2024.12.03
引き戸とは?開き戸との違いやメリット・デメリットについて解説!
「家づくりをすると決めるまでは、戸の種類や機能の違いは考えたことがなかった」という方も多いのではないでしょうか。引き戸をはじめ、家の戸にはそれぞれ適材適所の機能や性能が求められ、その種類やデザインもさまざまなタイプが用意されています。
そこで本記事では、近年見直されてきた引き戸に焦点をあて、そのメリット・デメリットや、開き戸との違いなどを解説します。最新の引き戸の進歩にも触れますので、家づくりの参考にしてください。
INDEX
引き戸と開き戸はどう違う?
まずこの項では引き戸とは何かと、家屋の代表的なドアとして用いられる「引き戸」と「開き戸」との、基本的な違いを解説します。
- ● 引き戸とは?
- ● 引き戸と開き戸の違い
引き戸とは?
引き戸は戸車と溝、レールなどを使って横方向にスライドさせて開閉する方式の戸です。床の溝の上をスライドさせるレール型や、上部にレールを設ける上吊り型に分けられるほか、戸の構成によっていくつかのタイプがあります。上吊りタイプは床にレールが不要なため、段差のない床が実現できます。
近年は子どもや高齢の家族の暮らしやすさに配慮する目的で、引き戸を採用するケースや引き戸へリフォームするケースが増えてきました。
引き戸と開き戸の違い
開き戸とは、蝶つがいを使い、壁に対して前後に開閉する戸です。ドアノブをつかんで押し引きする動作で開閉し、ドアの動線には物を置くことはできません。
開き戸は壁などとの間の隙間が小さくでき、パッキンなども付けやすい構造のため、気密性や遮音性に優れ、日中静かなお部屋にしたい場合に向いています。また、引き戸のように戸の左右に開閉のためのスペースを必要としません。
引き戸の種類を紹介!
引き戸は戸の動きや構成によって、以下の4種類に分けられます。
- ①片引戸
- ②引違戸
- ③引分戸
- ④引き込み戸
①片引戸
片引き戸は一枚の戸を左右一方の方向にスライドさせて開閉するタイプです。壁にそって戸の1枚分の開閉スペースが必要です。少し開けておいて、換気や採光もできます。
②引違戸
引違戸は食器棚などにもよくある戸で、2つのレールの上で2枚の戸を交互にスライドでき、片方だけを開けた状態にできるタイプです。戸を外すと開口部が戸の2枚分となり、家具など大きなものの運搬などに便利です。
③引分戸
引分戸は、開口部は引違戸と同じ2枚分ですが、1本のレールで2枚の戸をスライドさせて開閉します。真ん中で2枚の戸を合わせるので、正しく閉まっているかが分かりにくいことがあります。
2枚の戸をスライドさせるスペースが開口部の両側に必要となるかわりに、戸を外さなくても大きな開口部が作れ、開け放つと開放的な空間となるのがメリット。
④引き込み戸
引き込み戸は引分戸の、戸をスライドするためのスペースを壁の中に設けたタイプで、戸が壁面に収納されるため、外観がとてもすっきりする方式の引き戸です。
ただし、戸袋といわれる壁の中のスペースの掃除がしにくく、物が入り込んだ場合は取るのが大変などのデメリットがあります。
引き戸に関するよくある質問!
本項では、引き戸に関するよくある質問と回答をご紹介します。
- ● 引き戸の値段はどのくらい?
- ● 引き戸は防音性はある?
- ● 引き戸は交換できる?
引き戸の値段はどのくらい?
ほかのドアから引き戸にリフォームすると、どのくらいの予算が必要でしょうか?
室内のドアやクローゼットの扉を引き戸にする場合は、通常20~30万円です。ただしバリアフリーや断熱性能を意識した構造の戸に交換する場合は部材の価格が高く、50万円ほどになるケースもあります。
開き戸を引き戸にリフォームする工事も通常20~30万円ですが、壁に対する引き戸の施工方法によっては値段が高くなります。引違戸で壁の開口部を広げる、引き込み戸で天袋を壁内に作るなどです。
玄関扉の場合、引違戸のために2本のレールを作ったり、開口部を大きくしたりする場合などでは工事費が高くなり、100万円台に達することもあるでしょう。
工事の種類 | 相場 | 備考 |
---|---|---|
室内ドアやクローゼットを引き戸に | 20~50万円 | 引き戸本体の価格差が大きい |
開き戸や扉を引き戸に | 20~30万円 | 壁の工事が必要な場合も |
玄関扉を引き戸に | 30~100万円 | 大きな引違戸にすると高価 |
引き戸は防音性はある?
引き戸は開き戸と違い、開口部の隙間を狭くすることが難しい構造のため、気密性や遮音性を高めるうえでは不利です。遮音が必要な部屋の戸は開き戸にするのがおすすめといえます。
逆に、日常的に開け放って使うことが多い場所には、引き戸のほうが向いているでしょう。
引き戸は交換できる?
引き戸自体も交換して新しくすることができます。鍵や取っ手だけを交換することも可能です。近年の引き戸は、軽量化されているうえ、スライドの動きがスムーズなため、交換することで開閉が非常に快適になるでしょう。おしゃれなデザインのものも多数出ています。
引き戸から引き戸への交換は、前述の開き戸から引き戸への交換同様、約20~30万円より可能です。
引き戸のメリット2選!
ここであらためて、引き戸のメリットがどんなものかを整理しましょう。引き戸は以下のような点で魅力的です。
- ● デッドスペースを減らすことができる
- ● 開け閉めが簡単
デッドスペースを減らすことができる
開き戸のように開閉のために前後のスペースを確保しなくても、ドアが身体や壁面に当たってしまう心配がないため、デッドスペースを生むことも少なくなるでしょう。引き戸の周辺では、家具などの配置も余裕をもって行えます。
廊下と戸の開口部の幅を850mm以上にとり、引き戸にしておけば、車いすでも通れる仕様となります。
開け閉めが簡単
油圧式のドアクローザーなどの付いた重めの開き戸は、子どもや高齢の方にとって開閉に力を要するだけでなく、身体をぶつけるなどの心配もあるでしょう。
そのため開閉が楽で事故の少ない引き戸がおすすめです。
以下はバリアフリーのリフォームで大切だと思う点についてのアンケートです。段差の解消と手すりの設置に次いで、引き戸への変更と答えた数が多くなっています。
注文住宅の引き戸導入例を紹介!【実例】
本項では、注文住宅の中で実際に引き戸を暮らしに活用している例をご紹介します。
子どもの見守りの際は開け放っておく
家事をしながら子どもの遊びの見守りや寝かしつけをするには、リビングに隣接した畳スペースが便利です。
子どもが遊んでいる際は引き戸を開け放ち、寝たあとは、こちらの話し声や生活音などが気にならないように、あるいはリビングと段差がある場合は危険防止のために半分閉めるなど、自由なアレンジが可能でしょう。
個室の機能を最大限発揮するためにスペース効率を追求
下図は家族のコンパクトな寝室とクロークが、廊下で結ばれている間取りです。スペース効率を追求したレイアウトですが、これらの空間を開き戸で結ぶと、日常の動線が「通せん坊」だらけになってしまいます。この間取りのように、引き戸であればドアの開閉に必要なスペースが少なく、スムーズな動線を確保できます
子どもにも軽くて扱いやすい引き戸の用法の例です。
両親のお泊まりの際は、和室を個室使いに
生活習慣の異なるご両親の訪問の際には、お互い気兼ねのない暮らしができるのが理想です。
引き戸を締め切っておけばリビングで遅くまでテレビを見ていても、就寝した両親の妨げになりません。また、荷物を広げて気楽に着替えるなど、必要に応じてプライバシーを確保できるのも、引き戸の魅力ではないでしょうか。
写真のようにクローゼットも設けておけば、滞在が少し長くなっても安心です。
広々玄関の引分戸でらくらく収納を
玄関土間にものを置くのは、あまりよくはありませんが、子どもが小さいときなど、一時的には必要な時期があるもの。
玄関を開口部の大きい引分戸や引き込み戸にしておけば、土間に隣接したクローゼットに趣味のものや子どもの乗り物、車いすなどをらくらく収納できます。台風が近づいているとき、外のものを一時避難させたい場合などにも、威力を発揮するでしょう。
まとめ
引き戸とは何か、そのメリット・デメリットや開き戸との違いなどを解説しました。
上の写真の戸が開き戸であった場合、明らかに室内の家具や調度に干渉することが分かると思います。スペース効率を追及しながら、暮らしやすい住まいづくりに、引き戸はとても便利です。
ご家族の希望や、将来のバリアフリーに備える状況に合わせて、採用を検討してはいかがでしょうか。
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この記事はハウジングステージ編集部が提供しています。