍以降におうち時間が重視され、家事の効率や品質、住まいのデザイン性などに対して関心が高まったことが挙げられるでしょう。

また、住まいに対する価値観が多様化し、職住接近よりも住環境の良さを重視する動きが生じたことなども、関係していると考えられます。

これまでは立地の良い場所の高価な土地に、建ぺい・容積率の効率にまさる2階建て住宅をつくるのが主流だったものが、時代の流れに沿って、土地や建物に対する志向性が変化したことになります。

下記は、現在お住まいの家の階数構成別で「次は何階建てに住みたいですか?」という問いの集計です。今3階建てに住んでいる方でも35.9%、今平屋に住んでいる方は78.1%と、平屋の人気と平屋居住者の高い満足度をあらわしています。

2023年 日本トレンドリサーチと株式会社ロゴスホームによる調査

平屋のメリット・デメリット

平屋のメリット

2階以上のフロアのない平屋は、以下のような数多くのメリットを持っています。

  • ● ワンフロアで無駄のないバリアフリー空間
  • ● 効率の良い生活動線
  • ● 家族のコミュニケーションが豊かに
  • ● 自然を感じながら暮らせる
  • ● 維持のコストが安い
  • ● 自然災害に強い

平屋はワンフロアにすべてがあることで、階段の移動やフロア間の荷物移動などがありません。掃除機や衣類の持ち運びも不要です。この点は高齢の方のみでなく、毎日の大きな利点として享受できます。

またその結果、2階建ての家よりも各種動線は短い傾向となり、家事などの生活の時間効率も高められるでしょう。

ワンフロアの利点はまだあります。家族全員が、その気配を身近に感じながら過ごせることで、コミュニケーションの機会や、お互いのことを考える時間が増える効果です。子どもや高齢の親の見守りにも効果を発揮するでしょう。

戸外の景色に接しながら暮らす平屋は、採光や開放感を狙って、植栽や自然光を身近に感じられる設計をすることが多いです。オフィスビルで過ごす時間とは一味違う、我が家のひとときが自慢となるでしょう。平屋の自然志向は、アウトドアリビングを取り入れた暮らしや、子どもの遊びにも良い影響をもたらすでしょう。

子育てといえば、2階がないことで子どもやペットの転落のリスク回避にもなります。

ほかにも、建物高が低いので、足場などの修繕やメンテナンスに要するコストが、20年や30年の長い目では数十万円単位の価格差となることもあります。

さらに平屋は2階を持たないことで建物全体の質量が軽く、重心が低いため、地震などの揺れに強く壊れにくいです。(ただし質量の軽さから、増水時は建物が流されやすい場合もあります)

以下は「平屋にした理由」についてのアンケート結果です。動線の合理性に高い支持が集まっていることが分かります。

このほか、大きな屋根を利用して、太陽光発電の設置がしやすく、省エネルギーや脱炭素にも役立つでしょう。

2016年 セキスイハイム調べ

平屋のデメリット

メリットの多い平屋にも、以下のような対策や事前の理解を要するデメリットが存在します。

  • ● 広めの敷地が必要
  • ● 坪単価が高くなりやすい
  • ● 居室の内側の採光に要注意
  • ● 屋根や屋外からの音対策に要注意

平屋はワンフロアで建ぺい率・容積率を消化するため、希望の延べ床面積を実現するために、2階建てに比べて広めの土地を要することになります。

必要な面積は庭や植栽、ウッドデッキなどの設備の希望にもよりますが、単純に30坪の家をつくるだけであれば、建ぺい率60%で50坪の土地があれば良く、必要な土地の広さは家族のニーズによるでしょう。

また、平屋は基礎や屋根など、壁面などに比べてコストが高い箇所を大きくつくる必要があることから、同じ延べ床面積の2階建て家屋より、坪単価や本体工事価格が高くなる傾向です。

ほかに平屋の構造はワンフロアの面積が大きくなる関係で、窓から遠い家の中心部の採光や通風が不利になりがちなので、対策が必要になることがあります。

さらに平屋は、就寝時も人や車の往来のある戸外から近いため、防音、防犯、プライバシーへの配慮が必要です。快適性においての要注意点として、2階がない分屋根からの雨音や、熱や冷えがダイレクトに伝わりやすくなります。

とくに、勾配屋根を利用した高い天井の構造にする場合は、防音や断熱には配慮しましょう。

おしゃれな平屋 成功事例5選

【20坪】シンプルさと開放感を両立

夫婦と小学生の子ども1人の住まいで、来客にも対応しやすい3LDKの間取りです。平屋のコミュニケーション性の高さを活かした室内と、南側のウッドデッキ・家庭菜園などのプライベートスペースが自慢です。

北側の寝室や和室周辺は、廊下やホールを設けず、無駄を省いたシンプルで合理的な配置に徹し、LDKを挟んだ南側のゾーンは開放感やゆったりがキーワードとなるように設計されています。

子ども室やリビング部分は高窓を設けて採光を確保しているため、気持ちの良い日差しが注ぐ構造です。家事スペースは東側に合理的にまとめられ、屋外のサービステラスも活用して家事が行えるようになっています。

シンプルでコンパクトな平屋の魅力を、最大限に引き出した成功例といえるでしょう。

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

【30坪】家族のつながりとプライバシーに満足

夫婦と4歳の子どものための3LDKに、ファミリークローゼット、ウォークインクローゼット、土間収納、ランドリースペースなど、日常の暮らしを支えるスペースをしっかり設けた平屋の間取りです。

リビングダイニングからは、ウッドデッキのシンボルツリーが自然との一体感を常に抱かせてくれる、気持ちの良い景観が楽しめます。

ウッドデッキの先の植栽はさらに心地良いおしゃれな景観を提供してくれますが、南側が道路に面している関係で、プライバシーを守る役割も果たしているでしょう。

玄関から続く土間収納、洗面は、帰宅動線を支える機能に溢れています。コートや靴、かばんをしまい、簡単な着替えののち手洗いするなど、スマートな行動が可能です。

ランドリースペースから続くウッドデッキはリビング側とは仕切られて、物干し場の役割を果たします。

各居室は広くはない代わりに、充実した収納があるためすっきりと片付き、絆の強い平屋の暮らしの中で、家族それぞれのプライベートにも配慮がなされています。

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

【40坪】平屋ならではの自由な設計

共働きの夫婦と5歳の子どものための、5LDKの平屋です。キャンプ、登山、読書、ガーデニング、ピアノなど、多趣味な家族の希望を満たす仕掛けが多数の家です。

平屋ならではの自由でおしゃれな形状の家となりました。24帖と12帖の大きめの2つのリビングを中心とした設計で、二世帯住宅のような構造が印象的です。サブリビングは現在はプライベートスペースとして使用され、家庭菜園やガーデニング、ピアノの練習などの拠点にもなっています。

家でお仕事をする関係で、公私の区間を両立することにこだわりがあり、来客用の駐車場や広めのリビング、書斎はワークスペースとして機能し、サブリビング側が私的空間の役割を担います。

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

【50坪】ウッドデッキと坪庭で充実した採光

30代の共働き夫婦と小学生の娘2人、将来的に夫側の親と同居予定を視野に入れた平屋の間取りです。両親や友人がよく来るため、気軽に宿泊できる和室が準備されています。

細かい壁面で多数仕切られた平屋は地震や災害、防犯に強い設計となっていますが、LDK部分は高窓を配したオープンで明るい構造です。

大胆なコの字型の家で、戸外に面した形になるのはダイニングテーブルの部分です。また、ほかにも3か所にわたって坪庭を設け、採光を兼ねたくつろぎの空間を演出しました。

面積の大きな平屋ですが、水回りや家事動線はLDKの隣にコンパクトにまとめられています。

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

【60坪】来客のためのゾーン分け

共働きの夫婦と息子5歳のための4LDKの平屋です。母屋はガレージから一段高くなっており、地形を利用してプライバシーを確保しました。また、ガレージに面した通りの騒音も和らげることができています。

大きな面積の平屋で、家の中心が暗くなることへの対策で、玄関ホールのラインで横一線に高窓が設けられており、採光を確保しています。

遊びに来た友人の応対は玄関ホールを境目にして右側のゾーンで行い、左側のゾーンはプライバシーを確保することで、気軽に遊びに来てもらえる環境づくりができました。

ガレージ内に有効な収納スペースを設け、趣味のものや大きなものを片付けられるので、家の中はすっきりとした状態が保てます。

間取り図の掲載協力『madree(マドリー)』

おしゃれな平屋にするためのコツ

おしゃれな平屋には、ある程度のセオリーがあります。以下が基本的な点です。

  • ● ウッドデッキで戸外とのつながりをつくる
  • ● 屋根形状や外壁素材の工夫
  • ● 外構を工夫する
  • ● パティオを設けた建物で自然を身近に
  • ● 勾配天井で開放感ある室内を

前述の間取り事例のように、ウッドデッキは平屋での採用率が非常に高いです。戸外に気軽に出るという気持ちを高めてくれるほか、リビングから戸外へのつながりが広々と見える視覚効果を生み、開放感を演出します。イスとテーブルのセットなどを準備すると、アウトドアリビングに早変わりです。

平屋は視線が低い部分に集まり、屋根形状や外壁素材の工夫で、おしゃれに見える要素が強いです。価格ではなく、ローコストなシンプルモダンのデザインでも、サイディングや外壁の材質、色などで効果的な外観づくりができます。

屋根を片流れにしたり、外壁材の一部に木材や石材をあしらったりするなども、効果的です。また、平屋は植栽が映えるので、外構との組み合わせの工夫で、家をおしゃれにしやすくなります。

ここまでご紹介したパティオ(中庭)も、採光を兼ねて設けることで、屋内からの景観がおしゃれでくつろいだ雰囲気となります。ガーデニングや純和風の庭など、アレンジの方向性も自由自在です。

自分でパティオの手入れを行えば、園芸の趣味と一石二鳥の楽しみとなるでしょう。

室内への工夫でおすすめは、勾配天井で天井高を高めに取り、2階建家屋の吹き抜けのような開放感を生む方法です。。天井高の高いリビングは、広さの視覚効果が高く気持ちの良い空間となります。

ただし、2階部分がないことで屋根からの音や外気の温度が直接屋内に伝わらないよう、遮音や断熱への工夫は必要です。また、空調効率を上げるために換気用の高窓やシーリングファンを設けるのも良いでしょう。

平屋の間取りを決める際の注意点

平屋の間取りを考える際には、以下の点を意識してみましょう。

  • ● 開放感と一体感
  • ● 防犯とプライバシーの確保
  • ● 採光と通風の工夫
  • ● 動線の無駄を出さない
  • ● プライベートスペースの確保

平屋のメリットである家族の一体感をうまく活かした間取りを検討しましょう。開放感のあるリビングを中心にして、各居室が緩やかにつながってコミュニケーションを取れると良いでしょう。これは危険防止や見守りという観点からも有効です。

また平屋は外からの視線を受けやすく、プライバシーの確保に気を遣う必要性が高い傾向にあります。大切なものや生活の様子があまり目につかないように工夫しながら、屋外のプライベートゾーンを確保しましょう。

平屋の高窓やパティオはおしゃれな要素となるほかに、採光や通風を確保するための手段でもあります。家の外側はプライバシー保護の要素が強いため、家の内部から光と風を取り込める構造が平屋の理想です。

階段が不要になるなど、動線が合理的になるのが平屋のメリットですが、油断すると使いにくい間取りとなるリスクもあります。たとえばランドリースペースとファミリークローゼットが遠くては、毎日の家事に大きな支障となってしまいます。家事動線と関連する収納は、コンパクトにまとめるのが基本です。

平屋の一体感はメリットである反面、仕事や来客からの公私の分別がつきにくい面や、家族の中での一人の時間の確保がしづらい面もあります。

平屋の場合、あまり居室を仕切り過ぎると採光がやりづらくなりますが、間取りの中でゾーン分けをするなどで、うまくプライベートな空間も確保しましょう。

まとめ

平屋の注文住宅のおしゃれな間取り事例のご紹介、平屋のメリット・デメリット、平屋の間取りを考える際の注意点などを解説しました。

国土交通省のデータによると、2012年の時点で6.8%だった平屋のシェアは2022年には12.4%となり、1.8倍と急速な伸びを示しています。

ニーズが高まり、そこに開発や研究の力が注がれることを考えれば、今後もおしゃれで生活の質の高い平屋の成功事例から、目が離せません。

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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。

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